最新インタビューを通して編集部が特に注目する一人に光をあてる“今月の顔”。今回取り上げるのは「ストレンジャー・シングス 」シリーズで注目され、子役から美しく逞しく成長中の16歳、ノア・シュナップ。若くして成功しながらも謙虚で、真摯な性格がうかがえる最新インタビューです。
カバー画像:「エイブのキッチンストーリー」のフェルナンド・グロスタイン・アンドラーデ監督と

『感情が降りてこないなら、自分に無理強いしてはならない』と学びました”

Photos by Aaron Richter/Contour for Pizza Hut

ノア・シュナップ

Netflixオリジナルシリーズ「ストレンジャー・シングス 未知の世界」のウィル少年役でブレークし、もっとも将来が嘱望される若手俳優の一人に。映画初主演作となる「エイブのキッチンストーリー」(2020年11月20日公開)に続いて「アーニャは、きっと来る」も11月27日に日本連続公開。2004年10月3日生まれの16歳。

世界中で社会現象的な話題を呼び、いよいよシーズン4の撮影もリスタートしたNetflixの人気ドラマシリーズ「ストレンジャー・シングス 未知の世界 」(2016〜)。その人気を牽引し、世界中にその名を轟かせているのが、メインキャストの一人を演じるノア・シュナップだ。

シーズン1の登場時は12歳で、あどけなさも残していた少年は、2020年の10月に16歳になり、凛々しい美青年へと成長。その魅力に夢中になる人は日ごとに増え、今や彼のインスタグラムのフォロワーは1700万人を超えている。

そんな彼の初めての映画主演作となるのがこの秋公開される「エイブのキッチンストーリー」。彼が演じるのは料理好きな12歳の少年エイブで、自分にしか作れない料理で家族を一つにしようと決意する彼の奮闘が描かれていく。

続いて日本ではもう一本の主演作「アーニャは、きっと来る」も連続公開。映画界でも彼の快進撃が始まりそうだ。「エイブのキッチンストーリー」の監督を務めたフェルナンド・グロスタイン・アンドラーデを聞き手として、演技への取り組み方や新作について語ってもらった。

本当に演じることが好きなら、絶対にそれを追求すること

画像: 「エイブのキッチンストーリー」のフェルナンド・グロスタイン・アンドラーデ監督と

「エイブのキッチンストーリー」のフェルナンド・グロスタイン・アンドラーデ監督と

── 役者を始めたきっかけはなんですか? また、演じることを生涯続けたいと思いますか?

『もっと若い頃はただ楽しくて、(双子の)妹と一緒に演技のクラスを受講していました。演技とダンスと歌のクラスを受けて、それからCMに2本ほど出演しました。初めての大きな仕事は「ブリッジ・オブ・スパイ」(2015)です。

トム・ハンクスさんとスティーヴン・スピルバーグ監督と一緒に仕事ができて最高でした。そして、撮影現場で10歳の誕生日を迎えたんです。僕のインスタグラムに当時のビデオを投稿していますが、ハンクスさんとスピルバーグ監督と一緒に誕生日を過ごせてすごく嬉しかったです!』

── あなたと同じように役者になりたいと思っている子どもたちへのアドバイスはありますか?

『あります! 本当に演じることが好きなら、絶対にそれを追求すること。そして一生懸命に努力して、拒否されてもそれを受け入れることです。なぜなら、多くのキャスティングディレクターからたくさんダメ出しをされますから。

オーディションでいよいよ役の最終候補まで残ったとしても、その役を逃すこともあります。もし役を得られたとしても、今度はスケジュールが合わないこともあります。どうしてもうまくいかないことはあるので、それを受け入れなければなりません』

── 学校の勉強もしながらプロの役者としても活動していますが、自分をどのように管理していますか?

『二つの人生を一度に送っている感じです。僕は小さい頃から学校と役者と両方をやっているので、確かに大変です。時間が無いこともあったし、考えないといけないこともたくさんありました。撮影の時は現場へ行った瞬間からすぐに役になりきり、撮影が終わったらまた学校へ戻って授業を受けるんです。そして20分でまた撮影現場に戻り、そのシーンの感情を呼び戻すということをします。とても大変でした』

── どのようにして、そこまで瞬時に役になりきれるのですか?

『「ストレンジャー・シングス 未知の世界」でウィノーナ・ライダーさんと一緒に仕事をしたときに、彼女に何度も聞きました。彼女が号泣するシーンをずっと演じていて、そのたびに「それはどうやってるの?」と。すごく難しそうに見えました。

そこから学んだのは“感情が自分に降りてこないなら、自分に無理強いしてはならない”ということ。こうしなくちゃいけないと自分を追い詰めてはいけないのです。自然とそうなるように仕向けないといけません』

── 映画初主演作の「エイブのキッチンストーリー」にはどのようにして関わることになりましたか?

画像: エイブのキッチンストーリー

エイブのキッチンストーリー

『僕の父と一緒に、レストランで監督と話したときのことを覚えています。監督がこの映画について説明してくれたときに「この役なら理解できる! 僕の家族もこの役を気に入る!」と思いました。いい役だなと思ったんです。

そして料理をするシーンもあると分かって、自分ももっと料理が上手になりたかったし、とても美しい映画だから出演したいと思って、この映画に注力することに決めました。フランス人、ブラジル人、イタリア人、アメリカ人といった多様な文化と人々が混ざり合う撮影現場になるのがとても楽しみだったので、出演が決まったと知ったときは本当に嬉しかったです』

── 映画であなたの料理の師匠を演じるセウ・ジョルジとの共演はいかがでしたか?

『彼はとてもカッコイイし大好きです。撮影が始まるまで、彼が歌手だとは知りませんでした。いくつか曲を聴いてみたんですが、とても気に入りました。歌がとても上手いんですよね!

そして父が、彼の出演した映画「シティ・オブ・ゴッド」(2002)を「素晴らしい映画だから、もっと大人になったら見てね。きっと気に入ると思うよ」と教えてくれました。だからその映画を調べて、ほかの作品もチェックして、共演するのがとても楽しみでした。

料理をするシーンで、美味しくて美しい食事を一緒に作ることができました。確か彼が撮影最終日だったとき、歌ってくれて、監督が彼の曲をかけてくれました。それが本当に素晴らしくて、彼のザラっとした歌声が素敵で。彼との共演は本当に良かったです。彼は素晴らしい方です』

── 僕(監督)との仕事はどうでしたか?

『監督は最低でした!……というのは冗談です(笑)。僕たちにアドリブで演技をさせてくれました。普通の撮影だと「このセリフを言って下さい。勝手に変えちゃダメですよ、製作側に迷惑をかけてはいけないから」と言われるんです。

でも監督とはとてもリラックスして撮影できました。誰かが何か違うと思えば、それを変えることもできたので、非常に良かったです。僕らにそのようなことをさせてくれて、本当に感謝しています』

── ありがとうございました! 愛をこめて。

『ありがとうございました! 僕からも』

「エイブのキッチンストーリー」
2020年11月20日(金)公開

監督:フェルナンド・グロスタイン・アンドラーデ
出演:ノア・シュナップ、セウ・ジョルジ

ブルックリン生まれの12歳の少年エイブが大好きな料理を通して家族や自分自身を見つめ直していく成長ストーリー。ノア・シュナップの映画初主演作で、「ライフ・アクアティック」(2004)のセウ・ジョルジらが共演。

© 2019 Spray Filmes S.A.

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