実際にブルース・リー作品に出演したこともあるジャッキー・チェンたち
ドニー・イェンのほかにもブルース・リーをリスペクトし、影響を受けたスター、映画人は世界中に数多い。
まずはジャッキー・チェン。スタントマン時代にブルースに目をかけられ「燃えよドラゴン」「ドラゴン怒りの鉄拳」にスタントマンとして参加。ブルース亡きあとは、ブルースの後継者を捜していた映画会社の抜擢を受け「ドラゴン怒りの鉄拳」の続編となる「レッド・ドラゴン/新・怒りの鉄拳」(1976)に主演。だがうまくいかず、その後、自分のキャラを生かした独自のコミカル路線を開拓、世界のジャッキーとして羽ばたいていった。
同じようにブルースに信頼されていたサモ・ハン・キンポー、「死亡遊戯」でブルースのスタンドインをつとめたユン・ピョウもまたジャッキーの仲間であり、ブルースとの出会い、彼がもたらした世界的なクンフーブームによって人生が大きく変わった面々である。
香港の鬼才チャウ・シンチーはブルース・リーの熱烈な信奉者として有名だ。「僕にとってブルースはスター以上、クンフーマスター以上の存在。ブルースなくして今の自分はない」と語り、2004年には往年のクンフースターを大集結させ監督・主演した「カンフーハッスル」が大ヒット。同じく監督・主演した「少林サッカー」ではシンチーが見つけてきたブルース似のゴールキーパーが話題をさらった。
そのチャン・クォックァンも幼い頃からのブルース・ファンで、あまたいる〝ブルースのそっくりさん俳優〞の中でも抜群のビジュアルを誇り、伝記ドラマ「ブルース・リー伝説」に主演したほか「イップ・マン継承」「イップ・マン完結」では若き日のブルースを堂々と演じている。
韓流スターにもブルースの信奉者が少なくない
韓国ではチャン・ヒョクがブルース・マニアとして知られている。長年、道場に通ってジークンドーを習得。ドラマ「推奴チュノ」などで見事なアクションを披露しているほか、演技にもブルースの思想や哲学を取り入れており、ブルースを語り始めたら止まらない。
一方、クォン・サンウは「マルチュク青春通り」でブルースに憧れる純粋な高校生を鮮烈に演じて観客の心に爪痕を残した。台湾の国民的歌手ジェイ・チョウは、ブルースの出世作となった「グリーン・ホーネット」のハリウッドリメイク版で主人公のカトーを好演。
さらに2003年にはタイからブルース、ジャッキー・チェン、ジェット・リーの映画を見て育った〝ムエタイの神〞トニー・ジャーが「マッハ!」で彗星のように出現。驚異の身体能力でアクション・ファンの度肝を抜いた。