今回の特集上映は全12作! コンプリートしたいけれど日程的に難しい&何を見たらいいのか迷う…という方に向けてテーマを提案。ただしこれはほんの一例。あなたなりの“冒険”の楽しみ方を見つけてください。(文・井上健一/デジタル編集・スクリーン編集部)

生誕90周年上映 フランソワ・トリュフォーの冒険

2022年6月24日(金)~ 7月14日(木)東京・角川シネマ有楽町、名古屋・伏見ミリオン座
7月1日(金)~大阪テアトル梅田にて開催他、全国順次公開予定

画像: 特集上映「フランソワ・トリュフォーの冒険」鑑賞ガイド!

提供・配給:KADOKAWA ※劇場によって上映作品の変更の可能性あり

トリュフォー作品を彩るフランス女優と出会う

  • ベルナデット・ラフォン
  • ジャンヌ・モロー
  • イザベル・アジャーニ
  • クロード・ジャド
  • マリー=フランス・ピジエ
  • カトリーヌ・ドヌーヴ

女優を魅力的に撮ることで定評のあったトリュフォー。その片鱗は短編『あこがれ』(1957)の時点で既に垣間見ることができる。当時18歳だったベルナデット・ラフォンの溌溂とした生命力あふれる存在感は忘れ難い。

画像: 『あこがれ』(1957) ©DR MK2

『あこがれ』(1957)

©DR MK2

一転、男を手玉に取るしたたかな女を魅力的に演じたのが『私のように美しい娘』(1972)。『突然炎のごとく』(1962)のジャンヌ・モローは、スタントなしでセーヌ川に飛び込むなど縦横無尽に駆け巡り、奔放で強い女性を体現。フェミニズムの先駆けとしても支持を得た。『アデルの恋の物語』(1975)で主演に抜擢された新人イザベル・アジャーニは、愛に執着して破滅するヒロイン役で鬼気迫る演技を見せ、アカデミー賞主演女優賞候補に。

画像: 『私のように美しい娘』(1972) ©Pierre Zucca

『私のように美しい娘』(1972)

©Pierre Zucca
画像: 『突然炎のごとく』(1962) Photo by Getty Images

『突然炎のごとく』(1962)

Photo by Getty Images
画像: 『アデルの恋の物語』(1975) ©Bernard Prim

『アデルの恋の物語』(1975)

©Bernard Prim

ドワネル・シリーズでも女優たちが活躍。まずは、映画初出演作『アントワーヌとコレット』(1962)でアントワーヌの初恋の相手コレットを演じて、小悪魔的な魅力を発揮したマリー=フランス・ピジエ。その後、『夜霧の恋人たち』(1968)で別の男と結婚していたコレットは、『逃げ去る恋』(1979)でアントワーヌと再会し、成熟した大人の魅力を振りまいた。

対照的に、少女のような初々しさが印象的なのが、『夜霧の恋人たち』(1968)『家庭』(1970)『逃げ去る恋』(1979)のクロード・ジャド。アントワーヌの恋人から妻となり、離婚に至るクリスティーヌを演じながらも、その愛らしさは終始変わらない。

最後は大女優カトリーヌ・ドヌーヴ。初顔合わせとなった『暗くなるまでこの恋を』(1969)の出来に納得できなかったトリュフォーは、『終電車』(1980)で再びドヌーヴを起用。その期待に応え、劇団の座長役を堂々たる存在感で演じ切った。

画像: 『家庭』(1970) © MK2

『家庭』(1970)

© MK2
画像: 『アントワーヌとコレット』(1962) © MK2

『アントワーヌとコレット』(1962)

© MK2
画像: 『終電車』(1980) Photo by Jean-Pierre Fizet/Sygma/Sygma via Getty Images

『終電車』(1980)

Photo by Jean-Pierre Fizet/Sygma/Sygma via Getty Images

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