カバー画像:再びオスカー候補となった『ウエスト・サイド・ストーリー』演出中のスピルバーグ
『ウエスト・サイド・ストーリー』大ヒット公開中 配給:ウォルト・ディズニー・ジャパン © 2022 20th Century Studios. All Rights Reserved.
第5位 エドガー・ライト 174ポイント
60年代へのオマージュも込められた『ラストナイト・イン・ソーホー』で新境地を見せたライト監督が新たなファン層も獲得して初めてのランクイン。この勢いに乗って異色バンドのドキュメンタリー『スパークス・ブラザーズ』の日本上陸も決定。要注目!
映画オタクのライト監督大好き!映画に対する愛があって、どの作品も愛してます。(静岡・女性14)
第4位 クロエ・ジャオ 239ポイント
『ノマドランド』でアカデミー賞監督賞を受賞したジャオがいきなり4位の好位置に飛び込んできた。続いて公開されたMCU大作『エターナルズ』もファンの支持に大きく関わっているかもしれない。低予算映画でも超大作でも彼女ならではの視点で語るのが好評。
MCU『エターナルズ』を撮っても『ノマドランド』の作家性を失わないところが好きです。(埼玉・女性58)
第3位 クリント・イーストウッド 282ポイント
2021年は新作がなかったものの、2022年早々主演も兼ねた『クライ・マッチョ』が公開され、その期待感から3年連続の3位をキープしたイーストウッド監督。次回作はまだ決まっていないけれど、90代になってもまだまだ創作を続けたいという意気込みを語っている。
年を感じさせない実行力、監督したり出演したりすばらしい。(東京・男性68)
第2位 クリストファー・ノーラン 305ポイント
映画ファンを魅了した一昨年の『TENET テネット』熱が冷めやらぬノーラン監督がランクを一つ落としながらも2位に留まる人気の強さを発揮。早くも“原爆の父”と呼ばれる科学者をオールスター共演で描く次回作『オッペンハイマー』への期待も高まっている。
完全に実写で撮る唯一の監督でその技術に惚れました。(大阪・男性52)
第1位 スティーヴン・スピルバーグ 325ポイント
不朽の名作『ウエスト・サイド・ストーリー』を巨匠がどのようにリメイクしたのか楽しみでなりません。(宮崎・男性21)
スピルバーグの映画は全部見ています。SF、アクション、ドラマなど幅広いジャンルで手腕を発揮するところがすごいです。(北海道・男性62)
世界観がすごくて、心躍らされる作品が多いから。(愛知・女性21 )
監督の作品は子供のころに夢をもらいました。またその映画愛で励ましてもらえます。(東京・男性44)
ベテランになってもチャレンジ精神を忘れない名匠
現在大ヒット中の『ウエスト・サイド・ストーリー』で自ら初めてのジャンルであるミュージカルに挑戦したスティーヴン・スピルバーグ。言わずと知れたハリウッドを代表するトップ・ディレクターである。
そんな彼が1961年にすでに映画化され評価を確立しているミュージカルを再度映画化することに挑戦するという行為は、いかにも冒険心溢れるスピルバーグらしいといえるかもしれない。年齢に関係なく(ちなみにスピルバーグは現在75歳、後期高齢者だ!)いつまでも少年のような心で映画に向かう姿は、『ジョーズ』(1975)『未知との遭遇』(1977)などで一躍、時代の寵児に躍り出た若いころと変わりない。そんな彼の姿勢を映画ファンはずっと愛し続けているのだろう。
スピルバーグはこの『ウエスト・サイド・ストーリー』の音楽は10歳のころに両親が買ってきたブロードウェイ版のアルバムを聞いて全曲を覚え、歌い踊ったという。そんな彼の子供時代を描く作品『TheFablemans』が次回監督作だ。これまで描いたことのなかった自身の家庭と子供時代をフィクションとして描くという手法は、ケネス・ブラナーの話題作『ベルファスト』を思わせるが、これも彼の新しい挑戦と言えるかもしれない。ちなみに父親をポール・ダノ、母親をミシェル・ウィリアムズが演じ、2022年全米公開予定だ。
そしてスピルバーグと言えばもう一つエンターテインメント作品のヒット作の生みの親という顔でも愛され続けている。2022年には彼が1993年に生み出した『ジュラシック・パーク』に始まるシリーズの最新作『ジュラシック・ワールド/ドミニオン』(原題)が夏に公開されるが、こちらではコリン・トレヴォロウが監督し、製作総指揮を担当。
さらに2023年には彼が1981年に大ヒットさせた『レイダース/失われたアーク〈聖櫃〉』に始まる『インディ・ジョーンズ』シリーズの第5弾が公開予定。これも監督はジェームズ・マンゴールドに渡したが、製作総指揮を担当。ファンはこうした娯楽作品もずっと楽しみに待っており、そこにはスピルバーグの名前あればこそという安心感のようなものもある。
エンタメ系作品と共にオスカー級の名作も生み出し続けるスピルバーグの仕事ぶりは昔も今も変わらない。変わらないがそこに新しさを求めるという誰でもやれるわけではない離れ業をやってのけるのがスピルバーグ。これからも彼が作る作品から目を離すことはできないだろう。
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