2022年12月9日(金)公開
MEN 同じ顔の男たち
田舎町を訪れた女性が出会う男たちは
みな同じ顔だった……
『ミッドサマー』(2019)などを手掛けた注目の製作会社A24が『エクス・マキナ』(2014)でアカデミー賞脚本賞候補となったアレックス・ガーランド監督とタッグを組んだ異色スリラー。夫を亡くした女性が心の傷を癒すために訪れた美しい田舎町で出会う男は皆、同じ顔をしている人物だった……。
悪夢のような出来事に追い詰められるハーパーを演じるのは『ロスト・ドーター』(2021)でオスカー助演女優賞候補となったジェシー・バックリー、正体不明の男たちを演じ分けるのは『007』シリーズのビル・タナー役で知られるロリー・キニア。ガーランドは脚本も担当し、撮影もガーランド監督作の常連ロブ・ハーディが当たっている。第75回カンヌ国際映画祭監督週間で上映され、観客を騒然とさせたことも話題に。
1作の中でいくつもの役を演じ分けることになったロリー・キニアは、この仕事を楽しんだという。大体は一日の撮影で一人の人物を演じることで混乱を避けたというが、パブのシーンだけは一日に何人もの役を演じることになり、数時間前に演じたキャラと次に演じる役が混じらないように気をつけたそう。これまでの演技体験がすべて役に立ったそうだ。
見どころ・ストーリー
夫の死を目の前で目撃してしまったハーパー(バックリー)は、傷ついた心を癒すために、イギリスの田舎町を訪れることに。そこで待っていたのは豪華なカントリーハウスで、管理人ジェフリー(キニア)は彼女を歓迎してくれた。
その後、町を散策するため出かけた森である廃トンネルを見かけたハーパーは、そこに不思議な人影を見つけるが、不穏な雰囲気を感じてその場を離れる。すると人影は彼女の後を追って来るのだった。さらにハーパーは町で出会った少年や司祭、パブの客たちも管理人のジェフリーと同じ顔であることに気づく。その間にもフラッシュバックする夫の死の瞬間。じわじわとハーパーに忍び寄る得体のしれない恐怖がその正体を表わす時、彼女が見た衝撃の光景とは?
ジェシー・バックリー インタビュー
“映画のトーンとは違って撮影現場は楽しいものだったわ”
『MEN 同じ顔の男たち』は独特の雰囲気をまとい、多彩なジャンルの面を持った不思議な作品と言えそうだが、主演のジェシー・バックリーに撮影現場のことを尋ねると、
「アレックス(ガーランド)は俳優と密にコラボレートする監督で楽しかったわ。撮影現場にもすぐに馴染めた。この映画ではハードなシーンや奇妙なシーンが多いので、みんなエキサイトしていた」
と答えてくれた。監督からどんな映像になるのか説明はあったのだろうか。
「映像がどうなるとか言わないけれど、彼は自然の中で育ったせいか、自然が一つのキャラクターで、大きな構成要素にもなり、そのパワーも感じられる世界を観るのは魅力的だわ。アレックスは知的でビジュアル的にも傑出したものを撮る人なので、それこそ私が一緒に仕事をしたいと思うタイプの監督。大胆で勇気があって創造的な空間があり、一緒に何かを作り上げたいという意識が持てる人よ」
かなり怖い状況が描かれるが、ジェシー自身が撮影中に怖いと思ったことは?
「ホテルに帰れば気持ちを切りかえられるけど、自分の家に帰って、いきなりボーイフレンドが部屋に入ってきたら叫ぶかもしれないって、考えたことはあるわ(笑)」
MEN 同じ顔の男たち
2022年12月9日(金)公開
2022/イギリス/1時間40分/ハピネットファントム・スタジオ
監督:アレックス・ガーランド
出演:ジェシー・バックリー、ロリー・キニア、パーパ・エッシードゥ
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