誘拐された教授の救出作戦に挑むエージェント
ハリー・パーマー
(ジョー・コール)
労働者階級出身で頭脳明晰、狡猾だがユーモアもある陸軍軍曹。軍規違反で投獄されていたがドルビーとの取引で服役免除を条件に諜報員となり誘拐された教授の救出作戦に当たる。
ジーン・コートニー
(ルーシー・ボイントン)
オックスフォード大学出身でキャリア志向。ドルビーの下で優秀な諜報員として活動しているが、彼女の家族や婚約者はBBCでお茶くみをしていると信じている。
ウィリアム・ドルビー
(トム・ホランダー)
特別諜報機関W.O.O.C.のトップ。投獄されていたハリーと出会い、彼の頭脳明晰ぶりを見込んで極秘作戦へ参加させる。戦時下日本で捕虜になっていた時、長崎の原爆を目撃した。
ポール・マドックス
(アシュリー・トーマス)
西ベルリンでジーンと接触し、ミッションに絡んでくるCIAエージェント。ロンドンの米大使館に配属されている。本作のオリジナル・キャラクター。
【インタビュー】
新たなハリー・パーマー=ジョー・コール
ジョー・コールは1988年、英キングストン生まれ。映画『暁に祈れ』(2017)、ドラマ「ギャング・オブ・ロンドン」(2020)などで注目される若手英国俳優の一人だ。そんな彼にハリー・パーマーを演じることになった感想を聞いてみた。
「この役を受ける前はあまり原作について知らなかったのですが、実は伝説的なスパイ・キャラで、反ジェームズ・ボンド的な役ということで、次第に彼の魅力に取りつかれました。
真面目に見えますが、自信家で気取ったところもあり、一筋縄ではいかないユーモアも持っている。一方朝鮮戦争によって心的外傷後ストレス障害があるようにも思えます」
── ジョン・ホッジの脚本はどうでしたか?
「優れた脚本はどれもそうですが、登場人物が良く書き込まれています。この登場人物たちとずっと一緒に過ごしたいと思わせるんです。この作品ではスパイ・サスペンスを描くだけでなく、物語を楽しむためにキャラと一緒に楽しみながら、彼らにリアルな人間としての肉付けをしていくんです」
── 共演者たちはいかがでしたか?
「彼らと仕事をすると最初に自分で考えていた演技プラン通りにはいきません。真実を伝えるためには、ただ相手の演技に反応することしかできなくなります。そうしないと僕が偽っているように感じてしまうでしょう。トム(ホランダー)もルーシー(ボイントン)も一筋縄ではいかない共演者でした」
── パーマーと言えば眼鏡が印象的ですよね。
「彼になりきるために眼鏡は重要なアイテムでした。かつてマイケル・ケインが着用したものと同じ眼鏡にしようとしたんですが、僕には合わなくて。結局選んだのは非常に硬くて強い黒のフレームのものです。それを着けた瞬間、任務完了という感じでした(笑)。実は二種あって、一つはレンズが曲がっていて光の反射が変わるんですよ」
「ハリー・パーマー 国際諜報局」(全6話)
配信▶︎スターチャンネルEX https://ex.star-ch.jp/
字幕版・独占配信中(6月1日~30日 第1話無料配信)
吹替版・6月20日より全6話一挙配信
放送▶︎BS10 スターチャンネル https://www.star-ch.jp
【STAR1字幕版】 6月7日より毎週火曜23:00ほか独占放送開始
(6月5日15:00より吹替版第1話先行無料放送 ※STAR1で吹替版を放送)
【STAR3 吹替版】 6月9日より毎週木曜22:00ほか独占放送開始
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海外ドラマ「ハリー・パーマー国際諜報局」独占日本初放送直前!
映画版“ハリー・パーマー”シリーズ2週連続放送
【STAR1 字幕】
5月24日23:00~『国際諜報局』(※スターチャンネルEX でも配信)
5月31日23:00~『パーマーの危機脱出』(※配信なし)
007と同じ製作者が産んだリアルな英国スパイ映画
ときは冷戦真っ只中。『007』シリーズの大成功によりスパイ映画ブームが到来したが、その流行のなかで異彩を放ったのがシドニー・J・フューリー監督の『国際諜報局』(1965)だった。レン・デイトンのスパイ小説「イプクレス・ファイル」の映画化だが、スパイ映画にありがちな派手さはほぼない。
主人公のハリー・パーマーは英国のスパイなのだが、事務仕事をして領収書を提出し、スーパーで食料品を買い込み、家で料理を楽しむ。常に黒縁眼鏡をかけていて、態度はふてぶてしく、言葉にも皮肉と棘がいっぱいで、捜査にもコネを使いまくるという要領のよさ。が、それでもメチャクチャかっこいい。なぜなら、ちゃんと仕事は出来るから。その瞬間が描かれているからだ。
そういうキャラクターになれたのも、演じたマイケル・ケインがハマりまくっていたため。彼のブレイクスルー作品になり、シリーズ化されて『パーマーの危機脱出』(1966)『10憶ドルの頭脳』(1967)と合わせて3本が作られたほどだ。
『オースティン・パワーズ』のマイク・マイヤーズや『キングスマン』のコリン・ファースが黒縁眼鏡をかけているのも、このハリー・パーマーへのオマージュ。普通のステンカラーコートを着て黒縁眼鏡をかけた男のほうが英国のスパイらしいと思っている人が、実はたくさんいたということだ。
本作の製作はボンド・シリーズと同じハリー・サルツマン。ファンタジーなスパイとリアルなスパイ、今でも多くの人を魅了する、両極端のスパイを生み出してくれたことになる。
text/渡辺麻紀