ハリポタ&ファンタビの名プロデューサーが明かす！ 最新作で最も注目すべきポイント【月刊ファンタビ予言者新聞】

“ マッツ・ミケルセンはダンサー出身だから、
細かい動きを意識していてとても魅力的なんだよ”

── 『ファンタスティック・ビースト』シリーズも3作目です。今回、もっとも注目すべき点はどこでしょう。

本作の面白さは、ダンブルドアについてもっと掘り下げて行く点にある。いままでほのめかす程度に終わっていた部分を、実際に映像でお見せすることになる。もうひとつはホグワーツが登場することだね。『ハリー・ポッター』シリーズ8作のうち7作はこの学校が舞台だったんだ。シリーズファンにとって、いろいろと美味しい要素がたくさん出てくると思うよ。

── 「ほのめかす」というのは、「ダンブルドアの秘密」のことですよね？　ズバリ「秘密」は何なんでしょう。

公開前にそれを言ったら〝秘密〞じゃなくなるよ（笑）。

── では、もう少しお伺いしますが、以前、J・K・ローリングが言っていた「ダンブルドアはゲイだと思う」という言葉が正しかったのかどうかが判るんですか？

それは判る。彼女の言葉が正しかったかどうかは、この映画を観れば判る。ただ、ひとつ言っておきたいのは、ダンブルドアは正義の人ということだ。若かりし頃のダンブルドアとグリンデルバルドは、情熱に任せてさまざまな議論を交わしたのかもしれないし、ダンブルドアはその後の展開を想像だに出来なかったのかもしれない。そして、ふたりの間には愛情があったのかもしれない……そういうことが今回、描かれているんだ

── そのグリンデルバルドがジョニー・デップからマッツ・ミケルセンにバトンタッチされました。マッツを選んだ理由を教えてください。

ジョニーの代役を探すにあたり、私たちが意識したのは、よりリアリティに根付いたグリンデルバルドを演じられる役者だった。その点マッツは、その演技すべてに真実味を帯びるところがあり、それでいて所作に静かな緊張感が漂っている。キャラクターにより邪悪さが宿ると思ったんだ。ジョニーの後を継ぐのは決して簡単じゃない。でも、マッツならカリスマ性もあり、観客を魅了するチャームもある。それに、もちろん知性もだ。

── 『ハリー・ポッター』から始まったシリーズは20年以上の長きにわたって愛され続けています。その秘訣をどう分析しますか。

私たちの秘密兵器はJ・K・ローリングなんだと思うよ。もはや〝秘密〞でもないんだけどね（笑）。彼女は驚くべき想像力の持ち主で、時代を問わない普遍性をもったキャラクターを活き活きと描くことが出来る。魔法に満ちた物語を語りつつ、リアルな人間性を感じさせるところが、長きにわたる人気の秘密なんだと、私は思っている。それに『ファンタスティック・ビースト』シリーズで言うと、ニュートを筆頭に、ジェイコブやダンブルドア、みんな共感できるキャラクターに仕上がっている。それも愛される理由だよ。

── 最後に、マッツの必見ポイントを教えてください。本誌ではマッツは大変人気が高いんです。

なるほど！ じゃあ、ひとつ教えるよ。大の字になったグリンデルバルドを信者たちが運ぶシーンがあって、彼のネクタイがほどけ、シャツが着崩れたりするんだけど、それでもマッツは威厳に満ちていたので、私はとても驚いたんだ。彼はダンサー出身だから、そういうシーンでも細かい体の動きを意識していて、とても魅力的なんだよ。品位と説得力もあり、彼にみんながついて行く気持ちも判るんだ──でも、忘れないでくれよ。グリンデルバルドは暴力的でサディストの、モラルのない魔法使いだってことをね！（笑）

造形美術監督ピエール・ボハナが語る
“ジェイコブの杖”制作秘話

ジェイコブの魔法の杖を作るのは楽しい仕事だった。彼の杖にはいろんな設定があって、それを考慮しながら作ったからだよ。実は、その杖の芯には何も入っていない。魔法が使える杖には普通、魔力のあるものを使うことになっているんだけど、ジェイコブを傷つけないように配慮したというわけさ。

それでもジェイコブは自分も魔法使いの仲間入りをしたような気持ちになるからね。そういう設定をすべて考えて作った杖で、視覚的にも個性のあるデザインになっている。映画を観たら、みんな納得してくれると思うよ。