(ヘアメイク:車谷結(do:t)/スタイリスト:OBU-)
――植田さんとは実際は同い年ですよね? シリーズの中では社長と弟分的な右腕。実際の崎山さんと植田さんの関係性は?
「全然、僕の右腕ではないですね(笑)。いい意味でですよ! 逆に僕が助けられてばっかりです。『クロガラス』のような主従関係みたいなことはなくて、お互いが足りない部分を補う関係性を今回の撮影で感じました。植ちゃんはムードメーカーで、僕は割とマイペースで流れに左右されないタイプなんです。現場的にテンションが落ちてるなと感じる時は、植ちゃんが盛り上げてくれたり。逆に今は気を貼らないという雰囲気だと、植ちゃんが僕の空気に影響されてくれるというか……。そういう二人のバランスがとてもよかったと思います。‟黒斗と悠哉の空気感”と‟崎山つばさと植田圭輔の空気感”が通じるものがあったのかなと思います。物語では、黒斗が社長で悠哉が右腕なんですが、その関係以上の心と心で繋がっている感じがとても大切なのかなと思いました。現場でも言葉にしなくても、お互いの行動が分かる部分があって、それが関係性としても心地よく感じました」
――「何も言わなくても信頼している」というセリフはまさにお二人の関係。
「あの神崎黒斗はそんなこと言わないタイプだったので、今回はそういうシーンが多く、新たな発見もあり黒斗を演じてみて新鮮でした。演じれば演じるほどミステリアスで奥深い。一筋縄ではいかないタイプですね。それをエピソードが増えるたびに知っていける楽しみがあればいいなという想いで演じています」
――『正偽』や『叫べ』の主題歌と作詞も担当されていますが、どんな風につくりましたか?
「前作の時も『Re:quest』という曲を書かせてもらっていました。今回も作り方は似ているのですが、まず、台本を頂いてからその中で言葉集めじゃないですが、自分が感じたこと、演じてみて気づいたことなどを携帯にメモしていました。それを原稿化して歌詞として繋げていく作業をしました。今回は、0も3も、正義について考えさせられる瞬間が多くて、『正義ってなんだろう』とか自分なりに考えましたね。『正義の反対が悪って、本当にそうなのか?』、『もしかしたら悪こそ正義なんじゃないか?』とか、この作品に関わっている間は、そういうことばかり考えて歌詞にする言葉を選んでいました。それを『クロガラス』の世界観とマッチさせて完成させました」
――1曲の中でも色んな崎山さんの表現が詰め込まれた歌だなと思いました。クリエーター勢からリクエストとかありました?
「正義に関しては『台詞っぽく言って欲しい』と言われて、そこは僕の中ではプランがなかったので、分からないまま歌っていました(笑)。聴いてくださる方に、それがインパクトになってくれたらうれしいなと思って歌いました」
――映画の媒体なので、お約束の質問なのですが、好きな映画があれば教えてください。
「『チョコレートドーナッツ』です。ゲイの方とダウン症の子どものお話で、すごく悲しかったんですけど、12年前に観たのに、今でもすごく印象に残っている映画です。何かしら僕に刺さった映画なんだなと思います。こういう、ずっと誰かの心に残るような作品に出てみたいなと思いました」
――ちなみに好きな俳優さんはいらっしゃいます?
「いっぱいいますけど、一周回ってチャップリンですね(笑)。この前も自分の舞台がある前に、『独裁者』を観たんですよ。ヒトラーの映画も見た上で観たんですが、チャップリンがヒトラーに見えちゃうんですよね~。しかも面白おかしく。あの映画を白黒で情報も少ない時代、音楽とかもなしで、セリフと行動でできているって、もう、最高潮の表現者以外、何者でもないですよ! 舞台の前、勉強のためと気分をあげるために観ていました(笑)。やっぱりすごい役者さんだな、最高の喜劇王だなと改めて思います」
『クロガラス3』&『クロガラス0』
監督・脚本:小南敏也
配給/エイベックス・ピクチャーズ
© エイベックス・ピクチャーズ
崎山つばさ
1989年11月3日生まれ、千葉県出身。2014年に舞台デビュー。ミュージカル『刀剣乱舞』シリーズをはじめ、舞台やドラマ、映画、歌手など幅広く活躍。『クロガラス1&2』に続き、『クロガラス3』『クロガラス0』で主人公・神崎黒斗を演じる。
【衣装クレジット】
カットソー¥19,800/ATTACHMENT(Sian PR 03-6662-5525)、パンツ¥36,300/トラディショナル ウェザーウェア(トラディショナル ウェザーウェア 青山店 03-6418-5712)、スニーカー¥39,600/YOAK(HEMT PR 03-6721-0882)、その他スタイリスト私物