今回影響を受けた映画といえば間違いなくリチャード・ドナー監督の「スーパーマン」ね
パティ・ジェンキンス監督
── 舞台を1984年にしたのはなぜでしょう?
「私たちが生きているこの時代は、どこから始まったかというと1980年代なのよ。それはつまり、1980年代を舞台にすれば今の時代に対するコメントも出来るということになる。
もうひとつの理由は、80年代に作られていた大作映画。その雰囲気をもった作品を作りたかったからなの。いま作られているスーパーヒーロー映画のほとんどはデジタルを多用している。
でも、80年代の映画は違うわ。私は出来る限りデジタルを使わず、役者にもリアルなアクションを求めた。ワイヤーワークを駆使してガル(ガドット)が空中を飛んでいるシーンを撮影したときは、私自身、本当に興奮したわ。まるで自分が80年代の大作の監督になったような気分だったから」
── この3部作はそれぞれ独立した作品になると聞いています。そういうスタイルにした理由を教えてください。
「私は、主人公が同じの、まったく違う作品を作りたかった。前作から物語を続けると、どうしてもその作品に引きずられてしまう。観客から見れば『同じようなシーンがあったな』となる。それだけは絶対避けたかったのよ。それはある意味、自分自身に対する挑戦のようなものだと思う。だから3作目もまったく違う作品になるはずよ!」
── 本作を作る上でもっとも影響を受けた映画があれば教えてください。
「間違いなくリチャード・ドナーの『スーパーマン』ね。私は子どもの頃からこの作品が大好きで、いつかそんな映画を撮りたいと思っていた。『ワンダーウーマン』シリーズはその夢をかなえてくれたのよ」
僕が着る衣装は若き日のトランプ大統領や「ウォール街」の主人公を意識したらしいね
ペドロ・パスカル(マックス・ロード)
── 本作に出演することになった経緯を教えてください。
「僕はパティの『モンスター』(2003)が大好きで、彼女のTVムービー『Exposed』のオーディションを受け、出演したことがあるんだ。それからずいぶん経って、僕の知っているプロデューサーから本作の話を聞いた。当然、長いオーディション・プロセスがあるんだろうと思っていたら、なんとそれナシでこの役を貰えたんだよ。僕自身が一番驚いたね(笑)」
── 実際に参加していかがでしたか?
「ご存じのように、莫大な製作費をつぎ込んだ超大作だよ。もちろん、僕もそのつもりだったんだが、実際に中に入ってみるととても個性的でクリエイティビティに富んでいて、まるで昔やったニューヨークの小さな舞台のようだった。
パティーは役者が大好きなんだ。だからたとえ大作であってもキャラクターにスポットを当て、彼らを描こうとする。それは僕たちにとって最高だったんだよ」
── あなたが演じるマックス・ロードのモデルはトランプ大統領っぽいですが、彼を意識して演じているんですか?
「いやあ、みんなそういうけど、トランプについて話したことはないんだ。確かに80年代の彼はイケイケだったんだけどね。ただコスチュームデザイナーは当時のトランプや、『ウォール街』のゴードン・ゲッコー(マイケル・ダグラス)を意識してスーツをデザインしたと聞いている。ゲッコーの洗練さとトランプの悪趣味を合わせた感じだろうか。僕は今回の衣装、かなり気に入っているんだけどさ(笑)」
前作を見た後あまりに感動して監督にメールしちゃったくらいの私が出演できるなんて!
クリステン・ウィグ(バーバラ/チーター)
── あなたにとって本作が初めてのスーパーヒーロー映画です。期待通りでしたか?
「間違いなく期待していた以上ね。私はこれまで作られたスーパーヒーロー映画はすべて観ている。それくらい大好きなのよ。とりわけ強く反応したのが『ワンダーウーマン』だった。
何て素晴らしいんだろうと泣いちゃって、隣に座っていたボーイフレンドの腕を強く握ったくらい(笑)。実は、あまりに興奮してパティにメールしちゃったの。こんな素晴らしい映画を作ってくれてありがとうとお礼を言いたかっただけなのよ。
そのあと、パティが私と話したがっているという話を聞いて会い、それが出演につながるなんてウソみたいだわ(笑)」
── 本格的なアクションも初めてですよね。トレーニングはいかがでしたか?
「それは思っていた以上に大変だった。ロンドンのスタジオに行く前に2か月、向こうでも2か月くらい、ずーっとトレーニングをし続けた。いかに自分の体について知らなかったかが判ったわ。
まさかこんなところに筋肉があるなんて、という感じで驚きの連続でもあったのよ。速度のあるダンサブルなアクションのときなんて、私は追いついていけないのに、隣のガルはスーイスイ。情けないことこの上なかった(笑)」
── チーターの役作りでベースにしたのはやはり原作コミックだったのですか?
「コミックにはいろんなバージョンのチーターがいる。だから私は脚本とパティーに従ったの。脚本は明確だったし、パティーも確固たるビジョンがあったからよ」
「ワンダーウーマン 1984」
2020年12月18日(金)公開