「スーツは現代の紳士の鎧」──『キングスマン』(2014)でコリン・ファース演じる主人公ハリーはこんな言葉を残しました。スーツとは文字通り、現代の勝負服。映画の中でもその勝負服が数々の名場面を生んできました。伝説として語り継がれる、名キャラクターたちの傑作スーツ・スタイル15選です。(文・清藤秀人/デジタル編集・スクリーン編集部)

『ラ・ラ・ランド』(2016)のセバスチャン(セブ)・ワイルダー(ライアン・ゴズリング

どの時代にもマッチするレトロ感

画像: どの時代にもマッチするレトロ感

『ラ・ラ・ランド』
『セッション』のデイミアン・チャゼル監督が贈るミュージカル。女優の卵のミアとジャズピアニストのセブの恋を描く。第89回アカデミー賞で史上最多タイの14ノミネートを達成。

ジャズミュージシャンのセバスチャン(ライアン・ゴズリング)が劇中で着こなすレトロなメンズファッションは、どの時代にもマッチする永遠のヒットアイテムだ。

ホルターネックのサマードレスを着たミア(エマ・ストーン)と腕を組み、散歩する彼は茶色のジャケットを脱いで腕にかけ、トレードマークの黄色のタイをアピール。靴は勿論白と茶のコンビ。

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『オーシャンズ11』(2001)のダニー・オーシャン(ジョージ・クルーニー)とラスティー・ライアン(ブラッド・ピット)

“世界一セクシーな男”二人の色気が漂う

画像: “世界一セクシーな男”二人の色気が漂う

『オーシャンズ11』
1960年の『オーシャンと十一人の仲間』の現代版リメイク。ラスベガスを舞台に犯罪のプロたちの史上最大の強盗作戦を描く。シリーズ化され、スピンオフ『オーシャンズ8』も誕生。

かつて“世界一セクシーな男”だったジョージ・クルーニーとブラッド・ピットが、互いに服の着こなしで対抗するのが『オーシャンズ11』。

ラスティー(ピット)はストライプのシャツの襟をライトブルーのサマースーツの外側に出して、一方、ダニー(クルーニー)は白いシャツにグレーのスポーツジャケットで、夏のラスベガスで大仕事に着手する。

因みに、ビットが愛用しているサングラスはオリバーピープルズ。これ以外にはない組み合わせ。

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『裏切りのサーカス』(2011)のジョージ・スマイリー(ゲイリー・オールドマン)

冷戦時代のスパイが纏うダークなスタイル

画像: 冷戦時代のスパイが纏うダークなスタイル

『裏切りのサーカス』
スパイ小説の巨匠ジョン・ル・カレの代表作を基にしたミステリー。英国諜報部の二重スパイ“もぐら”をめぐる頭脳戦が展開。オールドマンら豪華キャストが夢の競演。

冷戦時代の1970年代ロンドン。70年代と言えば派手なスーツが幅を利かせていたが、登場するスパイたちは恐らくそれよりも前に購入したスーツを着回していたに違いない、と言う発想の下、仕立てられたのがゲイリー・オールドマン演じるスマイリーが纏う50年代風のダークな3ピース。外出時に彼はこの上にアクアスキュータムのコートを羽織る。

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『ミッション:インポッシブル/ゴースト・プロトコル』(2011)のイーサン・ハント(トム・クルーズ)

1シーンのためにスーツ16着を用意

『ミッション:インポッシブル/ゴースト・プロトコル』
トム・クルーズ主演のメガヒットシリーズ4作目。世界一高いビル、ブルジュ・ハリファでの超絶スタントは語り草に。最新作となるシリーズ7作目が2021年に公開予定。

イーサン・ハント(トム・クルーズ)の服へのこだわりと衣装デザイナーの努力が最も顕著なのが『ゴースト・プロトコル』。何しろ1シーンだけのためにスーツが16着、シャツが24着用意されたのだ。

中でも、イーサンがドバイに降り立つ時に着ている高級素材モヘアの光沢のあるブルーのスーツは、スリムなフィット感がスーツ好きの間で話題になった。

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『ジョン・ウィック』(2014)のジョン・ウィック(キアヌ・リーヴス)

“黒”の多彩さを堪能させてくれる

『ジョン・ウィック』
シリーズ伝説の元殺し屋ジョン・ウィックの復讐と死闘を描くノンストップ・アクション。『マトリックス』と並ぶキアヌ・リーヴスの代表的シリーズとなり、2022年に第4弾が全米公開予定。

殺し屋にとってスーツはユニフォームみたいなもの。ディテールに凝る必要はない。と言うわけで、シンプルなブラックスーツに身を包んだキアヌ・リーヴスがいつになくファッショナブルなのが『ジョン・ウィック』。

劇中では、真っ黒な黒、グレーに近い黒、光沢のある黒、等々、黒のバリエーションが次々登場して、この色の多彩さを堪能させてくれる。

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