『トップガン』の36年ぶりの続編『トップガン マーヴェリック』は、主演トム・クルーズの情熱なくして実現しませんでした。本作完成までに数々の“不可能”に挑んだトムの“胸アツ”なエピソードを、本人や共演者、製作陣のコメントとともに紹介します。

Episode1:企画の始まり
続編制作にあたってトムが出した条件は「本物を撮ること」

『トップガン』続編の話は一作目が誕生した直後から持ち上がっていたが、この36年間実現することはなかった。それはトム・クルーズが「ノー」と言い続けたからだ。本人は「Empire」誌のインタビューでこう言っている。「僕はただ映画を作るためには、映画を作らない」。マーヴェリックを再演するのであれば、続編を作るだけの理由がなければならないということだ。

長年の時を経て『トップガン』続編が動き始めたのは、そこにトムが「新しい挑戦」の可能性を見出したから。トムが本作を制作する上で出した条件は「CGではなく本物を撮ること」。すなわち、空撮にCGではなく本物の戦闘機を使い、キャストたちが実際に乗り込んで撮影を行うという前代未聞の挑戦だ。製作者ジェリー・ブラッカイマーが「これが最初で最後だろう」という空前の映画の制作はこうして始まった。

画像: “これが最初で最後”といわれる空前の撮影を敢行

“これが最初で最後”といわれる空前の撮影を敢行

Episode2:空中撮影
本物の飛行シーンをノースタントで撮影

前作『トップガン』でも実際に俳優たちが戦闘機に乗ったが、ほとんどはテスト飛行であり、実際には一部の映像しか使われなかった。なぜなら、ほとんどの俳優が壮絶なG(重力加速度)の負荷によって気分が悪くなってしまったから。俳優が実際に戦闘機に乗って演技をすることなど現実的には不可能とされてきた。

だがそうした「不可能」にこそ進んで取り組んできたのがトム・クルーズ。今回彼は自ら戦闘機に乗り込み、本物の飛行シーンを撮るという「不可能」に挑んでみせた。飛行機免許を持つトムは『バリー・シール/アメリカをはめた男』などでも操縦経験のある“空中撮影の第一人者”だが、戦闘機での本格的な空中撮影は未到の領域。それに耐えられる体力や技術を身につけるべく、世界有数のパイロットとともに過酷な特訓を積んだという。

こうしてトム自身が「飛行シーンはすべて本物」と豪語する撮影が実現。実際に操縦しているのはアメリカ海軍のパイロットだが、機体が超低空飛行する劇中の危険なシーンでもトムが実際に機体に乗り込んで撮影している。「これまで一度も飛行シーンがこういうふうに撮影されたことはない。正直に言って、こういうことが再び出来るかどうかもわからない」とトムは「Empire」誌のインタビューで振り返っている。

画像: 映画『トップガン マーヴェリック』フィーチャレット映像("胸熱"トレーニング篇) www.youtube.com

映画『トップガン マーヴェリック』フィーチャレット映像("胸熱"トレーニング篇)

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Episode3:ブートキャンプ
新“トップガン”にトム自らトレーニングプログラムを提案

実際に戦闘機に乗り込んだのはトムだけではない。新世代のトップガンを演じるマイルズ・テラーら若手キャストもまた、本人が戦闘機に乗り込み、撮影を行うことになった。そんな彼らのために、トムは自身の体験に基づくトレーニングプログラムを提案。これは監督によると“トム・クルーズのブートキャンプ(新兵訓練)”と呼ばれたという。劇中でリーダーを務めるトムと若手キャストの関係性は現実にも築かれていたのだ。

この訓練の目的は、彼らが戦闘機の想像を絶するGに耐え、その中でも演技ができるようにすること。訓練を受けていない人間は通常5~6Gの負荷で失神するといわれ、超高速ジェットコースターやF1では瞬間的に3~4Gに達するが、トムいわく本作の戦闘機ではその倍近い7~8Gがかかり、それに継続的に耐えなければならなかったという。若手キャストたちの訓練は3か月に及んだそうで、メイキング映像では激しいGに顔をゆがませる俳優たちのリアルな表情が捉えられている。

「Men's Journal」誌のインタビューでマイルズ・テラーは「トップガンの映画にはグリーンスクリーンはない。すべてのショット、すべてのスタントは、私たち全員が本当に汗を流した仕事の結果なんだ」と証言している。

画像: ジェイ・エリスら若手キャストたちも実際に戦闘機に乗り込んだ

ジェイ・エリスら若手キャストたちも実際に戦闘機に乗り込んだ

Episode4:ライバルとの再会
“アイスマン”ヴァル・キルマーの復帰はトムが熱望

この映画ではトムの他にもう一人、『トップガン』のオリジナルキャストが戻ってくる。主人公マーヴェリックのライバル“アイスマン”を演じたヴァル・キルマーだ。

ヴァルは数年前に喉頭がんの手術を受けて以来、以前のようには声を出せないというが、今回の続編出演を製作陣に直訴し、トムもまた彼の復帰を熱望した。製作者ブラッカイマーは「People」誌の取材に対して「『もし続編を作るならヴァルには出てもらわなければならない』と強く主張していたのがトムでした」と語っている。

一作目の『トップガン』公開当時、トムとヴァルには確執も噂されていたが、36年の時を経てこうして再会が実現するのは二人の間に劇中さながらの絆があることの証。今回のアイスマンは提督となって登場し、マーヴェリックをカムバックさせる役割を担うようだ。

『トップガン マーヴェリック』トム・クルーズのコメント

——トップガンについて
「僕にとって、『トップガン』とは、競い合い。『トップガン』とは家族。自らを捧げること。英雄的な勇気。それから、空を飛ぶこと。僕は空を飛ぶことを愛してやまない。本作は、空を飛ぶことへのラブレターかもしれない」

——「本物の飛行シーン」について
「この手の体験をありのまま観客に伝えるためには本物を撮るしかない。前人未踏の映像を作るため、世界有数のパイロットに協力を仰いだんだ」

——共演の若手キャストについて
「(戦闘機に乗るのは)すごくきついけど、顔の歪みは演技できないからね。共演者たちを誇りに思う。よくやってくれたよ。本当に過酷だった」

【スクリーンオンラインでは5月27日(金)の公開に向けて『トップガン マーヴェリック』を大特集!】

特集第4回はこちらから!

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『トップガン マーヴェリック』
5月27日(金)全国ロードショー
配給:東和ピクチャーズ
© 2022 PARAMOUNT PICTURES. CORPORATION ALL RIGHTS RESERVED.

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