柳楽優弥:hair&make/佐鳥麻子 styling /長瀬 哲朗(UM)
有村架純:hair&make/尾曲いずみ(STORM) styling /瀬川結美子
『映画 太陽の子』ストーリー
純粋な科学への探求心から極秘任務に身を捧げる一方 で、兵器開発という真の目的に葛藤しながらも、恋心や友情をはぐくむ若者たちの姿を描いた作品。主人公の石村修を柳楽優弥、修と彼の弟の裕之がほかな想いを寄せる幼なじみの世津を有村架純、修の弟・裕之を三浦春馬が演じている。
監督・脚本を務めるのはNHK連続テレビ小説「ひよっこ」や大河ドラマ「青天を衝け」を手掛ける黒崎博。音楽は『愛を読むひと』のニコ・ミューリー、サウンドデザインは『アリー/スター誕生 』(2018)のマット・ヴォウレスが手掛けるなど日米の豪華キャスト・スタッフが集結。
もっと丁寧に日々を過ごさないといけないと思いました
柳楽優弥 プロフィール
1990年生まれ、東京都出身。是枝裕和監督作品『誰も知らない』(2004)で第57回カンヌ国際映画祭最優秀男優賞を日本人初の史上最年少で受賞。以降、映画・テレビ・舞台で幅広く活躍。近年の主な映画出演作品は『ディストラクション・ベイビーズ』(2016)、『銀魂』シリーズ、『夜明け』(2019)、『泣くな赤鬼』(2019)、『ザ・ファブル』(2019)、『ターコイズの空の下で』(2021)、『HOKUSAI』(2021) など。待機作にドラマ「二月の勝者-絶対合格の教室-」(NTV / 10月)主演の他、今冬W主演作「浅草キッド」がNetflixで全世界同時配信予定。
石村修
海軍から原爆開発の密命を受けた京都帝国大学の学生で、原子物理学を志す科学者。情熱的に研究に没頭する一方で、その研究がもたらすであろう恐ろしい結末を思い葛藤する。幼なじみの世津に密かに想いを寄せている。
有村架純 プロフィール
1993年生まれ、兵庫県出身。2010年に「ハガネの女」でドラマデビューし、NHK連続テレビ小説「あまちゃん」(2013)の好演で注目を集める。『映画 ビリギャル』(2015)では、第39回日本アカデミー賞優秀主演女優賞と新人俳優賞をW受賞。近年の主な映画出演作品は『かぞくいろRAILWAYS わたしたちの出発』(2018)、『フォルトゥナの瞳』(2019)『花束みたいな恋をした』(2021)、『バイプレイヤーズ~もしも100人の名脇役が映画を作ったら~』(2021)、『るろうに剣心 最終章 The Final/The Beginning』(2021)など。
朝倉世津
軍の紡績工場で働きながら「戦争が終わったら教師になる」と、戦後の未来を見据えて力強く日々を生きている。建物疎開で家を取り壊され、幼なじみである修の家に居候することに。修と裕之を兄のように慕う。
── お二人は本作のどんなところに惹かれたのでしょうか。
柳楽
原子の力を利用した新型爆弾開発の研究をしていた若き科学者の存在を全く知らなかったので、お話を頂いた時はその事実に驚きました。それを元にした作品であるのと同時に、修や世津、修の弟の裕之が過ごした青春がしっかりと台本に描かれていたので、そこが凄くいいなと思いました。
有村
私も同じで、戦時下の話であっても戦争の描写はほとんどなく、当時の人たちの生き様や若者たちの青春などがバランスよく描かれていたので、良い脚本だなと思いました。
── それぞれの役を演じる上でどんなご準備をされたのでしょうか。
柳楽
研究室で数式を書くシーンがあるので、練習したり、“修や他の学生たちは一体何をやっているのか”をしっかりと理解するために研究室シーンに登場するキャストみんなで勉強会をしたりしました。
有村
私はあの時代に生きていた女性や女性兵士のインタビュー記事を沢山読んで、彼女たちが当時どういう気持ちだったのかを調べたりしました。その中で海外の女性兵士の方が“戦争のせいで爆弾が落ちてきて、大勢の方が亡くなっている中でも、必ず美しい朝は迎えられる”とコメントしている記事があって、それを見た瞬間に戦争でどれだけ残酷な日々を生きていても、美しい朝を迎える喜びを感じていたんだなと思ったんですね。そういった言葉を参考にしながら演じさせて頂きました。
── 演じてみていかがでしたか?
