2022年11月25日(金)公開
グリーン・ナイト
アーサー王にまつわる叙事詩を基にした
異色ダーク・ファンタジー
14世紀に詠まれたアーサー王にまつわる作者不明の叙事詩「サー・ガウェインと緑の騎士」。「指輪物語」の作者で言語学者でもあるJ・R・R・トールキンも魅了されたこの物語を『A GHOST STORY/ア・ゴースト・ストーリー』(2017)のデヴィッド・ロウリー監督と気鋭の製作会社A24が映画化したダーク・ファンタジー。
斬新な映像で野望と挫折、愛と欲望を紡ぐ物語で、主人公となるガウェインを演じるのは『ホテル・ムンバイ』(2018)のデヴ・パテル。さらにアリシア・ヴィキャンデル、ジョエル・エドガートン、サリタ・チョウドリー、バリー・コーガンといった個性的な俳優たちが共演。ロウリーは脚色も担当し、幻想的な冒険の旅を通じて、自身の内面と向き合う若者の成長譚としての一面も掘り下げている。
『ウィロー』(1988)など往年のファンタジーを愛するデヴィッド・ロウリーは想像力をフルに発揮してA24初の本格的ファンタジーを完成。これまでも数多く作られてきたアーサー王の伝説の映画の中でロウリーが特に好きな作品は『湖のランスロ』(1974)と『モンティ・パイソン・アンド・ホーリー・グレイル』(1975)だそう。また『エクスカリバー』(1981)も重要作という。
あらすじ・ストーリー
アーサー王の甥であるサー・ガウェイン(パテル)は、正式な騎士になれないまま怠惰な日々を送っていた。あるクリスマスの日、円卓の騎士たちが集う王の宴に全身が草木に包まれたような緑の騎士が現われ、一堂に「遊び事(ゲーム)」と称した恐ろしい首切りゲームを持ちかける。その場にいたガウェインは挑発に乗って騎士の首を切り落とす。すると騎士は自ら首を拾い上げ「一年後の同じ日に私を探し出し、ひざまずいて私の一撃を受けるのだ」と残して去っていく。
一年後、ガウェインは騎士との約束を果たすべく、彼を探し出す旅に出かける。それは呪いと厳しい試練の始まりだった。気がふれた盗賊、彷徨う巨人、口をきくキツネたちに導かれるようにガウェインは騎士の元へ近づいていく。
デヴ・パテル インタビュー
“俳優としての自分自身にも類似点が見出せるストーリーでした”
多くの人が知っているアーサー王伝説の一編を現代にも通じる物語として再構築したデヴィッド・ロウリー監督の『グリーン・ナイト』で主人公を演じるのは、どんな挑戦だったか、デヴ・パテルはこう答えた。
「僕は現代的な作品にみられるような言葉を投げ出すような話し方をするので、デヴィッドに台詞をどうやって話せばいいか聞いたんですが、『ひとまずやってみて。そこに存在して、できる限り真実味を伝えて』という感じでしたね。こういう時代を描く多くの映画では剣と剣の戦いに重きが置かれるものですが、本作は“心の旅”に焦点が当たっています。若い俳優である僕にとって、この業界での僕の野心、人生とエゴや男らしさのバランスをとろうとするなど多くの類似点を見出せました。そこにすべての糸口を見出すことができたんです」
鎧を着たり馬に乗ったり、剣を持つことで役に入り込むことができるのだろうか。
「衣装を着ることで全く違う演技ができます。スタッフが川を渡ってカメラをセットしたり共演者がいることで、皆が撮影することに没頭して絵画のように素晴らしいシーンが生まれます。衣装やメイク、ヘアスタイリストなど優秀なスタッフがいなくては何も生まれないと思います」
グリーン・ナイト
2022年11月25日(金)公開
2021/アメリカ=カナダ=アイルランド/2時間10分/トランスフォーマー
監督:デヴィッド・ロウリー
出演:デヴ・パテル、アリシア・ヴィキャンデル、ジョエル・エドガートン
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