『ザ・フライ』(86)、『裸のランチ』(91)などで知られるカナダの鬼才デヴィッド・クローネンバーグ監督が自動車事故により性的興奮を覚える人々を描いた危険度100%究極の偏愛を描く『クラッシュ』(96)が、『クラッシュ 4K無修正版』として、製作から25年を迎える2021年1月29日(金)より全国順次公開することが決定いたしました。
画像: クローネンバーグ監督の究極のR-18偏愛映画が4K無修正版で公開決定

英国紙が上映禁止を呼びかけるなど賛否両論

本作は、イギリスを代表する巨匠、SF作家J・G・バラードが1973年に発表した同名小説の映画化。第49回カンヌ国際映画祭で審査員特別賞を受賞し、フランスの映画雑誌「カイエ・ドゥ・シネマ」が選ぶ1996年の映画ランキングで堂々の1位を獲得した。

さらにマーティン・スコセッシ監督が選ぶ1990年代のベスト映画にもランクイン、と数々の称賛を浴びる一方で、その過激な性描写が問題視され、イギリスの新聞「デイリー・メール」紙が1面で上映禁止を呼びかけるなど、賛否両論を巻き起こした。

ある日、映画プロデューサーのジェームズは車で正面衝突事故を起こす。相手のドライバーは死亡、助手席に乗っていたドライバーの妻ヘレンはジェームズとともに病院へ搬送される。院内を歩き回れるほど回復したジェームズは夫の死になぜか平然としているヘレンと彼女に付き添う不思議な男ヴォーンと顔を合わし、事故の写真を見せられる。

退院後、ジェームズとヘレンはそれぞれ事故の衝撃を通して思わぬ性的興奮を感じていた……。再会した2人はセックスに及び、事故の体験により新たなエクスタシーを開拓するグループ=カー・クラッシュ・マニアの会の存在を知り、その世界にのめり込んでいく。

撮影は『ロッキー・ホラーショー』(75)、『スター・ウォーズ エピソード5/帝国の逆襲』(80)の他、『戦慄の絆』(88)、『裸のランチ』(91)以降のクローネンバーグ作品全てで撮影を手掛け、クローネンバーグファミリーとも言えるピーター・サシツキーが担当している。

このたびの上映素材は、2019年、第76回ベネチア国際映画祭で上映され話題を集めたもの。長らく消失したと思われていた35mmオリジナルネガがカナダで発見されたことを機に3ヶ月かけてサシツキー監修のもと4K化。クローネンバーグが最終承認を与えた素材だ。

画像: 英国紙が上映禁止を呼びかけるなど賛否両論

全編の8割以上がセックスシーンである本作へ果敢に挑んだのは、主人公ジェームズ役に、スティーヴン・ソダーバーグ監督『セックスと嘘とビデオテープ』(89)で第42回カンヌ国際映画祭の最優秀男優賞を受賞したジェームズ・スペイダー。

夫を失いながらも新たなる欲望を開拓しようとするヘレン役に、ジェーン・カンピオン監督『ピアノ・レッスン』(93)で第66回アカデミー賞主演女優賞、第46回カンヌ国際映画祭最優秀女優賞、第51回ゴールデングローブ賞主演女優賞に輝いたホリー・ハンター。

交通事故で両足が不自由になりながらもボンテージファッションに身を包み、性の境地を切り開いていく女性ガブリエルにロザンナ・アークエット。その他、ジェームズの妻キャサリンにはデボラ・カーラ・アンガー。彼らを結びつける謎の男ヴォーンにはイライアス・コティーズなど個性豊かな俳優陣が集まっている。

死と隣合わせの危険な快感への目覚め、人体損壊と車体の破損への欲求と美意識……。後戻りできない世界にどこまでも堕ちていく姿を、クローネンバーグならではの映像世界で描ききった異常に満ちた唯一無二の作品だ。

  

クラッシュ 4K無修正版
2021年1月29日(金)よりシネマート新宿ほか全国順次公開
配給:アンプラグド
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