1. 生い立ち・家族
1983年8月11日、オーストラリアはメルボルンに生まれたクリス・ヘムズワース。母親は教師、父親は社会福祉カウンセラーというお堅い一家でありながら、ヘムズワース家3兄弟はみんな芸能の道へ。末弟リアムはご存じマイリー・サイラスの元夫、長男ルークも俳優。
一方、トム・ヒドルストンは1981年2月9日、イギリス・ロンドン生まれ。母親は準男爵家の血を引く元舞台マネージャー、父親は物理学者にして会社社長。クリス同様、3兄弟の真ん中っ子だけど、トムは姉妹に挟まれていて、妹エマはテレビシリーズなどで活躍する女優、姉のサラはジャーナリストで、姉妹とは「世界で一番の親友」と言うほど。
両親はトムが13歳の頃離婚しているものの関係は良好だそうだが、「両親が離婚手続きをしている間、学校に行けなかったことがすごくストレスで、そのはけ口のために演技を始めたんだ」と語っている。
2. 演技への情熱
ふたりとも真面目で妥協しない性格で知られているだけに役作りもどこまでも真摯でアツい!
『ブラックハット』(2015年)でクリスと組んだマイケル・マン監督は「彼は真っ直ぐで芯があって素直。役作りに対して情熱があって、没頭して役になりきってくれる」とベタボメ。
クリスと言えば『マイティ・ソー』でも見せた筋肉隆々の美ボディが有名だが、これもトレーナーをつけて1日5食にして20ポンド増量。けれど『白鯨との闘い』(2015年)ではその筋肉を落とし、1か月間毎日500〜700キロカロリーに抑えて20ポンド減量した。
トムはリサーチを重ねて役柄と同じ環境を実体験して役作りするタイプ。『アイ・ソー・ザ・ライト』(2015年)でカントリーシンガーのハンク・ウィリアムズを演じた際はカントリーミュージシャン、ロドニー・クロウェルと共に5週間一緒に暮らし、ドラマ『ナイト・マネジャー』(2016年)でホテルのマネージャーを演じた時は実際にホテルで働いた。『キングコング:髑髏島の巨神』(2017年)では、毎朝4時に起きてトレーニングをしてから撮影に向かうというストイックさ。
3. ブレイク以前
幼い頃からテレビや映画が好きで演技に興味を持っていたクリスはオーストラリアでテレビドラマに出演していたものの、ハリウッドを目指してバックパックひとつで渡米。『スター・トレック』(2009年)でチャンスを掴むがその後が続かず、数々のオーディションに落ちてしまう。
ちなみにブレイク作『マイティ・ソー』も実は最初のオーディションでは落選。この時、弟リアムが同じくオーディションでほぼ決まりかけていたものの、若すぎるという理由で再オーディションが行なわれることになり、クリスは弟にアドバイスを聞いて再度臨んだ結果、主演をゲット!
トムは名門イートン校からオックスフォード大学に進み、優秀な成績で卒業後、王立演劇学校で学んだという正統派エリート。学生の時からテレビドラマに出演し、ウエスト・エンドに立ち、順調な初期キャリアを築く。
トムの恩人であるケネス・ブラナーとは舞台やドラマ『刑事ヴァランダー』(2008年)で共演。ブラナーはトムがブレイクするきっかけとなる『マイティ・ソー』の監督を務めた際、プロデューサー陣にトムを大プッシュ。ソー役では落とされてしまったけれど、誠実な人柄や確かな演技力を大先輩に評価された結果のロキ役ゲットだったというわけで。
4. ロマンス
ロマンスに関しては、ブレイク前に結婚した“ファミリーマン”クリスと、独身謳歌中のトムは正反対。
クリスは2010年、7歳上のスペイン人女優エルサ・パタキーと1年弱の交際後に結婚。2012年に第一子、2014年に双子の男児が誕生。家族と過ごす時間が何よりも大切と考えたクリスは、パパラッチに追われず自然に囲まれた母国オーストラリアのバイロン・ベイに2015年に移住し、家族5人、仲睦まじく暮らしている。
一方、爆モテなのに未だ結婚していないトム。過去に交際を明かしているのは、『刑事ヴァランダー』で共演した女優スザンナ・フィールディング(2008〜2011年)と、自分の恋愛を歌にする“転んでもタダでは起きない女”テイラー・スウィフト(2016年)のふたりだけ。
