主演と監督に聞く「新感染半島」製作秘話
カン・ドンウォン『ゾンビ役の俳優にけがをさせないよう気をつけました』
── 前作は見ていましたか? 感想はいかがでしたか?
『4年前に劇場で見たのですが、とてもワクワクしながら楽しませてもらいました。今回の作品は前作とは全く違うポスト・アポカリプスが背景で、こういう作品にぜひ出てみたいと思っていたので良い経験になりました』
── 監督のヨン・サンホとはどんなコミュニケーションを取りましたか?
『準備期間中、僕はロサンジェルスにいたんですが、リモート会議でたくさんコミュニケートしました。お会いする前はもっとクールな方だと思っていましたが、器の大きい優しい方でした。撮影も安心してできました』
── ゾンビと戦うアクションは初めてなのでは?
『やはり難しかったですね。ゾンビの役の方は動きが制限されていて防御できないので、けがをさせないように注意しながらアクションをこなさなければいけないんです。銃を使うアクションはもともと訓練を受けていたので、特に今回はしませんでした』
── ファンのみなさんにメッセージを。
『とにかく盛り上がってわくわくしながら楽しんでほしいです。この映画を撮っている時はまさか世界がこんな風になると思っていなかったのですが、今の世の中と重なることがたくさんある映画だとも思います』
ヨン・サンホ監督『希望のない人間こそがゾンビなのだと思いました』
── 現在のコロナ禍についてどう考えますか?
『本作のテーマは「孤立した、絶望した世界でどんな希望を見つけられるか」ということなんですが、今の時代に適したテーマだと思います。でもまさかこんな事態になると撮影中は全く思っていませんでした。また本作では希望のない人間こそがゾンビだと思い、こういう構図を作り上げたんです』
── 続編のアイデアはどこから?
『前作を撮影中にロケーションでいろいろな所へ行ったのですが、その時ある廃屋を見てこの世界観を思いついたんです。製作会社に話したら「やってみよう」となりました。』
── 影響を受けた作品などはありますか?
『たくさんありますが、大友克洋さんの「AKIRA」はその一つです。アニメではなく漫画の方です』
── 本作は三部作と言われますが、それぞれテイストが違いますね。
『最初のアニメーション「ソウル・ステーション/パンデミック」は寓話的で残忍なブラックコメディーで、「新感染ファイナル・エクスプレス」はそれと全く別のものを作ろうと心がけました。結果、周囲から驚かれました。今回の作品も続編といえども、全く異なるものにしようと考えました。独特なシリーズになったと個人的にも満足です』