本作は“未来が視える”能力を持つ青年、ポール・アトレイデスの物語。皇帝の命でその惑星を制する者が全宇宙を制すると言われる、過酷な“砂の惑星デューン”へ移住したことを機にアトレイデス家と宇宙支配を狙う宿敵ハルコンネン家の壮絶な戦いが勃発。父を殺され、復讐そして全宇宙の平和のために、巨大なサンドワームが襲い来るその星で“命を狙われるひとりの青年”ポールが立ち上がる―。
IMAX®社全面バックアップのもと、クリエイターが意図したクオリティの映像&音響が劇場で変換(=劣化)することなく再現可能にし、ラージフォーマットIMAX®を超える“究極の映画体験”が可能な「Filmed For IMAX®」に認定された世界初の作品として、未だかつて誰も経験したことのない未来型シネマ・エクスペリエンスを実現した本作。
ヴェネチア国際映画祭、トロント国際映画祭では大絶賛され、フランスでの記録的大ヒットを皮切りに、ドイツ、イタリア、スペイン、ロシアなどヨーロッパを中心に29の国と地域で初登場No.1を獲得。映画批評サイトRotten Tomatoesでも驚異の91%を叩き出し(10/6現在)公開2週目にして世界中で7780万ドルの大ヒットを記録。
新たな時代の伝説の幕開けともいえる本作は、一体どのようにして生まれたのか?ドゥニ・ヴィルヌーヴ監督の原作にかける想いや脚本の背景、豪華キャストが一堂に会したキャスティング、特徴的なガジェットの美術面まで、スタッフが語る誕生秘話をご紹介。
【誕生秘話①】原作を激愛する製作陣だからこその新たな「DUNE」
本作の原作は、アレハンドロ・ホドロフスキー監督やデヴィッド・リンチ監督など名立たる監督たちが幾度となく映画化に挑みながらも、困難を極めたスケールと設定の複雑さをもつ伝説のSF小説「デューン/砂の惑星」。そんな作品に取り組む際にヴィルヌーヴ監督が掲げた目標は観客を今まで行ったことのない場所へ連れていくこと。それは、ヴィルヌーヴ監督自身が10代で原作を読んだ際に感じたことだった。
原作の「デューン/砂の惑星」には、過酷な環境の中での領家同士の闘いや衝突、社会的抑圧、生態系的災害などの豊かな要素の中に詩的な美しさも顕在している。ヴィルヌーヴ監督は本作の制作にあたり、「(映画を観ている時)本を読んでいるように学ぶんだ。でも、映画を出来るだけ分かりやすくするように気をつけた。観客が誰も、取り残されたように感じないようにしなければいけなかった。それが大きなチャレンジでもあった。人々に、何が起きているか理解するのに十分な(情報を)与えて、原作の詩の美しさをとらえること。それが大きなチャレンジだったよ」とコメント。もはやSFの枠組みを超越した、人々の政治的かつ感動的な運命との対峙や、原作をもとに構築された詩的な感情表現にも注目してほしい。
また、ヴィルヌーヴ監督とともに脚本を執筆した脚本家のジョン・スペイツとエリック・ロスも10代で初めて原作を読み、大きな影響を受けたという。脚本執筆時のエピソードとしてスペイツは「シーンを思い浮かべると脳が自動的にセリフをひねり出してくれるという驚きの体験をしたんだ。そうやって、ひとつひとつのセリフをつくっていったよ」と驚きの執筆方法をコメント。
また、ロスは原作で扱うテーマについて「社会的側面と環境の変化に対する視点が大きな要素だと感じたんだ。すばらしい物語をつくるのに必要なすべての材料がそろっていた。惑星アラキス(=砂の惑星デューン)で起こること、父と息子そして母と息子の物語、強い女性が描かれていることなどが一例だけど、現代的でもあるし、最近では切実にもなっているテーマだね。それを彼は60年代に書いたんだ」と作者のフランク・ハーバートへ敬意をこめてコメント。
原作を深く愛するスタッフたちだからこそ、描くことができた新たな『DUNE/デューン 砂の惑星』が誕生したことが分かる。
【誕生秘話②】ドリームキャストたちは必然的に集まった!?
