最新インタビューを通して編集部が特に注目する一人に光をあてる“今月の顔”。今回は「ダークナイト」3部作以来のバットマン単独映画『THE BATMAN-ザ・バットマン-』主演のロバート・パティンソン。マット・リーヴス監督と『TENET テネット』監督クリストファー・ノーランの違い、そして、明かされる「バットマン」への想いから本作への期待が高まります。

“自分がどんなものを持ち込めるかを見つけるのは、とてもエキサイティングなプロセスだったよ”

画像: Photo by Matt Easton
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ロバート・パティンソン プロフィール

1986年5月13日、イギリス・ロンドン生まれ。モデル活動を経て15歳から劇団で演技を始めた。一躍注目を浴びたのは『ハリー・ポッターと炎のゴブレット』(2005)のセドリック役。2008年からは『トワイライト』シリーズに出演し、人気スターの座を不動のものにした。以降も『コズモポリス』(2012)や『ライトハウス』(2019)、『TENET テネット』(2020)など話題作に続々と出演し、世界中の観客を魅了している。

── クリストファー・ノーランとマット・リーヴス、二人の監督と仕事をする機会を持ったわけですが、彼らのアプローチの違いについて話していただけますか。

彼らはとてもとても違うよ。『TENET/テネット』は、「バットマン」映画とはかなり違う映画だ。クリス(ノーラン)には500もの違う稼働部分のある巨大なアクションシーンを、世界中で最も簡単なことのようにやれるクレイジーな能力がある。2テイクぐらい撮って「いいぞ。素晴らしい!」となるんだ。10機のヘリコプターが飛んだり、爆弾が爆発したり、みんなが逆向きに走っても、そのテイクの終わりには「いいね。ナイスだ。次に行こう」となって、それで終わりなんだ。

マットはとても独特。多くのテイクをやるし、プロセスが全く違うんだ。クリスは準備にすべてのエネルギーを注ぐ感じだね。でも、しばらくするとマットもそうなる。最初にやった一番小さいシーンで多くのテイクをやった。自分が多くのテイクを重ねていたら、「自分はきっとこれをうまくやれていないんだ」と最初に考える。一月ぐらいして、彼とプレイバックを見ながら、僕は彼の波長を理解し始めた。

彼らは完全に正反対。でも、両方とも最高に楽しい。とても違う「バットマン」映画なんだ。まだ完全には出来上がっていないけど、ほとんど編集が終わったものを見た。最初のショットから「これは本当に他の「バットマン」映画ととんでもなく違うぞ」となる。マットが何かとても新しくて、今までにないものを見つけたことに驚くよ。

── クリストファー・ノーランから何か「バットマン」について聞きましたか?

とても奇妙なことなんだけど、僕がこの役をもらった日は、クリスと『テネット』を始めた日だったんだ。『THE BATMAN』のスクリーン・テストをするために、1日『テネット』を休まないといけない時があった。ものすごく極秘にね。でも、僕が次の日撮影に戻ってきたら、彼は、「『THE BATMAN』のスクリーン・テストはどうだった?」と言ったんだ(笑)。「どうして知っているの?これは最高にトップ・シークレットなことだったはずだけど」と思ったよ。

でも『THE BATMAN』についてはほとんど話さなかった。撮影の最終日までね。話したことも現実的なことだったね。彼は「マントをどんな素材で彼らは作っているの?」と言った。マントを重くし過ぎないようにするのはとてもとても複雑なんだ。彼はマントを何で作ったかを教えてくれた。マントを着たらすぐに、雨降らしのマシンの下でマントをみてみるんだ。NASAによってデザインされた素材がなぜ必要かがわかるよ。濡れるとものすごく重くなるから(笑)。

── あなたが初めて『バットマン』を見たのはいつですか?

僕が初めて見たのは『バットマン リターンズ』(1992)だよ。映画館で観たと思う。『バットマン』(1988)と『バットマン リターンズ』(1992)は2本のVHSのセットを持っていたのも覚えているね。『バットマン リターンズ』(1992)はきっと100回ぐらいは観たと思う。それと『マスク』(1994)も。何度も何度も観た。あと『ゆりかごを揺らす手』(1992)もね(笑)。子供時代は8本のビデオしか持っていなかったから。ものすごい数のDVDコレクションを持っていないと、同じ映画を何度も観ることになるんだよね。僕にとっては『バットマン リターンズ』がそれだった。すべてのセリフを覚えていたよ。

── バットマン・スーツを初めて着た時、どのように感じましたか?

素晴らしかったね。スーツは、ずっと個別のパーツを試着していた。一緒になった最終的なスーツをやっと身につけた時、僕はそれを着て、その場に座って、すぐに一人で笑い始めたのを覚えている。そして鏡のところに行きたくなって、鏡を見て「ううう〜」と唸って、急に誰かの顔を殴りたくなるんだ(笑)。素晴らしい経験だったよ。

── バットマンは多くの素晴らしい役者たちによって何度も演じられてきました。あなたがバットマンを演じることになるのを知った時、どのように感じましたか?

画像: “自分がどんなものを持ち込めるかを見つけるのは、とてもエキサイティングなプロセスだったよ”

とても長い間続いてきた、とても成功してきたシリーズには何か素敵なものがある。それを解釈したそれぞれの役者が、そこに全てを注いできた。うまくいっていない時期は一度もなかったし、バットマンが完全に変わるわけでもない。誰もが常にバットマンが大好きだった。そして、それぞれのバットマンにファンがいる。だから、みんながいつも聞くんだよ。「あなたのお気に入りのバットマンは誰?あなたのお気に入りのジェームズ・ボンドは誰だい?」ってね。なぜなら、それぞれの役者が作品に独特なものを持ち込むから。自分がどんなものを持ち込むことが出来るかを見つけるのは、とてもエキサイティングなプロセスだったよ。

THE BATMAN-ザ・バットマン-
2022年3月11日(金)全国公開

監督・共同脚本:マット・リーヴス
出演:ロバート・パティンソン、コリン・ファレル、ポール・ダノ、ゾーイ・クラヴィッツ、ジョン・タトゥーロ、アンディ・サーキス、ジェフリー・ライトほか
配給:ワーナー・ブラザース映画

殺された両親の復讐を誓う青年探偵ブルース・ウェイン(ロバート・パティンソン)。夜は黒いマスクで素顔を隠し、力で悪をねじ伏せる“バットマン”として自警活動を行う彼の前に、連続殺人事件の犯人と名乗る知能犯リドラー(ポール・ダノ)が現れる。

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