2020年最大の話題作にしてクリストファー・ノーラン監督の最新作「TENET テネット」が、早くも4K UHD&ブルーレイでリリースされます。そこでリピーター向けの鑑賞ポイントを多数のネタバレとともにご紹介。劇場で鑑賞した際には理解しきれなかったアノ場面やアノ人との関係も、スッキリ解消しちゃいましょう!(文・斉藤博昭/デジタル編集・スクリーン編集部)

ネタバレが含まれますので、未鑑賞の方はご注意ください。

初対面だけど初対面じゃない!?“最高の相棒”名もなき男とニール

「TENET テネット」の魅力の一つともいえるのが、名もなき男とニールの関係性。彼らの会話や行動に注目しながら見直すと、より作品に入り込めること請け合いです。

1.ムンバイのヨットクラブ
“初対面”で相手の好みを知っているニール

画像: 1.ムンバイのヨットクラブ “初対面”で相手の好みを知っているニール

すでにキエフのオペラハウスで接触があった、名もなき男とニールだが「初対面」として挨拶を交わすのが、ムンバイのヨットクラブのロビー。ここでニールは自分にウォッカトニック、名もなき男にダイエットコークを注文する。

名もなき男が任務中にアルコールを飲まないことを、すでにニールは知っていた。このやりとりから、2人の関係が深く、これが初対面ではないことを想像させてくれる。

2.オスロ空港の金庫室
逆行する相手との戦いから見えるアプローチ

画像: 2.オスロ空港の金庫室 逆行する相手との戦いから見えるアプローチ

名もなき男とニールが、最初に綿密な計画を進行させるのが、オスロ空港の金庫室。ここで名もなき男がエスプレッソを頼むのは謎だが、この後の2人の冷静な仕事ぶりがカッコいい。

しかし時間逆行の回転ドアから敵が現れたことで、名もなき男はパニくりながら戦いを強いられる。ニールはこの顛末を予想していたと考えると、2人のアプローチの違いをより楽しめるはず(後半、再び同じ場面での逆行展開で、その違いがさらに明らかに)。

ひと仕事を終えた後、ジャケットを脱いでYシャツ姿で語り合う彼らのリラックスした表情も味わい深い!

3.巡航船
ニールのさりげない一言と胸にしみる表情

時間の逆行を使ってキャットの大ケガを治した後、沖を行く巡航船で彼女と最後の計画を打ち合わせる、名もなき男とニール。ここでニールはさりげなくキエフのテロの件などを口に出し、「どうしてそれを知ってるんだ?」と名もなき男に詰め寄られるも、真相を語らないように話をそらす。何気ない会話のシーンだが、ここでのニールの表情はラストに通じているようでやけに切ない。

4.クライマックス
「テネット」のテーマが込められた最後の別れ

画像: 4.クライマックス 「テネット」のテーマが込められた最後の別れ

ニールの行動で世界の終末を防ぐことができたクライマックスで、ようやく彼は、名もなき男に頼まれて未来から来たことを告白する。ニールはさらに「これは素晴らしい友情の終わりだ」と言い残し、二度と会えない2人の運命に、観ているわれわれの涙腺もユルんでしまった。その直前にニールがこんなことを言う。「キャットに会いにロンドンへ行かないのか? 遠くから見るのも?」。名もなき男はその場で否定するも、結局、遠くからキャットと息子のマックスを守ることになる。もしニールがマックスなら、自分に会いに来てほしいと伝えたかったのかも!?

\ココにも注目!/
クールに崩すニールのファッション

画像3: スッキリ解消!リピーターのための「TENET テネット」鑑賞ポイント

きちっと決めたスーツだけでなく、ちょっと崩したファッションがニールの持ち味。ムンバイではリゾート向きのスーツを着ているが、ちょっと薄汚れた感じで地元っぽさを出している。ジャケットと長いスカーフや、ブラックシャツとネクタイの組み合わせは、ロバート・パティンソンが身に着けると、やけにクール。この衣装へのこだわりも特典映像で解説されている。

「TENET テネット」ブルーレイ&DVDセット
2021年1月8日(金)発売

発売:WBHE
販売:NBCユニバーサル
価格:4,527円+税(3枚組/ボーナス・ディスク付)、【初回仕様】4K ULTRAHD&ブルーレイセット=8,164円+税(3枚組/ボーナス・ディスク&ブックレット付)/デジタル配信中
特典:メイキング・オブ・テネット(75分)、予告編集(9分)

Tenet (C) 2020 Warner Bros. EntertainmentInc. All rights reserved.

新たに日本語吹替版を収録!

ジョン・デヴィッド・ワシントン演じる主人公の名もなき男をチャドウィック・ボーズマンの吹替で知られる田村真、その相棒でロバート・パティンソン演じるニールを「おそ松さん」「鬼滅の刃」の櫻井孝宏が担当している。

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