今年のエミー賞作品賞にノミネートすらされていない秀作も数知れず。今回はそんな作品を海外ドラマ評論家の池田敏さんに紹介してもらいました。

「コブラ会」

画像: 写真はシーズン4より

写真はシーズン4より

出演:ラルフ・マッチオ、ウィリアム・ザブカ、ショロ・マリデュエニャ、タナー・ブキャナン
Netflixシリーズ「コブラ会」独占配信中

映画『ベスト・キッド』シリーズ終了から34年後に作られたまさかの続編ドラマ。映画版第1作でダニエル(ラルフ・マッチオ)に負けた空手道場“コブラ会”のジョニー(ウィリアム・ザブカ)はしょぼくれ中年だが、青春時代の栄光を取り返そうと“コブラ会”を復活させる。

面白いのは勝ち組のダニエルも実は中年の危機を迎え、“コブラ会”と再対決していく点。シーズン3はコメディ部門作品賞にノミネートされたが、シーズン4は技術方面の2部門のみでノミネート。今秋始まったシーズン5は来年のエミー賞レースに食い込めるのか。

「THIS IS US/ディス・イズ・アス」

画像: 写真はシーズン6より

写真はシーズン6より

出演:マイロ・ヴィンティミリア、マンディ・ムーア、スターリング・K・ブラウン、クリッシー・メッツ
ディズニープラスのスターで配信中
© 2022 20th Television.

2016年、36歳になった三つ子を含むある家族の運命を、現在・過去を前後しながら描いた、空前絶後のファミリードラマ。心温まる物語だが、意外な事実を少しずつ明かしていくのがスリリングで、シーズンが進むうちに登場人物たちの未来まで描いて多くのファンを驚かせた。

番組自体はエミー賞レースの常連となったが今年始まった最終章、シーズン6が技術方面(音楽)の1部門のみのノミネートだったのは惜しい。とはいえ、もしもこの記事で本作のことを知った人がいるなら感動の大河ストーリー全106話をこれからでも楽しんでみてほしい。

「ステーション・イレブン」

画像: 「ステーション・イレブン」

出演:マッケンジー・デイヴィス、ヒメーシュ・パテル、ガエル・ガルシア・ベルナル、ダニエル・ゾヴァット
U-NEXTにて独占配信中
©2021 Paramount Television Studios, a division of Paramount Pictures Corporation. All Rights Reserved

今年のエミー賞、日本出身のヒロ・ムライ(音楽プロデューサー村井邦彦の息子)に対する監督賞など7部門にノミネートされたが、作品賞のノミネートがなかったのは残念。パンデミックで人類のほとんどが滅んでから約20年後。米国の地方で女性クリステン(『ターミネーター:ニュー・フェイト』(2019)のマッケンジー・デイヴィス)らは平和に暮らすが、暴力的カルトと遭遇してしまう。

新型コロナウイルス禍を予見したような内容だった上、本物のコロナ禍で収録が途中で中断したことも。とにかく見たことがない斬新な世界観は忘れられない秀作。

「THE GREAT ~エカチェリーナの時々真実の物語~」

画像3: 写真はシーズン2より

写真はシーズン2より

出演:エル・ファニング、ニコラス・ホルト、フィービー・フォックス、アダム・ゴドリー
「THE GREAT ~エカチェリーナの時々真実の物語~ シーズン2」
スーパー!ドラマTV #海外ドラマ☆エンタメ放送予定
© 2022 MRCII Distribution Company, L.P. All Rights Reserved.

エル・ファニングとニコラス・ホルトが共演。映画『女王陛下のお気に入り』(2018)の脚本家トニー・マクナマラが企画し、実際の歴史を独自に解釈したブラックユーモアコメディ。18世紀ロシア。エカチェリーナ2世(ファニング)は若き皇帝ピョートル(ニコラス・ホルト)と結婚するが、自由な考えを持つ彼女は宮廷に変革をもたらしていく。

今年のエミー賞ではファニングとホルトに対するコメディシリーズ部門の主演女優賞・主演男優賞など計4つのノミネーションを獲得したが、コメディシリーズ作品賞の候補になってもおかしくなかっただろう傑作だ。

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