福原遥×工藤阿須加：
映画『アイの歌声を聴かせて』インタビュー

AIと関わる世界が近くなってきていると実感しました

――オファーを受けた心境を教えてください。

工藤「アニメのお仕事は、いつかチャレンジしてみたいと思っていました。僕自身、アニメが大好きなので、参加させていただけて感激しました。台本を読み、物事の繋がりやAIと人間の垣根を越えた瞬間に心が動き、感動して泣きました」

福原「私も台本を読んだ時、泣きました」

工藤「本当に？」

福原「本当ですよ！」

工藤「何かが心に届く作品だと感じ、この作品に関わらせていただけるということで、すごく気合いが入った一方で、自分の声があまり好きではないので、どういう形になるのか不安な日々も続きました。監督と細かくいろいろお話をさせていただいて、最後まで演じきることができました。完成した映像を観て感動しましたし、何よりも福原さんの声がとても素敵でした。そして、AIと関わる世界が近くなってきていると実感しました」

福原　「私はオーディションを受けたのですが、この作品が大好きだと心から思い、監督にもそれをお伝えしました。この役を“絶対に演じたい”という気持ちが強く、受かった時はとても嬉しかったですし、本当に頑張ろうと思いました。人と人との愛の強さや絆の強さをストレートに感じる作品で、心が動かされました」

――演じる役について、どのようにアプローチを？

工藤「まず、声の高さを上げ、ストレートに声を当てるのではなく、少し拡散させるように息が少し抜けるような感じで演じました。僕はアニメが好きなので、いろいろな声優さんの声を聴いて、“この声はちょっと無理かな”とか、“この声の出し方はできるかな”とか、家で試したりしていました。今回、初めて声優に挑戦させていただき、アフレコをしていくうちに疲れてくると、自分の声に戻ってきてしまって……。そうすると、監督から“もうちょっとキー上げて”というリクエストの声が聞こえてきました」

福原「最初、トウマの声を聴いた時に工藤さんの声に聴こえなくて。それぐらい別人に感じて、“えっ、これ工藤さんなんだ”と思いながら聴いていました。一緒にアフレコは出来ませんでしたが、すんなり会話のキャッチボールができたので、とても演じやすかったです。私自身は、自分の声とサトミのイメージが違うと思っていたので、少し声のトーンを下げ、あまり明るい声に聴こえないように意識しました」

――ありがとうございます。お二人とも埼玉県出身で、時期は違いますが同じ情報番組に出演していたこともあり、共通点がありますよね。お互いの印象をお聞かせください。

福原「埼玉県出身なんですか!?　 工藤さんと初めてお会いしたのが、ドラマ「教場Ⅱ」だったのですが、すごく優しい方だなと。最初の会話は、この映画の話でした。現場のみなさんにも、すごく真摯に向き合っていて素晴らしい方だなと思いました」

工藤「褒められるのが慣れていなくて……。褒められすぎると、少し怖いですけど（笑）。福原さんの出演作品は何度も拝見していて、素敵な女優さんだと思っていました。福原さんの声は、アニメのキャラクターに本当にはまる声質を持っていると思いましたし、女優さんとしての声と、また違う声色を出されていて、魅力を感じました」

――福原さんは工藤さんとトウマが似ていると感じた部分はありますか？

福原「工藤さんは、何事にも熱量がおありだというのはひしひしと感じます。ドラマ「教場Ⅱ」の時もそうでしたが、突き進むところはトウマくんに似ています」

工藤「ありがとうございます。真横で褒められると、本当に恥ずかしいですね」

福原「みなさんに気配りをしてくださって……」

工藤「もう褒めなくても大丈夫だよ！（笑）」

――では、工藤さんはいかがでしょう。

工藤「福原さんは、オンとオフがはっきりしていて、スイッチの切り替えが本当に早いです。雰囲気が変わり集中力が一気に上がっているというのが、隣にいて伝わってくるんです。サトミは真面目な性格で、真面目だからこそ、いろいろなことを抱えて考え込んでいる印象があったんですよね。それは、ひとつの物に対して、しっかり向き合っているからこそ生まれるものだと思っています。サトミが悩んで葛藤している姿は、現場で見る福原さんの集中力に重なるものがあります」

福原「嬉しいです」

工藤「集中して、常に自分と向き合っているのは苦しいはずなのに、それを感じさせない。福原さんの方が年下ですが、隣にいると年上に感じることが多いです。サトミより、しっかりしています」