ティモシー・シャラメを始め、オスカー・アイザック、レベッカ・ファーガソン、ジェイソン・モモア、ゼンデイヤ、ハビエル・バルデム、ジョシュ・ブローリンらといった、ハリウッドの超主役級のキャストが勢揃いした本作。「非常に喜ばしいことに、出演を願っていた俳優ほぼ全員の予定が空いていて、この映画制作に一緒に取り組んでくれることになったんだ」とヴィルヌーヴ監督が歓喜のコメントを寄せているように、まさに本作には奇跡的で運命的なキャスティングを実現している。
主人公ポール・アトレイデス役のティモシー・シャラメについても、ヴィルヌーヴ監督は「考慮の余地はなく、ティモシー以外は考えられなかった。ただ心に決めていたんだ」と語っているが、本作の製作においてティモシーだけでなく、多くのキャスティングに具体の俳優を思い浮かべていたという。
「可能な限り最高の俳優陣を集めることが極めて重要だった。この作品の映画化は長きにわたる夢だったので、役に対するイメージの人たちがずっと頭のなかにあったんだ。たとえば、ウラディミール・ハルコンネン男爵役にはステラン・スカルスガルド以外考えていなかった。そのように考える存在はほかにも多くいて、『この役は彼、この役は彼女、それは彼、それは彼女、それは彼だ……』といった具合に考えていた。そんなふうにこの映画のキャスティングを進めていって、彼ら全員から出演の同意の『イエス』をもらえたのは信じられないことだった。お菓子屋さんにいる子どもの気持ちさ。いや、お菓子屋さんのたとえは十分じゃないな!」とキャスティングでも夢が叶ったヴィルヌーヴ監督がチャーミングに胸の内を明かした。すべてのピースが綺麗にはまった本作の夢のようなキャストは集まるべくして集まったのである。
【誕生秘話③】美術面でも世界観を忠実に再現!”オーニソプター”の秘話
原作に忠実な世界観を作り上げるために、美術面でも極力CGを使わずに実際に作りこむといった、こだわりが詰まった本作。美術は、これまでにヴィルヌーヴ監督と『複製された男』『プリズナーズ』『ボーダーライン』『メッセージ』でコラボレートしたパトリス・ヴァーメットが担当している。
彼が制作した中で最大の意欲作のひとつが、大きな翼をもつ航空機オーニソプターである。ヴァーメットはオーニソプターについて「鳥のように飛ぶ飛行船だ」と説明し、「ハチドリやトンボみたいに翼が高速で動く。翼長は129フィート(約39メートル)、機体の全長は75フィート(約23メートル)だ。参考にしたのは鳥や昆虫、ヘリコプターだった。だが、映画の世界観のデザインを始めてから、それに合わせてオーニソプターを角張った、無機質な冷たさを感じるデザインに変えたんだ。この飛行船に実在感をもたせることが、映画の世界を語るうえで不可欠だった。目的にかなうオーニソプターの制作を実現できたのは、エンジニアリングの功績が非常に大きい。ロンドンにある小道具制作会社BGIがオーニソプターを制作し、ヨルダンにいた我々のもとに輸送してくれたんだ」とオーニソプターの重要性と、輸送の背景について明かした。
しかし、重量が10トンと2トンの巨大な2機のオーニソプターの輸送には、物流の問題が立ちはだかることになる。ヴァーメットは分解することで構造的に弱くなることを避け、完成形のままで輸送することにこだわった。制作チームは、2機のオーニソプターを収容して輸送することができる世界最大の貨物機をチャーター。空港からセットまでは陸路を使って運ばれ、セットではクレーンによって特製の台車に装着され、飛行シーンの撮影がおこなわれた。特徴的なガジェットであるオーニソプター誕生の背景と、撮影に至るまでのスタッフの工夫や連携にもドラマが詰まっている。
大絶賛のコメント入り特別予告も解禁!
一足先に鑑賞した人々からも絶賛の声が上がる本作。そんな彼らの絶賛コメントを盛り込んだ、特別予告も今回解禁。「歴史的瞬間を目撃した」「2020年代を背負うであろう映画」「奇跡の一本」など興奮冷めやらぬ熱いコメントがあふれており、正に本作が「未知の映画体験」を味わさせてくれる作品であることが伝わってくる。
原作の世界観とヴィルヌーヴ監督の意図を見事に調和させ、全スタッフが同じゴールを描き制作に挑んだ本作。誰も見たことのない“映像体験”の幕開けに期待してほしい。
DUNE/デューン 砂の惑星
10月15(金)全国公開
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配給:ワーナー・ブラザース映画