本作『偶然と想像』でベルリン国際映画祭で審査員グランプリ、『ドライブ・マイ・カー』ではカンヌ国際映画祭で脚本賞。今、もっとも世界から注目される濱口竜介監督に、短編にこだわる理由をインタビューで伺いました!

――本作でベルリン国際映画祭で審査員グランプリ、『ドライブ・マイ・カー』ではカンヌ国際映画祭で脚本賞。海外の映画祭に行かれる機会も多いと思いますが、映画祭で何か観られましたか?

ベルリンは開催中に行けなかったのですが、カンヌは映画祭中に数本観ることができました。その中でも、ポール・バーホーベン監督の『Benedetta(原題)』とアピチャッポン・ウィーラセタクン監督の『MEMORIA メモリア』は、コンペで観まして、どちらもすっごく面白かったですね。

――これまで影響を受けた映画はありますか?

この『偶然と想像』に絡めると、エリック・ロメール監督の作品です。ほぼ真似をしていると言っていいぐらいの影響を受けています(笑)。『冬物語』という映画があるのですが、最後に奇跡のような偶然が起こり、非常に幸せな気持ちになる映画です。シリーズ全体で、最終的にそういうところまでたどり着けるといいな。

――短編以外で気になる作品はありますか?

楽しみにしているのは、クリント・イーストウッド監督の新作『クライ・マッチョ』です。イーストウッド作品は万難を排して観に行きますね! ほか、カンヌで観られなかった話題作、レオス・カラックス監督の『Annette(原題)』は早く観たいです。

――もし、海外の俳優さんとご一緒する機会があるとしたら……、お仕事してみたい俳優さんはいますか?

マット・デイモンですかね。好きですね。もうちょっと現実味がある方がいいですか(笑)?

――いやいや、全然、現実味ありますよ!

ティモシー・シャラメとかも素敵だなと思って観ています。

――短編を劇場公開するのは珍しいことなのかなと思います。スクリーン読者に向けて、短編の楽しみ方を教えていただければありがたいです。

例えば、「短編小説しか読めない」みたいな状態ってあるじゃないですか? がっつりした長編小説は今は読めないけど短編なら読めると。映画もそういう時があると思うんです。長編の大作映画を観たいけど、その体力がない、疲れるなというという時ってありますよね? そういう時に、短編は意外といい楽しみ方になるのかなと。創る側としても、リラックスして作っているので、観る側もリラックスして観られるものになっているのかなと思っています」

濱口竜介

1978年神奈川県生まれ。15年『ハッピーアワー』が、ロカルノ、ナント、シンガポールほか国際映画祭で主要賞を受賞。商業映画デビュー作『寝ても覚めても』がカンヌ国際映画祭コンペティション部門に選出。共同脚本を手掛けた『スパイの妻<劇場版>』ではヴェネチア国際映画祭銀獅子賞に輝く。本作『偶然と想像』は第71回ベルリン国際映画祭にて銀熊賞(審査委員グランプリ)受賞。『ドライブ・マイ・カー』では第74回カンヌ国際映画祭にて脚本賞に加え、国際映画批評家連盟賞、AFCAE賞、エキュメニカル審査員賞も同時受賞。

画像: ベルリン国際映画祭銀熊賞『偶然と想像』濱口竜介監督、着想と製作の秘密をインタビュー

偶然と想像

監督・脚本:濱口竜介 

出演:古川琴音、中島歩、玄理(第一話)/渋川清彦、森郁月、甲斐翔真(第二話)/占部房子、河井青葉(第三話)

配給:Incline

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