『グリーンブック』(2018)のトニー・“リップ”・ヴァレロンガ(ヴィゴ・モーテンセン)とドクター・ドナルド・シャーリー(マハーシャラ・アリ)
今も人気のヴィンテージアイテムが続々
『グリーンブック』
第91回アカデミー賞で作品賞など3部門を制した感動ロードムービー。差別の色濃い南部へのツアーに繰り出した天才黒人ピアニストとイタリア系用心棒の友情を実話に基づいて描く。
ツアー最終公演の夜、白人専用レストランへの入店問題でトラブるドン(マハーシャラ・アリ)とトニー(ヴィゴ・モーテンセン)をファッションチェック。
2人の衣装は基本アメリカン・ヴィンテージだが、この場面のドンは舞台衣装のスワローテールド・コート(燕尾服)で、一方、トニーは定番のブラックスーツで決めている。
劇中には他にも、シルクの蝶タイ、茶色のチェッカー、タートルネックと、今も人気のヴィンテージアイテムが続々。
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『カサブランカ』(1942)のリック・ブレイン(ハンフリー・ボガート)
タイムレスなメンズフォーマルのお手本
『カサブランカ』
映画史に燦然と輝くラブストーリーの金字塔。第16回アカデミー賞にて作品賞・監督賞・脚色賞の3部門を受賞。劇中に登場する「君の瞳に乾杯」は今も語り継がれる名台詞。
ケイリー・グラントと並ぶダンディズムの権化はハンフリー・ボガート。『カサブランカ』で彼が着たアイボリーホワイトのダブルブレストのタキシード&白いコットンシャツ&黒い蝶タイのコーデは、メンズフォーマルのお手本みたいなもの。
そして、ヨレヨレのトレンチコートもタイムレスな人気アイテムに。それらは時は巡っても愛される服の代表だ。
Photo by Silver Screen Collection/Getty Images
『コードネームU.N.C.L.E.』(2015)のナポレオン・ソロ(ヘンリー・カヴィル)とイリヤ・クリヤキン(アーミー・ハマー)
英国紳士服の伝統を受け継ぐ
『コードネームU.N.C.L.E.』
1960年代の人気TVシリーズ「0011ナポレオン・ソロ」を基にしたスパイ・サスペンス。敵同士のCIAエージェントとKGB工作員が世界的テロを止めるためにまさかのコンビを結成。
ベルリンでのショッピングシーンからイタリアに到着した際、ナポレオン・ソロ(ヘンリー・カヴィル)は『スペクター』でボンドが着ていたのと同じウィンドウペイン・チェックのブルーの3ピーススーツで。
ウエストを絞ったジャケットのラインは英国紳士服の伝統芸だ。一方、タートルネックにブルゾンが十八番のイリヤ・クリヤキン(アーミー・ハマー)も、イタリアではチョークストライプ(チョークで縦線を描いたような縞柄)のスーツで。
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映画×スーツの魅力を堪能できる「殿堂入り作品」は『キングスマン』シリーズ!
ハリー・ハート(コリン・ファース)
英国紳士にして最強スパイのハリーはWブレストを愛用
ゲイリー・“エグジー”・アンウィン(タロン・エガートン)
新人エグジーは高級スーツを着こなす一流スパイに成長
『キングスマン』シリーズ
『キック・アス』のマシュー・ヴォーン監督による過激アクション。英国紳士の師弟スパイ・コンビが巨悪に立ち向かう。2021年に最新作『~ファースト・エージェント』が公開。
『キングスマン』は英国製スーツの魅力を改めて教えてくれたファッションムービーの新機軸。ハリー(コリン・ファース)はボディラインがセクシーなシェイプドラインのWブレストを愛用。
これにはレジメンタル・タイと白いチーフが必須だ。新米のエグジー(タロン・エガートン)も大好きなフレッドペリーを卒業して、続編の『キングスマン:ゴールデン・サークル』ではオレンジのベルベット&ピークドラペル(尖った襟)のタキシードを着こなすまでに成長した。
1910年代を舞台に「キングスマン」の起源を描く第3弾『キングスマン:ファースト・エージェント』では、レイフ・ファインズがウールの3ピーススーツ&ベストに懐中時計という懐かしいスタイルで登場するので、お楽しみに。