遥かな未来、宇宙の彼方に、新しい神話が誕生した『砂の惑星 DUNE』
世界的なベストセラーの念願の映画化!
フランク・ハーバートの原作は1965年出版。現在でも読み続けられるベストセラー、ロングセラー。何度も映画化が試みられたが、膨大な原作の描く世界の大きさ、ディテールの細かさにいずれも中止。プロデューサー、ラッファエラ・デ・ラウレンティースと『エレファント・マン』の監督デイヴィッド・リンチの手でやっと完成した。SFX担当は『レイダース 失われたアーク』のキット・ウェストと『遊星からの物体X』のアルバート・ホィットロック、そして生き物のモデル・メーカーは『E.T.』のカーロ・ランバルディー。
人類が恒星間帝国を築きあげた遥かな未来、不老不死の香料を宇宙で唯一生産する砂漠の惑星アラキスを舞台に展開する大戦争。ヒーローはアトレイデス公爵家の一人息子で、能力者たることを運命つけられているポール(カイル・マクラクラン 新人)、ヒロインはアラキスの娘チャニ(『プレードランナー』のショーン・ヤング)。
正義の側には『U・ボート』の主演、ユールゲン・プロフノウやベテラン、マックス・フォン・シドー、悪の側には"ポリス"のスティング(カッコいい!)等々。
怪奇秀逸なキャラクターたち
やはり『イレイザーヘッド』『エレファント・マン』の監督の映画だ。様々なモンスターは怪奇秀逸。砂漠の砂の中から出現する全長400mの"サンド・ウォーム"が食虫花のように口を開ける形の無気味さ、そしてそれ以上に見事なのが香料輸送宇宙協会の"ナビゲーター″。巨大な水槽の中のその形、その動き、人間の脳も奇形化するとこんなになるのかと夢に見てうなされそうだ。
人間のキャラクターで抜群なのが悪男爵。体重過多のため重力除去装置で宙に浮き、スーイ、スイと動く風船男。残酷な男でコワイのだが、それでもオカシイ。
ヒーローたちの砂漠服は水分循環装置内蔵。ヒントは解剖学の筋肉図。だそうだが、オートバイに乗るにはピッタリのカッコよさだ。
公開作品ストーリー ※ネタバレあり
西暦10091年。皇帝シャダム4世(ホセ・フェラー)の従弟にあたる公爵レト・アトレイデス(ユールゲン・プロフノウ)は、アトレイデス家が統治していたカラダンを離れ、妻のジェシカ(フランセスカ・アニス)、息子のポール(カイル・マクラクラン)と共に砂漠の惑星アラキスに移住することになった。アラキスは、宇宙航行に欠かせない不老不死の薬物メランジの産出星であり、そこを支配する者に莫大な富をもたらす惑星だった。しかし皇帝は、アトレイデス家の仇敵であり、アラキスを長い間支配していたハルコネン家と結びつき、レトを失脚させようとねらっていた。
アラキスに到着したアトレイデスの一行を、やはり、ハルコネン男爵(ケネス・マクミラン)の軍隊が襲った。アトレイデス家は信頼していた医師ユエ(ディーン・ストックウェル)の裏切りにあい、打ち負ける。レトは死に、ポールとジェシカは公爵の副官ダンカン(リチャード・ジョーダン)と惑星生態学者リエト(マックス・フォン・シドー)の死を賭した献身によって、広大な砂漠へと逃がれた。
巨大なサンド・ウォーム(砂虫)の襲撃を辛くもかわし、二人はアラキスの地底王国へ潜りこむ。そとで彼らは、アラキスの原住民であるフレーメンの一族と出会い共に暮らすことになった。やがて、ポールの類いまれな戦関能力とリーダーシップは一族の尊敬を集めていった。
数年がたち、ポールはフレーメンの娘チャニ(ショーン・ヤング)と結ばれて、すっかり一族に同化していた。そんなある日、ポールはフレーメンの宗教的儀式に臨むことになる。メランジの源泉である"生命の水"を飲み干すことができれば、この世の救世主の資格を得る。だが、今まで生きてこの業を成し遂げたものはいないのだ。ポールは挑戦し、見事に成功した。フレーメンからモアディブという最高の尊称を授けられたポールは名実共に彼らの指導者となり、宿敵ハルコネン打倒の戦いを開始した。
ゲリラ活動を展開し、地上のハルコネンたちをさんざんに苦しめたポールは、機を見てハルコネンの基地へ総攻撃をかけた。サンド・ウォームを自在に操る彼らの前にハルコネン軍は総くずれとなった。ハルコネン男爵は死に、最後まで抵抗した彼の甥ファイド(スティング)もポールの短剣に刺され息絶えた。勝利の凱歌にわきたつフレーメンたちの頭上に、奇跡の雨が降りそそいだ。
『砂の惑星 DUNE』
製作:ラファエラ・デ・ラウレンティス
監督・脚本:デイヴィッド・リンチ
原作:フランク・ハーバート
撮影:フレディ・フランシス
音楽:TOTO/ブライアン・イーノ
出演:カイル・マクラクラン/フランセスカ・アニス/ユールゲン・プロフノウ/マックス・フォン・シドー/ショーン・ヤング/ケネス・マクミラン/スティング/ホセ・フェラー/シアン・フィリップス/フレディ・ジョーンズ/ヴァージニア・マドセン/シルヴァーナ・マンガーノ