いま再び注目を浴びている1980年代映画から、当時大ヒットした青春映画にスポットを当て、そのセリフの中でいまも使える英語のフレーズをご紹介します。これらを意識しながらもう一度懐かしい作品を見直してみては?(文・西森マリー/デジタル編集・スクリーン編集部)

クールの反対Uncool

『プリティ・イン・ピンク/恋人たちの街角』(1986)より

画像: 『プリティ・イン・ピンク/恋人たちの街角』(1986)より

父と二人暮しの高校生アンディ(モリー・リングウォルド)はバイト先のレコード店の客ブレイン(アンドリュー・マッカーシー)に恋していた。その彼にデートに誘われ舞い上がるが、彼は富裕層で、自らの貧しい暮しと引き比べてしまう。

今回は、80年代の青春映画から日常会話に役立つフレーズをご紹介しましょう!まず、『プリティ・イン・ピンク/恋人たちの街角』でステフ(ジェイムズ・スペイダー)がブレイン(アンドリュー・マッカーシー)に言ったひと言から。

I thought that was very uncool of you last night, Blane.
──ブレイン、昨日の夜の君は全然クールじゃなかったと僕は思った。

『プリティ・イン・ピンク/恋人たちの街角』(1986)より

that/it is/was uncool of youは、「あんなこと/そんなことをする/したとは、君はクールじゃない」。uncoolはクールの反対で、「不格好だ、まともじゃない、マズい、問題がある、ひどい」など、コンテクストによって様々な意味になる便利な形容詞です。好ましくない状況の時に使ってみましょう!

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ブロークン・イングリッシュでも通じる言い回し

『ベスト・キッド』(1984)より

画像1: 『ベスト・キッド』(1984)より

転校生のダニエル(ラルフ・マッチオ)は不良グループに絡まれ、ミヤギ(パット・モリタ)という老人に助けられる。自衛のためとダニエルにカラテを教えるミヤギ。やがてダニエルは学生カラテ大会で不良グループのリーダーと激突する。

『ベスト・キッド』(原題はKarate Kid)で、競技会で足を怪我したダニエル(ラルフ・マッチオ)にミヤギ(パット・モリタ)がこう言っています。

No need to fight anymore. You proved a point.
──これ以上戦う必要はない。君は正しかったと証明した。

『ベスト・キッド』(1984)より

prove a pointは「自分の正しさを証明する」という意味です。You proved your point.と言うこともできます。現在完了を使う場合はYou have proved/proven a/your point.となります。大手メディアがお手本にしているAP通信社のスタイルブック(英文法の手引きのようなもの)には「have /has provedのほうがいい」と書かれていますが、スコットランドではprovenが使われていますし、アメリカでもprovenを使う人が多いので、provenを使っても間違っていると思われることはありません。

ちなみに、ミヤギの台詞は9割方がブロークン・イングリッシュですが、この英語は正しいので丸暗記して使ってみてくださいね!

画像2: 『ベスト・キッド』(1984)より

口調によって意味合いが変わってくる言葉

『きのうの夜は…』(1986)より

画像1: 『きのうの夜は…』(1986)より

シカゴで働く24歳のダニー(ロブ・ロウ)は結婚に束縛されない関係を望んでいた。そんな彼は付き合い始めたデビー(デミ・ムーア)と共同生活から同棲へ。だが互いの価値観のずれなどから別れることになるが……。

『きのうの夜は…』で、デビー(デミ・ムーア)が雨の中で復縁を求めるダニー(ロブ・ロウ)に言うこの一言を見てみましょう。

Dan, get on with your life. It's over.
──ダン、自分の人生を歩みなさい。(私たちの関係は)終わったの。

『きのうの夜は…』(1986)より

get on with somebody's lifeは、「悲しいことや辛い体験などを乗り越えて生きていく、苦境にめげずに人生を続ける、くじけずに前向きに進んでいく、文句を言わずに毎日生きる」というニュアンスです。

コンテクストや口調によって、「くよくよせずにがんばって生きていきなさい」という暖かい励ましの言葉にもなれば、「他人に泣きつかないで独立独歩で自力で生きろ!」という冷たく突き放した感じにもなるので、訳すときには話者のトーンと前後関係に気を配ってくださいね。

画像2: 『きのうの夜は…』(1986)より

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