20歳でチャールズ皇太子と結婚式を挙げ、イギリス国民だけでなく世界中の人気を集めたダイアナ妃。しかし幸せは長くは続かなかった。10月14日(金)に公開される映画『スペンサー ダイアナの決意』はダイアナ妃がチャールズ皇太子との離婚を決意したサンドリンガム・ハウスでのクリスマス休暇の3日間を描く。本作のヘアメイクを担当した吉原若菜氏にダイアナ妃を演じたクリステン・スチュワートのヘアメイクのポイントや現場でのエピソード、作品の見どころなどを聞いた。(取材・文/堀木三紀)

イギリス王室のテイストとしての赤を加える

――30年以上イギリスにお住まいの吉原さんがこの作品をご覧になって感じられたイギリスらしさはどんなところでしょうか。

美術をガイ(・ヘンドリックス・ディアス)が担当していますが、おもちゃや本、カーペット、クリスマスツリーのデコレーションといった細かいところに赤を使っています。字幕を追っていると見落としてしまいがちですが、イギリス王室らしさを感じました。

チャールズ皇太子やウィリアム王子が狩りをするシーンがありますが、それもイギリスの伝統的なもの。王室や貴族だけでなく、ミドルクラスの方でも好きな人は今でもしています。私の家の近くには狩り用の雉を飼育しているところがあるくらい。獲った雉は捨てないで、みなさん、ちゃんとさばいて食べています。

画像: イギリス王室のテイストとしての赤を加える

――吉原さんにとってのヘアメイクの仕事の魅力は?

役者さんはある意味、キャンバスです。役者さんをヘアメイクでどういう風に変えていくのか。自分の中の芸術的な部分を楽しみながら仕事をしています。

ヘアメイクをした俳優さんたちから「若菜がこういう風にメイクをしてくれたのがキャラクター作りの手助けになった」と言われることもあります。やっていてよかったと思う瞬間ですね。
ヘアメイクはその両方の喜びがコンビネーションされている仕事です。

――2023年公開の『ザ・マーベルズ』でもヘアメイクを担当されたそうですね。

この仕事はけっこう長期間でしたが、キャラクターがいろんな惑星に住んでいる設定なので、クリエイティブにできておもしろかったですね。

マーベルはいろんな人が関わり、組織的に仕事が進みます。私は資料を作るのが割と得意ですが、いつも以上に作らないといけなかったので、とても勉強になりました。

――最後にヘアメイクの立場からの本作の見どころを教えてください。

チャールズ皇太子は後頭部に髪が薄い部分があります。演じたジャック(・ファーシング)は髪が肩に届きそうなくらい長く、禿げた部分のあるウィッグを装着するのはとても大変でした。血と汗と涙の結晶(笑)を見ていただけるとうれしいです。

また、ジャックは耳が寝ているタイプですが、チャールズ皇太子はどちらかというと耳が前に向いて立っているタイプ。ジャックの耳の後ろにプラスチックでできたものをつけて、耳たぶを押して立たせました。もし普段のジャックの写真と映画のチャールズ皇太子の写真を比較できる機会があったら、ぜひ見比べていただきたいです。

映画『スペンサー ダイアナの決意』作品情報

スペンサー伯爵家の令嬢として誕生し、20歳でチャールズ皇太子と結婚すると瞬く間に人気者となったダイアナ。世界中で「ダイアナ・フィーバー」を巻き起こし、2 人の息子に恵まれるが、チャールズ皇太子との間に亀裂が生じ、離婚をする。本作はチャールズ皇太子との離別を決意したとされているサンドリンガム・ハウスでのクリスマス休暇の3日間を描く。

画像: 映画『スペンサー ダイアナの決意』予告編(ナレーション:米倉涼子)10月14日(金)全国ロードショー【STAR CHANNEL MOVIES】 www.youtube.com

映画『スペンサー ダイアナの決意』予告編(ナレーション:米倉涼子)10月14日(金)全国ロードショー【STAR CHANNEL MOVIES】

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ダイアナを演じるのは、 『トワイライト』シリーズ、『チャーリーズ・エンジェル』のクリステン・スチュワート。本作でアカデミー賞主演女優賞に初のノミネートを果たした。監督を務めるのは、『ジャッキー/ファーストレディ 最後の使命』でジャクリーン・ケネディの知られざる姿を描き、主演のナタリー・ポートマンをアカデミー賞ノミネートに導いたパブロ・ラライン。

<STORY>
1991年、クリスマス。英国ロイヤルファミリーの人々は、いつものようにエリザベス女王の私邸サンドリンガム・ハウスに集まったが、例年とは全く違う空気が流れていた。ダイアナ妃とチャールズ皇太子の仲が冷え切り、不倫や離婚の噂が飛び交う中、世界中がプリンセスの動向に注目していたのだ。ダイアナにとって、二人の息子たちと過ごすひと時だけが、本来の自分らしくいられる時間だった。息がつまるような王室のしきたりと、スキャンダルを避けるための厳しい監視体制の中、身も心も追い詰められてゆくダイアナは、幸せな子供時代を過ごした故郷でもあるこの地で、人生を劇的に変える一大決心をする。

映画『スペンサー ダイアナの決意』
10月14日(金)TOHOシネマズ 日比谷 ほか全国ロードショー
監督:パブロ・ラライン(『ジャッキー/ファーストレディ 最後の使命』)
出演:クリステン・スチュワート、 ジャック・ファーシング、ティモシー・スポール、サリー・ホーキンス、ショーン・ハリス
配給:STAR CHANNEL MOVIES
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公式サイト:https://spencer-movie.com/

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