猛威を振るう新型コロナウイルス感染症により、一時期は営業を休止していた映画館。しかし、もともとの換気性能の高さに加え、徹底した感染予防対策の実施により、現在では新様式での運営が再開されています。今回は、そんな映画館で実施しているコロナ対策をまとめてみました!
私たちの生活を一変させた新型コロナウイルス感染症。2019年の年末から現在(2021年4月)に至るまで世界中がこの未知のウイルスと闘ってきました。
当初不明だった感染経路も明らかになり、マスク着用、消毒の徹底、3密(密閉・密集・密接)の回避など、感染拡大予防対策も徐々に確立されてきました。人の密集が懸念されてきた各エンターテイメント業も、現在では感染防止の対応を前提とした新様式での活動が実施されています。
では、映画館のコロナ対策にはどのようなものがあるのでしょうか? ここでは、全国興行生活衛生同業組合連合会が映画館に向けて作成したガイドラインを元に、映画館の新型コロナウイルス感染拡大予防策をご紹介していきます。
映画館の感染予防対策
接触感染・飛沫感染のリスク評価
リスク評価とは、特定の期間の間に、悪い出来事がどれだけ発生しやすいのか、発生した場合にどれだけ結果が重大なのかを見るものです。映画館の施設管理者は、下記2点を判断し対策を行っています。
- 接触感染のリスク評価
他者と共有する物品やドアノブなど手が触れる場所を特定し、これらへの接触の頻度
を評価する。高頻度接触部位(テーブル、椅子の背もたれ、ドアノブ、電気のスイッチ、電話、キーボード、タブレット、タッチパネル、レジ、蛇口 、手すり・つり革、エレベーターのボタン、エスカレーターのベルト、券売機等)には特に注意する。 - 飛沫感染のリスク評価
施設における換気の状況を考慮しつつ、人と人との距離がどの程度維持できるか、施設内で大声などを出す場所がどこにあるか等を評価する。
施設内の各所における対応策
映画館にはさまざまな設備があるため、それぞれ細かく対策案が提示されています。
施設内共通の対策
- 入退場やトイレ、休憩所など行列や混雑が想定される場所では、できるだけ2mを目安に(最低1m)の間隔を空けた整列を促す等の工夫を行う。
スクリーン内の対策
映画館は「大声での歓声、声援等がないことを前提としうるもの」に該当するため、収容定員までの参加が認められています。ただし、収容率100%かつ食事の提供を行う際には、追加の対策を行う必要があります。具体的には下記の通りです。
- 情報の周知
上映前に啓蒙映像を流し、食事時間を極力短く、食事中を除くマスクの着用・咳エチケット・上映後のソーシャルディスタンス・COCOA の周知を行うとともに、遵守状況を確認する。
マスク未着用の来場者がいた場合は、状況に応じて注意を行うように努める。また、入場時には着用を確認し、必要に応じてマスクの配布・販売を行う。 - 上映前・休憩中の食事禁止
発声が想定される場面(休憩中のスクリーン内等)での食事をさせないように周知する。必要に応じて注意を行うようにする。 - 適度な換気
二酸化炭素濃度を計測する設備がある映画館は、営業中に1,000PPMを超えることがないように設定する。設定ができない場合は、1人あたり毎時30㎥以上の新鮮な外気を供給し、当該換気量が実際に確保されていることを確認する(自治体がこれを上回る換気基準を定めている場合は当該基準を満たすようにする)。
\ここでワンポイント/
映画館の換気システムについては下の動画が非常にわかりやすいです。ぜひご覧ください!
- 食事時間の短縮
喫食の時間を少なくするために、売店において、小さいサイズ(Sサイズ等)の販売を推奨する。 - 検温の実施
映画館の入口に非接触器型体温計等を設置し、入場時にも検温を行うように努める。 - 分散退場の実施
退場時は、混雑を避けるよう、必要に応じてブロックごとの分散退場等を実施するように努める。 - マナーモードの設定周知
COCOA を稼働可能な状態に保つため、上映中はスマートフォンをOFFにするのではなく、マナーモードに設定する旨を周知するように努める。
映画館の入口での対策
- マスク着用のお願い
来場者に対してマスクの着用をお願いする旨を掲示するよう努める。また、マスクを持参していない来場者に対してマスクの配布または販売により、マスク着用の担保に努める。 - 手指の消毒
施設管理者は、映画館の入口に、手指消毒用の消毒液を設置する。消毒液は定期的な交換を行う。
チケット窓口の対策
- 遮蔽物の設置
対面で販売を行う場合、可能な範囲でアクリル板や透明ビニールカーテンを設置し、購買者との間を遮蔽するよう努める。 - オンラインチケットやキャッシュレス決済のお願い
現金の取扱いをできるだけ減らすため、オンラインチケットの販売やキャッシュレス決済を推奨する。
ロビー、休憩スペースの対策
- ソーシャルディスタンス
人と人との距離を2mを目安に(最低1m)確保するよう努める。 - 対面飲食やマスク着脱の回避
対面での飲食や会話を回避し、飲食等により長時間マスクを外さないよう促す。 - 導線の管理
上映前後に人が滞留しないよう、段階的な出入り等の工夫を行う。 - 換気の徹底
常時換気を行う。 - 消毒の徹底
テーブル、椅子等の物品の消毒を定期的に行う。従事者が使用する際は、入退室の前後に、手洗いや手指消毒を行う。
トイレの対策
- 清掃・消毒の徹底
不特定多数が接触する場所は、清掃・消毒を行う。 - 蓋を閉めて流すこと
トイレの蓋がある場合、蓋を閉めて汚物を流すよう表示する。 - ハンドドライヤー等の禁止
ハンドドライヤーや共通のタオルの使用は行わない。 - 消毒液の設置など
液体石鹸や手指消毒用の消毒液を設置し、手洗いや手指消毒を行う。消毒液は定期的な交換を行う。