アルコールで人生大逆転!?マッツの故郷デンマークから届いた最強の人生賛歌
ノルウェー人哲学者が主張する「人間は血中アルコール濃度が0 .05%足りない状態で生まれてきている」という理論を証明するため、常にほろ酔い状態で仕事をするという、とんでもない実験に挑む4人の男性たちをユーモラスかつちょっぴりビターに描く。
この奇想天外で愛すべき物語を生み出したのは、2012年に『偽りなき者』でマッツ・ミケルセンをカンヌ国際映画祭男優賞に導いたトマス・ヴィンターベア。久しぶりに同郷の名優マッツと組んだ本作でアカデミー賞国際長編映画賞に輝いた。
マッツと共に実験に取り組む3人の同僚には、『偽りなき者』(2012)でも共演したトマス・ボー・ラーセン、ヴィンターベア作品の常連ラース・ランゼ、コメディアンとしても活躍するマグナス・ミランといったデンマークで活躍する面々が集結。
さらにヴィンターベア監督と長年共同で脚本を執筆するトビアス・リンホルムも加わり、中年期に差し掛かった男性たちの悲喜こもごもを描いた最高の人生賛歌が誕生した。
「人間の血中アルコール濃度は0.05%が理想」という仮説を検証!
\鑑賞前に知っておきたい/
デンマークの飲酒事情
- アルコール度数が16.5%以下のお酒は16歳から店頭で購入OK。ただしそれ以上の度数のお酒の購入と、レストランやバーでの飲酒は18歳から。
- 法的に飲酒に対する年齢制限はなく、16歳以下でも家にある酒を口にすることは法律違反にはならない。
アルコール濃度0.05%=ワイン1〜2杯程度。常にこの状態を保つことでリラックスした状態になり、体中に力がみなぎり人生が向上するという。空虚な毎日を送っていたマーティン(マッツ・ミケルセン)を筆頭に、4人の高校教師たちはこの仮説を検証するため、実験に取り組むことに。
飲酒ルール
- 血中アルコール濃度を常に0.05%に保つ
- 飲むのは勤務中だけ
- 20:00以降と週末は飲酒禁止
目的
飲酒が心と言動に及ぼす証拠を集め、仕事の効率と意欲が向上するかを調べる!
検証メンバーはこの4人
マーティン(マッツ・ミケルセン)
公私ともに気力を失っている冴えない歴史教師。妻と二人の息子との会話は乏しく、家庭崩壊寸前。ジャズバレエの腕前は、ほぼプロ並み!
ピーター(ラース・ランゼ)※画像左
かつてマーティンに憧れを抱いていた音楽教師。酔った勢いで服を脱いでしまうことも。現在、恋人募集中
ニコライ(マグナス・ミラン)※画像右
今回の説の言い出しっぺである理論好きの心理学教師。三児の父で、息子のおねしょで起きるのが日課
トミー(トマス・ボー・ラーセン)
マーティンの若き日を知る体育教師で少年サッカークラブのコーチも兼任。現在は老犬レーベンと二人暮らし
校内でこっそり飲酒しつつ、いざ実行!
それぞれ見違えるように独創的な授業を披露し、生徒たちのやる気もアップ。マーティンは家庭での会話も増え、充実した日々を送り始める。一同はさらなる効果を期待し、濃度制限をなくして実験に励むが……
↓
実験後…
↓
ここに注目!バックストーリー
バックストーリー1
元プロダンサー・マッツの華麗なダンスも話題の本作。俳優デビュー以降、踊っていなかったという彼の舞う姿を切望していた監督は巧妙に脚本に加えたそう。結果“あのシーンはダンスでしか表現できない”とマッツも絶賛。彼が初めて劇中で舞う、貴重なシーンをお見逃しなく!
バックストーリー2
酔っぱらった演技は役者陣の様々な努力と工夫によって生み出された。テイク前に回転してわざと目を回したり、酔った演出に欠かせない充血した目を点眼薬で作り出したり。さらに壁に激突してもケガしないよう、服の下に肩パッドを忍ばせて臨む者もいたという。
バックストーリー3
学校のシーンはヴィンターベア監督の亡き娘アイダの母校で撮影された。彼女はマッツ演じるマーティンの娘役で映画デビュー予定だったが、撮影開始直後に事故死。監督は悲しみを乗り越えて映画を完成させた。映画に登場する生徒たちはアイダの実際のクラスメートである。
©2020 Zentropa Entertainments3 ApS, Zentropa Sweden AB, Topkapi Films B.V. & Zentropa Netherlands B.V.