福原「ありがとうございます」

この作品の愛を受けてあたたかい気持ちになっていただいて、誰かに幸せを届けてほしいです

――物語に沿ったお話も。キーワードとして「幸せ」という言葉が出てきますが、お2人の幸せを教えてください。

福原「健康で日々過ごせていることと、みんなが心から笑っている瞬間です。自分が入っている輪ではなくて、知らない方が楽しそうにしていても幸せだと感じます」

工藤「僕も福原さんと似ていて、誰かが喜んでいる時です。自分のことでは喜べないので、強いて言うなら、おいしいものを食べている時です」

――お２人ともシオンに似た部分をお持ちですね。もし、シオンのようなAIが目の前に現れたら、どんなことを一緒にしたいですか？

工藤「子どもたちを集めて、一緒に遊んだりしたいです」

福原「喜怒哀楽が出来るようなことをしたいですね。いろいろな感動できる場所に一緒に行きたいです。お化け屋敷とかも行きたいです。でも、シオンは何も感じないのかな……」

工藤「お化け屋敷に行ったとしても、たぶんシオンは無反応かお化けに“怖がらせないで！”と怒ってそう」

福原「たしかに（笑）」

工藤「逆に、それが面白いかもしれないけど」

福原「いろいろなところに連れて行って、いろいろな経験を一緒にしたいです」

――ありがとうございます。最後に作品の見どころをお願いします。

福原「愛は無限大の力を持っていることを、この作品で感じることができました。シオンちゃんのような人になりたいと思いましたし、ストレートに特定の人を幸せにしたいという思いだけで生きている子って、こんなに輝いていて素敵なんだと感じました。是非、みなさんにも、この作品の愛を受けてあたたかい気持ちになっていただいて、誰かに幸せを届けてほしいです。そして、愛の大切さを思って生きてほしいです」

工藤「『アイの歌声を聴かせて』はシオンに振り回されながら、個性的な高校生たちが幸せになっていくストーリーですが、実は台本を読んだときに泣いてしまったんです。それぐらい引き込まれる内容で、絶対に良い作品にしようという熱意を込めて全力で演じました。その気持ちがみなさんに少しでもお伝えできたら嬉しいです」

福原 遥　HARUKA FUKUHARA
1998年8月28日生まれ、埼玉県出身
〈近年の主な出演作〉
『映画 プリキュア ミラクルユニバース』（2019年）
映画『HELLO WORLD』（2019年）
映画『羊とオオカミの恋と殺人』（2019年）
映画『かぐや様は告らせたい～天才たちの恋愛頭脳戦～ファイナル』（2021年）
TVアニメ「かぐや様は告らせたい？～天才たちの恋愛頭脳戦～」（2020年）
ドラマ「教場Ⅱ」（2021年）
ドラマ「うちの娘は、彼氏が出来ない!!」（2021年）
ドラマ「ゆるキャン△２」（2021年）
ドラマ「IP～サイバー捜査班」（2021年）
ドラマ「アンラッキーガール！」（2021年放送中）
〈待機作〉
映画『フラ・フラダンス』（2021年12月3日公開）

工藤阿須加　ASUKA KUDO
1991年8月1日生まれ、埼玉県出身
〈近年の主な出演作〉
ドラマ「教場」（2020年）
ドラマ「連続殺人鬼カエル男」（2020年）
ドラマ「あと3回、君に会える」（2020年）
ドラマ「未解決の女　警視庁文書捜査官　シーズン2」（2020年）
ドラマ「教場Ⅱ」（2021年）
ドラマ「モコミ～彼女ちょっとヘンだけど～」（2021年）
ドラマ「華麗なる一族」（2021年）
ドラマ「春の呪い」（2021年）
ドラマ「緊急取調室 第4シリーズ」（2021年）
ドラマ「初情事まであと1時間」（2021年）
映画『総理の夫』（2021年）
〈待機作〉
映画『シノノメ色の週末』（2021年11月5日公開）

映画『アイの歌声を聴かせて』公式サイト｜2021.10.29 ROADSHOW

最後にきっと、笑顔になれる。ちょっぴりポンコツなAIとクラスメイトが織りなす、ハートフルエンターテイメント！映画『アイの歌声を聴かせて』は2021.10.29 ROADSHOW!

ainouta.jp

撮影／大西 基
スタイリスト／[福原]布野夕貴、[工藤]壽村太一
ヘアメイク／[福原]山本隆司、[工藤]シンヤ(プライマルアート)
文／丸山あゆみ

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