カバー画像:『キングスマン』(2014)より © 2015 Twentieth Century Fox Film Corporation and TSG Entertainment Finance LLC. All rights reserved.
第3位 エディ・レッドメイン
11位から3位へ大きく飛躍!若き演技派への期待が高まる
昨年の11位から3位に急浮上。昨年は60年代にヴェトナム戦争への抗議運動を起こした伝説の7人組を描いた『シカゴ7裁判』(2020)で実在の活動家、トム・ヘイデンに扮して、アメリカ人になりきり好評を博した。1982年ロンドンで生まれたエディは名門のイートン校やケンブリッジ大学を経て、俳優となり、2014年には難病にかかった著名な科学者、スティーヴン・ホーキング博士を好演した2014年に『博士と彼女のセオリー』でオスカー受賞。一躍、英国の若き演技派として浮上。
2015年には女性になることを夢見て性別適合手術を受ける主人公を『リリーのすべて』で好演して2度目のオスカー候補となる。また、J・K・ローリング原作のファンタジー大作『ファンタスティック・ビースト』シリーズではちょっと風変わりな動物学者のスキャマンダ―に扮して人気を博す。柔軟な演技でいろいろな役に挑戦するエディ。待望の“ファンタビ”シリーズ第3弾は来年、公開予定。
かっこいいだけではなく演技も引き込まれる。(20 代女性)
作品によってがらっと雰囲気が変わることとお顔の美しさ!(30代・女性)
物腰の柔らかさと、くしゃっとした笑顔にキュンとします。(20代・女性)
読者が選ぶNo.1作品
『ファンタスティック・ビースト』シリーズ
主人公の魔法使いの役を、その人柄が分かるように演じていたので、“ファンタビ”を初めて見た時驚いた。(20代男性)
第2位 コリン・ファース
スーツが似合う英国紳士不動の人気は健在!
残念ながら昨年の1位から2位に後退したものの、変わらぬ人気を保っているコリン。今年は私生活でも交流のあるアメリカの演技派男優、スタンリー・トゥッチとの共演作『スーパーノヴァ』での味のある名演が忘れがたい。ピアニスト役のコリンは自身で美しいピアノの演奏も披露し、トゥッチ扮する病を抱えた恋人への深い愛を静かに演じた。
1960年9月10日、ハンプシャー州グレイショットで生まれ、ロンドン芸術大学で学んだ後、映画『アナザー・カントリー』(1984)の演技で注目される。テレビ版「高慢と偏見」(1995年)で人気を得た後、『ブリジット・ジョーンズの日記』(2001)のコメディ演技で新境地を見せる。『シングルマン』(2009)で初オスカー候補となり、『英国王のスピーチ』(2010)で見事に同賞を獲得。アクション映画初挑戦の『キングスマン』シリーズでは新境地を見せる。スーツが最高に似合う大人の英国男優として不動の人気を得ている。
コリンさんと共演された方のお話を見ていると、紳士的でユーモアもあって素敵な人なんだなとわかります。(40 代・女性)
クレバーな見た目なのに色気がだだ漏れ!(20代・女性)
高身長で足も長い! 英国紳士なだけにちょっと皮肉めいた喋り方もキュンです。(30代・女性)
読者が選ぶNo.1作品
『キングスマン』シリーズ
キングスマンだと、紳士なところもクールなアクションシーンも、両方のコリン・ファースが楽しめるので。(30代・女性)
第1位 ベネディクト・カンバーバッチ
カンバーバッチ・イヤー到来!出演映画が続き、久々の総選挙1位!
昨年の2位から見事に1位を獲得!確かに今年はカンバーバッチの“当たり年”。スパイ物『クーリエ:最高機密の運び屋』、社会派ドラマ『モーリタニアン 黒塗りの記録』、西部劇『パワー・オブ・ザ・ドッグ』と力のある作品が続々と公開。特に『パワー〜』での演技は評価が高く、賞レースでも注目されそうだ。
1976年7月19日、ロンドンのハマースミスで生まれ、マンチェスター大学、ロンドン音楽芸術学院で演技を学び、人気テレビ・シリーズ「SHERLOCK/シャーロック」(2010)で大ブレイクを果たす。14年の『イミテーション・ゲーム/エニグマと天才数学者の秘密』では初のオスカー候補となり、今後、続編も予定されているアメコミ映画『ドクター・ストレンジ』(2016)も評判を呼ぶ。さらにトラウマのある弁護士役のテレビ・シリーズ『パトリック・メルローズ』(2018)ではTV版英国アカデミー賞の主演男優賞も獲得。着実に名優への道を歩み、今年は日本での人気も再びマックスに!
