いま再び注目を浴びている1980年代映画から、当時大ヒットした青春映画にスポットを当て、そのセリフの中でいまも使える英語のフレーズをご紹介します。これらを意識しながらもう一度懐かしい作品を見直してみては?(文・西森マリー/デジタル編集・スクリーン編集部)

誰かを叱るときによく使うセリフ

『アウトサイダー』(1983)より

画像1: 『アウトサイダー』(1983)より

オクラホマ州タルサの14歳の貧しい少年ポニーボーイと彼の兄弟・仲間たちの日常、対立する富裕層グループとの抗争を経ての悲劇を当時の新進若手俳優たちの出演で描いた。監督はフランシス・フォード・コッポラ。

『アウトサイダー』で、夜中の2時に帰ってきたポニーボーイ(C・トーマス・ハウエル)をかばうソーダポップ(ロブ・ロウ)をダレル(パトリック・スウェイジ)がこう叱りつけています。

You shut up! I'm sick and tire of hearing you stick up for him! You hear me?
──おまえ、黙れ!おまえがあいつの肩を持つことに俺はウンザリしてるんだ!分かってるだろう?

『アウトサイダー』(1983)より

2つめの文章は文字通り訳すと「おまえが彼を支援するのを(支援する言葉を)聞くことにウンザリしている」です。stick up for someoneは「人を支援する、人を応援する、人の肩を持つ」という意味のイディオムです。

You hear me?は、もともとの意味は「私が言っていることが聞こえるか?」ですが、「分かったか?、分かってるだろうな!」=「私の言葉に逆らうな!」というニュアンスでよく使われます。

画像2: 『アウトサイダー』(1983)より

(C)1983 Pony Boy Inc. Zoetrope Corporation. All Rights Reserved.

所有権を表す言葉dibsの使い方

『スタンド・バイ・ミー』(1986)より

画像1: 『スタンド・バイ・ミー』(1986)より

オレゴンの田舎町キャッスルロック。それぞれ家庭に問題を抱えたローティーンの4人の少年が、行方不明になった少年の死体を探す冒険に赴く。リヴァー・フェニックスらの出演。原作はスティーヴン・キングの短編。

『スタンド・バイ・ミー』からは、主人公の少年たちが死体を見つけた後に、エース(キーファー・サザーランド)に脅されるシーンで、クリス(リヴァー・フェニックス)が言う台詞を見てみましょう。

We found him! We got dibs!
──僕たちが見つけたんだ!僕たちのものだ!

『スタンド・バイ・ミー』(1986)より

dibsは「所有権、優先権、使用権」のことで、常に複数形で使われます。have/got dibs on ~は「~所有権/使用権/優先権を持っている」で、I got dibs on that slice of pizza!「その一切れのピザは僕のものだ!」という意味になります。動詞を使わずにDibs on thefront seat「! 最前列の席は私のもの!」という言い方もよく使われます。

クリスのこの台詞の前で、You wasn't planning on taking thebody from us, was you, boys?「おまえら、死体を俺たちから奪うつもりじゃないだろうな。」と言っていますが、複数形であるべきbe動詞を単数形で済ませる、というのは特に南部に多い方言です。

画像2: 『スタンド・バイ・ミー』(1986)より

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中指を立てる(ファック・ユー)と同じ意味のスラングとは

『トップガン』(1986)より

画像: 『トップガン』(1986)より

アメリカ海軍のエリートパイロット養成施設・通称トップガンに入ったマーヴェリック(トム・クルーズ)はライバルのアイスマンらと厳しい訓練に耐え、女性教官チャーリーとの恋も経験、やがて敵との実戦に出動する。

最後は『トップガン』でロシアの戦闘機を追いかけたマーヴェリック(トム・クルーズ)がチャーリー(ケリー・マクギリス)に言い訳するシーンの一言を。

Communicating. Keeping up foreign relations,.
I was, you know, giving him the bird.
──コミュニケイションをとってたんです。外交関係を保って、僕は、彼(ミグのパイロット)に中指を立てたんですよ。

『トップガン』(1986)より

give somebody the bird(鳥をあげる)は、「中指を立てる(ファック・ユーというサインをする)」という意味のスラングで、give the fingerと同じ意味で、flip the birdとも言います。

元々は「ガチョウの鳴き声のようなうるさい声を出して文句を言う(ブーイングをする)」という意味で使われていましたが、現在では「中指を立てる」という意味で特に男性、軍人、警官などの間でよく使われています。外国人がわざわざこの表現を使う必要はありませんが、聞き取れるようにしておきましょうね!

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