第9位
「COLD WAR あの歌、2つの心」
冷戦下のポーランドで激しい恋に落ちたピアニストと歌手の十数年に渡る愛憎劇
監督:パヴェウ・パヴリコフスキ
出演:ヨアンナ・クーリク、トマシュ・コット(キノフィルムズ配給)
河原晶子
(映画評論家)
美しい虚無。
第9位
「 家族を想うとき」
過酷な労働条件で働き続ける共働き夫妻の家庭が次第に壊れていく様を克明に描く
監督:ケン・ローチ
出演:クリス・ヒッチェン、デビー・ハニーウッド(ロングライド配給)
おかむら良
(映画評論家)
ケン・ローチ監督が描きだしたある家族の苦い時間はイギリスも日本も現実は変わらない。
秦早穗子
(エッセイスト)
今年、心に残ったのは、現実の問題に直面している人間や、歴史の中で闘ってきた人々を描いた作品が多かった。世界の映画が警鐘を鳴らす事実は、他岸の火事ではないのを、若い人は敏感に感じとっているにちがいない。
村上淳子
(映画&海外ドラマライター)
より良い生活を求め大資本の搾取に疲弊する家族に涙。
第8位
「 ブラック・クランズマン」
白人至上主義者の集会に二人一役で潜入捜査を決行した黒人と白人の警官コンビの実話
監督:スパイク・リー
出演:ジョン・デヴィッド・ワシントン、アダム・ドライバー(パルコ配給)
第7位
「運び屋」
大量のドラッグを90歳の老人がたった一人で運んだという実話を映画化した衝撃作
監督:クリント・イーストウッド
出演:クリント・イーストウッド、ブラッドリー・クーパー(ワーナー・ブラザース映画配給)
稲田隆紀
(映画解説者)
クリント・イーストウッドが喰えない爺さんをひょうひょうと演じたので、今年の1位と男優は決まった。
北島明弘
(映画評論家)
枯淡と熱気がミックスし、主役の個性が光る。
第6位
「 ROMA/ローマ」
激動の70年代初頭のメキシコを舞台に、ある一家の激動の一年を家政婦の目から描く
監督:アルフォンソ・クアロン
出演:ヤリッツァ・アパリシオ、マリーナ・デ・タビラ(Netflix配給)
高瀬由美子
(映画ライター)
圧倒的なモノクロの映像美。そして音。監督の幼い頃の思い出と、メキシコが大きく変わった時代がクロスしながら蘇る。
まつかわゆま
(シネマアナリスト)
女たちの共闘に希望を。
第5位
「女王陛下のお気に入り」
18世紀英国王室で女王、女官長、侍女の愛と野望が交差する豪華絢爛なドラマ
監督:ヨルゴス・ランティモス
出演:オリヴィア・コールマン、エマ・ストーン(20世紀フォックス映画配給)
きさらぎ尚
(映画評論家)
人気のみならず実力でも目覚ましいエマ・ストーンは、本作でベテラン女優に引けを取らない存在感でドラマを見応えあるものにした。
第4位
「 アイリッシュマン」
全米を揺るがせた”ホッファ失踪事件”の真実を名匠スコセッシ監督が大河ドラマ化
監督:マーティン・スコセッシ
出演:ロバート・デニーロ、アル・パチーノ(Netflix配給)
池田敏
(海外ドラマ評論家)
確かにスコセッシ監督の集大成でしたが、 Netflixでメイキングを見ると、巨匠も実は技術面で制約を受けていた のではないかと思いました。
大森さわこ
(映画ジャーナリスト)
スコセッシ監督の集大成。王道ドラマのすごさに圧倒された。
木村奈保子
(映画評論家)
パチーノ、デニーロ、ジョー・ペシさまが揃いも揃って登場し、スコセッシ監督で蘇った集大成、興奮度800%の完成度に、ただただ敬意を。時代を経ても語り継がれる3人の名優の記念作。映画人生に感謝。
まつかわゆま
(シネマアナリスト)
今年初めて配信視聴経験をして認識を新たにしました。だから、ではないですが映画館でこそみられるべき映画を配信会社で作った確信犯スコセッシと映画の面白さを堪能させてくれたその傑作にベストワンを。
渡辺祥子
(映画評論家)
スコセッシ監督のNYへの愛着に共感しながら、彼と長年組んで来た俳優たちの出演を楽しんだ。