杉山すぴ豊
アメコミ系映画ライター。雑誌や劇場パンフレットなどにコラムを執筆。アメコミ映画のイベントなどではトークショーも。大手広告会社のシニア・エグゼクティブ・ディレクターとしてアメコミ映画のキャンペーンも手がける。
2021年よりフェイズ4開始!
ここ数年マーベル・スタジオは年2本新作を公開してきました。しかし2020年はコロナ・ウィルス禍によってMCUの作品が一本も劇場にかからないという年でした。
しかし2021年は2020年公開作だった2作を含め計4本が公開予定。さらにディズニープラスのMCUドラマも加わり、ファンにとってはワクワクの1年になりそうです。ここで簡単に状況をおさらいしておくと
- 今後MCUは劇場公開作だけではなくディズニープラスでのドラマ・シリーズも積極的に展開し、映画とドラマが連動していく
- 2021年からMCUフェイズ4が始まる
ということです。さらに先日のディズニーの投資家向け発表会ではディズニープラスにおけるMCU作品は今まで発表されていた7タイトルに加え新たに6作が追加で発表、計13作品が動いていることが判明。
そうした動きから見えてくる、これからのMCUとは?まず2021年にドラマの先陣を切るのは『ワンダヴィジョン』(2021年1月15日)、『ファルコン&ウィンター・ソルジャー』(2021年3月19日)、『ロキ』(2021年5月)、アニメ『ホワット・イフ…?(原題) 』(2021年夏)。この4作をフェイズ4の立ち上がりにもってきたことは興味深いですね。
ドラマも加わりMCUファン必見の一年に!?
『ワンダヴィジョン』
2021年1月15日(金)配信
ワンダとヴィジョンのカップルをめぐる不思議な物語。死んだヴィジョンがなぜ生きているのか等、謎が多い。
まず『ワンダヴィジョン』『ホワット・イフ…?』はマルチバース(パラレルワールドみたいなことです)をテーマにした作品と言われています。この2作でマルチバースを『あり』にしておけば、この先MCUは “別の世界のアイアンマン”という仕立てでロバート・ダウニー・Jr.ではない役者でアイアンマンを登場させることも可能になります。
実際『ワンダヴィジョン』は映画『ドクター・ストレンジ・イン・ザ・マルチバース・オブ・マッドネス(原題) 』につながる模様です。『ファルコン&ウィンター・ソルジャー』『ロキ』は映画『アベンジャーズ/エンドゲーム』の続きであり、まさに映画とドラマの融合。またそれぞれキャプテン・アメリカ、ソーの映画でサブキャラだった登場人物を主役にしている。
『ファルコン&ウィンター・ソルジャー』
2021年3月19日 配信
キャプテン・アメリカの相棒だった2人の冒険。果たしてキャプテン・アメリカの後を受け継ぐのは誰なのか?
つまり“ソロ映画が成立するかは未知数だが、ある程度人気があるヒーローたち”の活かし方としてディズニープラスは最高の機会です。つまりこの4作は、これからのMCUの『世界の広げ方』『ヒーローへの登竜門』戦略を象徴しているのですね。
すでに撮影が始まっている『ミズ・マーベル(原題) 』『ホークアイ(原題) 』は10代の女性ヒーローが先輩ヒーローの背中をおって成長する話。MCUが今後、『若手』『女性』ヒーローに力を入れていくこともわかりますね。
『ロキ』
2021年5月 配信
『アベンジャーズ/エンドゲーム』(2019)でスペースストーンを使いNYから逃亡したロキが時空を超え、騒ぎを起こす。
『ホワット・イフ…?(原題) 』
2021年夏 配信
宇宙の監視人ウォッチャーが『ペギーがキャプテン・アメリカだったら』的な“もしも”の世界に誘うアニメーション・シリーズ。
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