長編第2作目『バッド・ジーニアス 危険な天才たち』で世界的に注目を浴び、最新作『プアン/友だちと呼ばせて』ではアジアの巨匠ウォン・カーウァイとタッグを組んだバズ・プーンピリヤ監督。このたびSCREEN ONLINEでは同監督にインタビューを実施。パーソナル部分を多く反映させたという最新作について話を聞いた。

“「作家」とは何かをカーウァイさんに教わりました”

―非常にユニークな物語でした。どういう経緯で「元恋人たちを訪ねていく」という設定になったのでしょうか?

「この映画をつくる際、ウォン・カーウァイさんに『君の心に近いもの、君が信じられるものを作ろう』と言われました。自分自身色々な恋愛を経験してきたのですが、どれもきちんと終わらせてこられなかったので、この映画をつくることがそれぞれの関係に終わりを告げる良い機会だという風に思ったんです」

―世界中で上映されていますが、反応はどうでしたか?

「私のパーソナルな部分を反映した作品ではありますが、色々な反応をもらいました。アメリカやヨーロッパではSIDE A、タイやアジアではSIDE Bに反応する人が多かったのが印象的でした」

画像: 企画・プロデュースのウォン・カーウァイ(左)とプーンピリヤ監督(右)

企画・プロデュースのウォン・カーウァイ(左)とプーンピリヤ監督(右)

―アジアを代表する巨匠ウォン・カーウァイさんとの仕事はいかがでしたか。

「私もたくさんインスピレーションを受けてきたので、彼と一緒に仕事ができて、一つ夢が叶いました。この映画をつくりながら彼からは多くを学びましたが、一番は『何のために映画をつくるのか』ということです。観客を満足させることも当然大切ですが『自分が伝えたいことを大事にする』ということを教わりました。“作家”とは何かを彼に教わったんです。とても感謝しています」

画像: (左から)ウード役アイス・ナッタラット、プーンピリヤ監督、ボス役トー・タナポップ

(左から)ウード役アイス・ナッタラット、プーンピリヤ監督、ボス役トー・タナポップ

―主演のお二人が素晴らしかったです。トー・タナポップさんとアイス・ナッタラットさんはどのように起用されたのでしょうか。

「オーディション中はずっと彼らのことが頭にあって、カーウァイさんもオーディションのテープを見て『彼らにしよう』と言いました。なので、私とカーウァイさんにとって彼ら二人に決めることはとても簡単なことでした。彼らはタイで大人気なのですが、役作りのために様々な経験を積んでくれたり、この作品に人生を捧げてくれました。チャレンジングな役だったと思いますが、人生をかけて臨んでくれたことにとても感謝しています」

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