柳楽
修を演じていると厳しい現実を思い知らされることもあって、正直心が辛くなる瞬間もありました。ですが、辛いだけじゃなく希望を持てるような場面もあるので、観客の皆さんにも色んなことを感じて頂けたらいいなという思いを持って演じていました。
有村
修と三浦春馬さん演じる裕之と世津が一緒に海にいるシーンで、世津が“戦争なんて早よう終わればいい。勝っても負けても構わん”と言うのですが、これは3人で一緒に過ごす中で“悔しい”とか“こんな毎日が憎い”という気持ちが少しずつ生まれていったからこそ出てきた言葉というか。このシーンは演じていてとても印象に残りました。
柳楽
世津が感情をぶつける海のシーンは早朝に撮影したのですが、かなり緊張感があって舞台の本番みたいな感じだったのを覚えています。僕は海に入るシーンの撮影もあって、波の力が想像以上に強くて大変だったのですが、監督・キャスト・スタッフみんなが一丸となって良いシーンを作ったような達成感がありました。そういえば、海のシーンの撮影場所で架純ちゃんが「あ、蜂の巣だ!」って教えてくれたおかげで誰も刺されずに済んだというエピソードもありましたよね(笑)
有村
ありましたね(笑)
── 本作を通して改めて気づいたことや大事だなと思ったことを教えて頂けますか。
柳楽
コロナ禍で友人や知人と会って食事をすることも当たり前ではなくなりましたが、本作で描かれた時代の人たちは、いまの僕たちとはまた違った辛い状況を生き抜いてきたと思います。修や世津など本作の登場人物たちから精神的な強さや逞しさを凄く感じましたし、学ぶことも沢山ありました。そして撮影を終えてみて、色んなことに感謝するようになりましたし、もっと丁寧に日々を過ごさないといけないと思いました。
有村
私も同じで、本作の撮影を通して改めて毎日ご飯が食べられることや家族と一緒にいられることなど、日常の小さなことでも感謝できるようになりました。コロナ禍で、当たり前がそうではなくなるという現実を突きつけられることも多いですが、本作をご覧頂いて少しでも何かを感じて頂けたら嬉しいです。
── 本作は是非大きなスクリーンで観て頂きたいですよね。ちなみにお二人の映画館での思い出と言えば?
有村
小学生の頃に初めて映画館で観たのが『劇場版ポケットモンスター セレビィ 時を超えた遭遇』で、かなり泣いた記憶があります(笑)。大きなスクリーンに感激して、テーマパークに来たようなワクワクした気持ちになったのを覚えています。
柳楽
僕は昔サッカー少年だったのですが、同じチームのメンバーと一緒に映画館までドラえもんの映画を観に行ったのを覚えています。いま、当時のことを思い出して懐かしい気持ちになりました。
── 最後に最近オススメの作品を教えて頂けますか。
柳楽
最近はスタンドアップコメディにハマっていて、中でもNetflixで配信されているデイブ・シャペルの番組とケヴィン・ハートの番組が面白かったのでオススメです。ブラックジョークが大好きで、時間が空くと観ています。
有村
韓国ドラマの「スタートアップ:夢の扉」が面白かったです。幼い頃に両親が離婚したことでバラバラに暮らすことになった姉妹が、様々な人たちとの出会いや経験を経て成り上がっていく物語なのですが、ドロドロしてなくてイマドキの見やすいドラマになっているのでオススメです。
映画 太陽の子
2021年8月6日(金)全国公開
配給:イオンエンターテイメント
監督:黒崎博
出演:柳楽優弥、有村架純、三浦春馬、國村隼、田中裕子、イッセー尾形、山本晋也、ピーター・ストーメア
©2021 ELEVEN ARTS STUDIOS /「 太陽の子」フィルムパートナーズ