とにかく素晴らしい。親しみやすい人柄がいい。(50代・女性)
かっこいいのにおちゃめなところが大好きです。(40代・女性)
どの役でもその瞳の奥からそのキャラクターの心情が湧き出てくるようで、引き込まれます。(40代・女性)
\読者が選ぶBEST3作品はこちら!/
BEST1『SHERLOCK /シャーロック』
コナン・ドイルの原作を大胆にアレンジした“21世紀版シャーロック・ホームズ”。自称“コンサルタント探偵”のシャーロック・ホームズと、元軍医ジョン・ワトソンの名バディがあらゆる事件を解決していく。カンバーバッチを世に知らしめた大人気ドラマが、読者からも圧倒的に支持されている。
SHERLOCKのイメージのためか、知性とユーモアとセクシーさのバランスが素敵。(30代・女性)
知的でクールな役がとても似合う。だんだんイケメンに見えてくる不思議な魅力。(40代・女性)
声がとてもよい。気難しい役が多いけど本人はお茶目なところが好き。(20代・女性)
BEST2『ドクター・ストレンジ』
天才的な技術を誇るが傲慢な性格が欠点の神経外科医スティーブン・ストレンジは、不慮の事故で両手の機能を失い、キャリアの全てが崩壊する。人生を取り戻すため、あらゆる手段を模索するストレンジは、やがて神秘に満ちた魔術の力へとたどり着く──。魔術を扱う異色ヒーローをカンバーバッチが熱演!
ドクター・ストレンジがアイアンマンに向けて言葉を交わさずに指一本と表情で魅せる演技に涙しました。(20代・女性)
BEST3『 パレーズ・エンド』
フォード・マドックス・フォードの同名小説を原作とし、イギリスBBC TwoとアメリカのHBOが制作。エドワード朝から第一次世界大戦後までを舞台にしたドラマ。古風で保守的な貴族クリストファーは、妻シルヴィアの度重なる不倫に悩まされつつ、同時に若き女性運動家ヴァレンタインに惹かれる。悩める主人公を好演。
英国の作品を見るきっかけとなった人とドラマです。(20 代・女性)
最新作もCHECK!
モーリタニアン黒塗りの記録
9.11同時多発テロから約20年、混乱と混迷をきたす当時のアメリカ政府が黒塗りにまでして秘めた不都合な真実とは──? テロの首謀犯とされ、不当に投獄されるモハメドゥ(ラヒム)。人権派の弁護士・ナンシー(フォスター)が合衆国を訴えることで彼を弁護する。カンバーバッチは、正しい男・カウチ中佐を演じる。
配給:キノフィルムズ
監督:ケヴィン・マクドナルド
出演:ジョディ・フォスター、ベネディクト・カンバーバッチ、タハール・ラヒム
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〜カンバーバッチ インタビュー〜
“人間の精神がいかに非凡で強靭なものであるかに気づくことを描いた作品”
── モハメドゥの「グアンタナモ収容所 地獄からの手記」を読まれたそうですね。
本を手に取って、最初から最後まで読み通した。そしてモハメドゥという人間、彼の人間性とユーモアと類まれな忍耐力に加え、これほどの経験をくぐり抜けて、人間の精神の不屈の喜びについて僕ら全員に教えてくれていることに圧倒された。彼に完全に魅了されてしまったんだ。彼のストーリーはあまりに痛ましく、心をかき乱されるものだった。
── 当初はプロデューサーだけの予定だったとか。
脚本を読んで素晴らしいキャラクターだと思った。こんな役は演じたことがないよ。僕がスチャート・カウチ中佐を演じてもいいかな?と。カウチの飛行訓練学校時代の友人が、サウスタワーに突っ込んだ飛行機に副操縦士として乗っていたんだ。そのことが、軍の弁護士であることに加えて、彼のスタート地点になっている。さらに彼は、(犯人に)当然の報いを与えたい、法の裁きを受けさせたいと思うクリスチャンでもある。
そして物語が進むにつれ、そんな彼が、閉ざされた扉を押したりノックしたりし続けるうちに、自白が拷問や水攻めやその他ジュネーヴ条約違反になるさまざまな行為による自白だったことを発見してゆく。そして彼は上司たちに抵抗する。『起訴はしない。これは間違っている。違法だ。非民主的だし、アメリカ的でないし、キリスト教の精神に反する』ってね。
── 正しい行為です。
この映画の中で、もっとも胸が痛む場面は、彼らがモハメドゥの意志をくじいてしまったかのような、もう希望は一切ないように感じる場面だ。でも最終的にこの映画は人間の精神を祝福する作品なんだ。人間的な視点、僕らがどんなことに耐えられるか、耐えるべきではないものは何か、そこからいかに慰めを得るか。そして、モハメドゥが証明しているとおり、人間の精神がいかに非凡で強靭なものであるかに気づくことを描いた作品だ。観客には夢中になってほしい。モハメドゥの魔法にかかって、彼の苦境を気にかけてほしい。
この映画にはハラハラする要素も、衝撃的な要素も、感動的で深遠な要素も、可笑しくて楽しい要素もある。結局のところ、この映画で観客が観るのは、人間のありようや人間の精神を象徴する男、彼が耐え抜いてきたすべてのことに打ち勝った男だと思う。だからこれは希望の物語なんだよ。
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