20世紀末、アクション映画の歴史を変えたといわれる『マトリックス』が誕生し、世界的なヒットを記録しました。そんなシンボリックなシリーズ3部作が終了してから18年。一度は終わったかに見えたあのAIに侵略された世界の陰謀が再び動き出そうとしています。今度は我々をどこへ連れて行こうとしているのか? 厚いベールに隠された『マトリックス レザレクションズ』の全貌が明かされるのは間もなく。その時が来る前にもう一度忘れかけていたあの“仮想世界”に戻る準備が必要です!(文・相馬学/デジタル編集・スクリーン編集部)

謎に包まれた世界の真の姿とは何か? 記憶を失ったネオは覚醒するのか?

4作目ながら話は第1作の続きという理由は?

画像: 4作目ながら話は第1作の続きという理由は?

20世紀末から21世紀初頭にかけて、とてつもない熱狂とブームを巻き起こした『マトリックス』トリロジー。我々が当たり前のように暮らしている世界は実は仮想現実に過ぎず、実際には人間がコンピューターに支配され、生きているような仮想現実(=マトリックス)を夢として見せられていた……。

『未来世紀ブラジル』(1985)のラストを拡張したようなそんな設定は、第一作目が公開された1999年には大きな説得力を持つようになっていた。当時はコンピューターの普及が一般的になり、併せてインターネットの普及も上昇の一途たどっていたのだから。そんな現代性に、スタントとVFXを組み合わせた、映像革命というべきアクションが噛み合った。『マトリックス』三部作は、デジタル時代のダークファンタジーだったのだ。

三部作から18年を経て登場する続編『マトリックス レザレクションズ』。現段階ではどんな内容なのか、まったくわかっていないが、公式なアナウンスによると1999年の第一作の続きであることがわかっている。つまり、その後の続編『マトリックス リローデッド』『マトリックス レボリューションズ』はノーカウントということ。

なぜ、そのような流れにしたのかはわからないが、この2作がストーリー的に難解になり、1作目のエンタテインメントとメッセージ性の程よいバランスが崩れてしまい、壮絶な賛否両論を呼んだことが理由にあるのかもしれない。いずれにしても、1作目の『マトリックス』の世界観が〝レザレクション(=復活)〞したことに変わりはなく、エキサイティングなドラマを期待したいところだ。

記憶を失くしたような主人公ネオ。若返ったキャラもいるが?

予告編から予測できるストーリーは、こうだ。1作目で現実世界の救世主となったネオは、どうやら過去の記憶をなくし、マトリックスの中で生きているようだ。煮え切らない感情を持て余してセラピストに通うも、いらだちや不安の原因はわからない。そんな彼の前に、〝真実を教える〞という女性が現われ、その手引きによってネオは〝現実〞を目の当たりにする……。

1作目で示唆された暗黒の世の風景も予告編では確認できるが、この現実から脱するために、トーマス(仮想世界のネオはこう呼ばれている)は再びマトリックスに戻り、彼を支配している敵に立ち向かうことになるのだ。

プロットだけでファンはピンとくると思うが、1作目を忠実になぞっているようにも見える。もちろん、ただなぞるだけではない。1作目でネオを現実に目覚めさせたモーフィアスが若返っていたり、逆にネオが老化した自身の顔を幻視したり。つまり、時制の感覚が1作目とは異なっているのだ。これはマトリックスが再起動したことによって生じたのだろうか? そのあたりの秘密も大いに気になるところだ。

三部作の生みの親のひとりであるラナ・ウォシャウスキー監督の号令の下、キアヌ・リーヴス、キャリー=アン・モスら主要キャストが続投。ジェイダ・ピンケット・スミス、ランベール・ウィルソン、ダニエル・バーンハードら、『マトリックス リローデッド』(2003)以後のキャストも出演しているが、それを踏まえると本作は単なる1作目の続きではないのかもしれない。

新キャストでは、『アクアマン』(2018)のヤーヤ・アブドゥル=マティーン2世、Netflixオリジナルシリーズ「マインドハンター」のジョナサン・グロフ、『ゴーン・ガール』(2014)のニール・パトリック・ハリス、『ゴジラvsコング』(2021)のジェシカ・ヘンウィックらが出演している。多くの謎に包まれた『マトリックスレザレクションズ』。〝真実〞は、もうすぐ明らかになる!

マトリックス レザレクションズ
2021年12月17日(金)公開

アメリカ/2021/2時間28分/ワーナー・ブラザース映画
監督:ラナ・ウォシャウスキー
出演:キアヌ・リーヴス、キャリー=アン・モス、ジェイダ・ピンケット・スミス、ニール・パトリック・ハリス、ヤーヤ・アブドゥル=マティーン2世、クリスティーナ・リッチ
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