主人公のサッカー選手の面とそうでないときの面の両方を描いているのが良いですね(森重)
──舞台はイギリスですが、お二人は日本代表等でも海外を経験されてきて、日本とのヨーロッパの観客の違いをどう感じていますか。
森重
「ヨーロッパとJリーグを比べるとJリーグはファン・サポーターが優しいなという気はします。負けても拍手をくれる時もありますし、連敗していてももっと頑張れという意味で拍手がありますが、海外ではそういうのはあり得ないと思います。Jリーグ自体が世界一安心・安全なスタジアムというものを作っているのもあり、日本人の国民性もありますので大きな違いがあるんじゃないかなと」
林
「日本人にとってのフットボールの意味合いとヨーロッパの選手やファンにとっての意味合いが、だいぶ違うように感じますね。日本の場合はイチスポーツのサッカーでしょというのが強くあると思うんですけど、僕がヨーロッパに行った時、いろんな人種の選手がいる中で、全員がというわけではないですが、成り上がってやろうという気持ちだったり熱意だったり、貪欲性はJリーガーが持っているものとは比べものにならないものを感じました。
やはり結果を残さないと家に帰れない、普通の職に就いても給料は安いけれどサッカーなら白人に勝てるんだと、そういう見方をしているファンもいるので、人種差別的な関係も含めてフットボールを観ているというのはあるのかなと思いますね」
── ありがとうございます。最後に、本作の魅力を伝えるとしたらどんなところでしょうか。
林
「まずGKをやっている方に観ていただきたいと思います。フットボールの持つ力を感じてほしいなと思います。たかがイチスポーツなんですが、スポーツの持つ偉大性をすごく感じさせられる作品だと思うし、偉大なスポーツ=サッカーを知るきっかけにもなると思うので、ぜひ観てほしいですね」
森重
「主人公のサッカー選手としての面、そうでない時の両面が描かれていて良かったです。選手たちがそれぞれのコンプレックスだったり、いろんなものを抱えながらプレーしているところも描かれている。サッカーも、サッカー以外も両方同時に観れる映画ですので、二つとも楽しんでいただければと思います」
第二次大戦後、ナチス兵士が英国との平和の架け橋となった実話を映画化
「キーパー ある兵士の奇跡」
2020年10月23日(金)公開
第二次世界大戦で捕虜となり、イギリスの収容所に送りこまれたナチスの兵士バート・トラウトマン(デヴィッド・クロス)。そこでサッカーをしていた時、地元チームの監督に認められゴールキーパーとしてスカウトされる。
やがて監督の娘マーガレット(フレイア・メーバー)と結婚したバートは、名門サッカークラブ、マンチェスター・シティFCの入団テストに合格。夫婦は想像を絶する誹謗中傷を浴びるが、バートは妻に支えられ、実力を発揮していく……
ナチス兵士がイギリスの国民的英雄となった驚くべき実話を基にしたマルクス・H・ローゼンミュラー監督のバイエルン映画祭最優秀作品賞受賞作。
配給:松竹
© 2018 Lieblingsfilm & Zephyr Films Trautmann
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