特にテイラーとの恋愛時、彼ほどの知性派でも恋愛で浮かれるんだ...と世界中がニヤついた。とは言えたった3か月でテイラーに振られたトムはかなり引きずっていた様子。
現在はブロードウェイの舞台『Betrayal』で共演したゾー・アシュトンとのデートが目撃されている。ただ、トムはもともとプライベートは話さないスタンスなので、この恋も公に認めることはなさそう。
5. 来日
これまでにふたりとも2度の来日を果たしている。
クリスの初来日は2014年、『マイティ・ソー/ダーク・ワールド』と『ラッシュ/プライドと友情』のプロモーションの時。成田空港で約500人のファンに出迎えられて「世界各国に行ったけど、こんな歓迎は初めて!」とたいそうゴキゲンに。
トムの初来日は2017年の『キングコング:髑髏島の巨神』で。寿司や刺身を食べたことを報告したり、日本語吹き替えキャストのGACKTに新宿ゴールデン街に誘われたりと日本を満喫。
2度目の来日はふたりとも東京コミコンで。2018年のコミコンに来たトムはロキのスピンオフドラマについてしゃべったりとリラックスムード。クリスはその翌年、MCU仲間のマーク・ルファロやジュード・ロウ、オーランド・ブルームなど豪華キャストと共に熱心にファンサービスをしていた。
6. ファッション・着こなし術
クリスと言えばTシャツ!逞しい胸筋が透けて見える絶妙なサイズ感のTシャツはマッスル男子にだけ許された色気増し増しアイテム。
彼の場合、公式な場でもスーツのインナーをTシャツにしたり、シャツでもボタンをふたつは開けてノーネクタイというスタイルがサマになる。洗いざらしのシャツをノーベルトのチノパンにインするコーディネートも、大人のラフシックな着こなしとして完成されていてワイルドでかっこいい。
地元オーストラリアを歩く時は、ちょっとくたびれているくらいのTシャツ&デニムといたってカジュアル。気取らない人柄がファッションにも出ている。
トムと言えばスーツ!ハイブランドのスーツをボタンをひとつだけ止めて両手をポケットに突っこんで写真を撮られるのが公式の場ではほぼ定番。
シングルもダブルも柄物も三つ揃いもノーネクタイも、スタイルの良さも手伝ってとにかくオシャレ上級者。タイピンからポケットチーフなどの小物のチョイスまでスキがなくさすが英国紳士。
普段着はブラック、ネイビー、ホワイトなどのベーシックカラーのアイテムを使ったシンプルコーデが多く、テイラー・スウィフトとのデートでもシャツをインしてベルトをキッチリしていたのが大人カジュアルのお手本だ。
7. 業界交友関係
クリスもトムもMCUのキャストとは全員仲良しだけど、中でもクリスは、Wクリスと言われるクリス・エヴァンスに本当の兄弟のような親しみを感じているそう。
MCU以外だとクリスはマット・デイモンと親しいことで有名。お互いの家を頻繁に行ったり来たりは当然のこと、何故かクリスがマットの家でインタビューを受けたり、マットにオーストラリア移住説が流れたり。ふたりはクリスがハリウッドで仕事を始めた頃に知り合って以来、ずっと仲が良く、13歳上のマットを先輩として人間として尊敬していると語っている。
トムが親友だと明かしているのはベネディクト・カンバーバッチ。スティーヴン・スピルバーグの『戦火の馬』(2011年)で共演したことがきっかけで親しくなり、カンバーバッチが降板したギレルモ・デル・トロの『クリムゾン・ピーク』(2015年)の代役を快諾したり、カンバーバッチの結婚式に出席したり、お互いをインタビューしあったりと親密なブロマンス。
他にイートン校とケンブリッジ大学の同窓生エディ・レッドメインや、同じくケンブリッジ大学の同級生ダン・スティーヴンスとも親交がある。
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