11月22日に57回目の誕生日を迎えたマッツ・ミケルセン。デンマーク出身であることから“北欧の至宝”と呼ばれて久しいマッツですが、いまやハリウッドの名だたる映画シリーズを制覇し、名実ともにスター俳優の仲間入りを果たしています。その生誕を祝し、マッツ・ミケルセン特集をお届け。私たちファンのみならず、映画の神様をも惹きつけてやまないマッツの引力に迫ります!(文・まつかわゆま/デジタル編集・スクリーン編集部)
カバー画像:写真:Shutterstock/アフロ

マッツ・ミケルセンが57歳に。“イケおじ”なんて言われているが、60超えたらイケ……おじぃと言われるんじゃないだろうか。いいですよ、イケてるのに変わりはないですから。

異なるアプローチで男性ファンと女性ファンを惹きつけるマッツ

画像1: 『シャネル&ストラヴィンスキー』(2009)

『シャネル&ストラヴィンスキー』(2009)

筆者がマッツを意識したのは、『シャネル&ストラヴィンスキー』(2009)だった。カンヌ国際映画祭でインタビューをすることになったのだが、私の担当はシャネル役のアナ・ムグラリス。隣のテーブルにいるマッツが気になって仕方なかった覚えがある。

その前にも『しあわせな孤独』(2002)『アフター・ウェディング』(2006)、もちろん『007/カジノ・ロワイヤル』(2006)も観てはいたのだが、俳優名を覚えるまでの興味は抱かなかった。ではなぜ、ストラヴィンスキー役で“キター”のか。いやあ、セクスィーだったんですよねー(笑)。知的で、脱ぎっぷりよくって、すでにおじさんだけどダンスと体操で鍛えられた細マッチョなしなやかさが、うふふ、色っぽかったんですよ。

画像2: 『シャネル&ストラヴィンスキー』(2009)

『シャネル&ストラヴィンスキー』(2009)

そう、マッツは女性ファンと男性ファンとで見るところが違うのである。

マッツはニコラス・ウィンディング・レフン監督の『プッシャー』(1996)で演じた麻薬売人役で映画デビュー。アクション映画のハードな男くさい男も多数演じ、男性ファンを虜にしている一方で、スサンネ・ビア監督の作品では繊細なところもある誠実な男を演じ、女性ファンを包み込む。

画像: 『プッシャー』(1996)

『プッシャー』(1996)

故郷デンマークを離れ、ハリウッド(『007』はイギリスだけど、まぁハリウッド的映画ということで)に行くと、外国人俳優は色眼鏡で見られてしまうためにヴィランを演じることが多くなる。しかし、よき俳優たるもの、素晴らしいヴィラン演技が出来なくてどうする。かくてマッツはなんと「007シリーズ」(『007/カジノ・ロワイヤル』)から始まり、「MCU(マーベル・シネマティック・ユニバース)」(『ドクター・ストレンジ』(2016))、「魔法ワールド」(『ファンタスティック・ビーストとダンブルドアの秘密』(2022))というヒットシリーズすべてでヴィランを演じ、「スター・ウォーズ」(『ローグ・ワン/スター・ウォーズ・ストーリー』(2016))シリーズにも出演。

画像: 『007/カジノ・ロワイヤル』(2006)

『007/カジノ・ロワイヤル』(2006)

このことについてマッツ本人は「『プッシャー』のイメージなんだろうね。バッドガイのオファーが多い。ルナティックな奴も多いけれど、ま、役の上のことだからね~。役の気分を家庭に持ち込まない主義なので、どんな役だってOK。グリーンバックでグリーンスーツを着たり、クレイジーなコスチュームを着たり、それもいいじゃないか。役者の醍醐味だよ。望まれれば何でも演ずるよ、プロなんだから」と全く気にしていない。で、またこのヴィランが、クールでよいのだわ。

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