若き写真家が体験した地獄と不可能に挑んだ家族の感動の救出劇
戦争の中の日常を撮り、世界に伝えたい――。そんな熱い思いを抱いて内戦中のシリアに渡った24歳の若き写真家が、突然誘拐された。拷問と飢えに苦しみ、恐怖と不安に苛まれる地獄の日々を彼はいかにして耐え抜いたのか? そして、絶望しそうになる日々の中、彼を救出するためにごく普通の生活を営んでいた家族は、いかなる方法を実践したのか?
原作はジャーナリストのプク・ダムスゴーが書き上げた「ISの人質 13カ月の拘束、そして生還」(光文社新書刊)。監督は『ミレニアム ドラゴン・タトゥーの女』のニールス・アルデン・オプレヴ。共同監督は『幸せになるためのイタリア語講座』の俳優で本作にも出演しているアナス・W・ベアテルセン。脚本は『ダークタワー』のアナス・トマス・イェンセンが担当し、主人公の過酷な体験を緊張感あふれる演出と圧倒的なリアリティをもって描きだしている。
息子の救出を決して諦めなかった家族の奔走はスリリングかつ感動的で、知られざる人質救出の専門家の活躍ぶりも見逃せない。
主演は2017年ベルリン国際映画祭シューティング・スター賞を受賞したデンマークを代表する実力派エスベン・スメドで、ダニエルという難役を見事に演じ切っている。
そして今回解禁となったポスタービジュアルには、オレンジ色の囚人服姿で必死の形相のダニエル、そしてその背後には銃をかまえたISの戦闘員の不気味な姿が。“生きていて!”というコピーが家族の切なる願いを代弁する。
当時、日本人やアメリカ人ジャーナリストなどがシリアでISの人質になり、「ジハーディ・ジョン」と名乗る男らによって殺害された事件はまだ我々の記憶にも新しい。先日この事件の容疑者であるIS戦闘員がアメリカで起訴され、改めて注目される中、ISの真実を初めて内側から本格的に描いた映画としても必見の一作が日本公開となる。
ある人質 生還までの398日
2021年2月19日(金)よりヒューマントラストシネマ渋谷、角川シネマ有楽町にて公開
配給:ハピネット
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