コロナ自粛も徐々に収まってきた2022年もいよいよ閉幕。この1年を振り返ってみるといろいろな映画が公開され、数々の出来事がありました。そこでヘリウッド現地から2022年を代表するような映画界のハプニング、スキャンダル、象徴的な現象など10大ニュースを取り上げてみました!(文・荻原順子(LA在住)/デジタル編集・スクリーン編集部)
カバー画像:Photos by Getty Images

#エズラ・ミラー 奇行相次ぐ

自らの行動で俳優としてのキャリアを危うくしているのはエズラ・ミラーも同じようで、2022年になってからだけでも、3月と4月にハワイで暴力沙汰を起こし逮捕。6月にはミラーに対し、18歳のネイティブ・アメリカン、トカタ・アイアンアイズに対する接近禁止命令が出された。

奇行報道が相次いだエズラ・ミラーは主演作『ザ・フラッシュ』の公開が危ぶまれる事態にまで発展したが…。

Photos by Getty Images

ミラーとアイアンアイズは2016年にノースダコタのネイティブアメリカン保留地で出会って親交が始まったが、2021年にアイアンアイズが高校を退学。アイアンアイズの両親は、娘の退学はミラーと一緒に居るためであり、娘はミラーによって精神的、身体的に虐待されているとして裁判所に接近禁止命令を申請したとのこと。

その他にも、マサチューセッツ州で12歳の少女に対し不適切な振る舞いをしたとしてハラスメント防止令を出されたり、バーモント州にある自分の農場に子連れの女性を「暴力亭主からかくまっていた(本人談)」際に子供達の前で大麻を吸っていたということで児童福祉局員が派遣される騒ぎになったり、近隣の住民の家から酒を盗み出した容疑で起訴されたりと、とにかく奇行続き。8月には、ミラーの最近の行動は「難しい問題を抱えていたから」で「現在、複雑な精神問題に対する療養に取り組んでいる」との声明が代理人から出された。

ブルース・ウィリスの引退報道やジョニー・デップらの裁判がマスコミを賑わす

#ブルース・ウィリス引退表明

一方、健康上の理由で引退を余儀無くされたのはブルース・ウィリス。2010年代の終わりぐらいから数多くのDVDスルー作品に出演。出演作を選ばなくなったと思われていたが、2022年3月30日、ウィリスの家族によってウィリスが失語症と診断されていたことが明らかにされると同時に、俳優業からの引退が表明された。

画像: 突然の引退発表となった人気者ブルース・ウィリスだが復帰を望む声も多い Photos by Getty Images

突然の引退発表となった人気者ブルース・ウィリスだが復帰を望む声も多い

Photos by Getty Images

#ジョニー・デップ勝訴

ジョニー・デップも元妻アンバー・ハードとの訴訟バトルで俳優活動がスローダウンしていたが、2022年6月1日、ハードが悪意をもって虚偽の発言をしてデップの名誉を毀損したとして、ハードからデップに対して1000万ドルの補償的損害賠償金と35万ドルの懲罰的損害賠償金を支払うよう命ずる判決が下され、デップが勝訴。デップは「6年かかったが、陪審員の皆さんのおかげで人生を取り戻すことができて、本当にありがたく思っている」とコメントを残している。

アンバー・ハードとの裁判で勝訴したジョニー・デップには新作のオファーも舞い込み始めた様子

Photos by Getty Images

#ケヴィン・スペイシー裁判

同じく係争中の裁判で勝訴したのはケヴィン・スペイシー。スペイシーは、1986年、当時14歳だった俳優アンソニー・ラップに性的暴行を加えたとして民事訴訟で訴えられていたが、陪審員たちは暴行の事実が充分証明されなかったとしてスペイシーに無罪判決を言い渡した。

スペイシーは匿名の男性からも同様に訴えられていたが、この男性が公の場で証言することを拒んだため、2021年に同訴訟は棄却されている。アメリカでの民事訴訟では無罪を勝ち取ったスペイシーだが、英国でも性的暴行の容疑をかけられており、こちらは2023年6月に裁判が開始される予定。

画像: 米国では無罪を勝ち取ったケヴィン・スペイシーだが英国での裁判も待ち受けている Photos by Getty Images

米国では無罪を勝ち取ったケヴィン・スペイシーだが英国での裁判も待ち受けている

Photos by Getty Images

戦場となったウクライナを訪れたショーン・ペンらもニュースに

#ショーン・ペンウクライナ訪問

2022年に報じられたアメリカ映画界関係のニュースでは他に、政治的・社会的な問題に対しての意識が高いことで知られるショーン・ペンが戦時下のウクライナを訪問したこと、2002年に婚約したものの2年後に婚約破棄したベン・アフレックとジェニファー・ロペスが結婚したこと、『ゴッドファーザー』のソニー役で知られるジェームズ・カーンが逝去したことなどがある。

ロシアのウクライナ侵攻についてのドキュメンタリーを撮影するためにウクライナを訪れたペンに対し、ロシアが制裁措置としてペンを入国禁止処分に処した一方で、ウクライナのゼレンスキー大統領はペンに同国の十字勲章を授与した。

画像: ウクライナを訪問後、クラクフのウクライナ難民支援センターを訪れたショーン・ペン Photos by Getty Images

ウクライナを訪問後、クラクフのウクライナ難民支援センターを訪れたショーン・ペン

Photos by Getty Images

#ベニファー結婚

アフレックとロペスは2004年に婚約を破棄した後も友人関係を保ち、ジェニファー・ガーナーとの結婚・離婚を経て、『底知れぬ愛の闇』で共演したアナ・デ・アルマスとの交際が終わった後の2021年4月に恋人関係を復活。2022年4月に婚約して7月16日にラスベガスで結婚した。

最初の婚約から約20年、紆余曲折を経てついにゴールインしたジェニファー・ロペスとベン・アフレック

Photos by Getty Images

 #『ゴッドファーザー』50周年

ジェームズ・カーンは、2022年3月に公開50周年を迎えた『ゴッドファーザー』でアカデミー賞助演男優賞ノミネートを果たし、その後も様々な作品で主演・助演を務めてきたベテラン俳優。ホフストラ大学在学時代からカーンを知っていた『ゴッドファーザー』の監督フランシス・フォード・コッポラは「ジミーは自分にとって映画界の誰よりも長く親しく付き合っていた人だった」として、その死を悼んだ。

画像: 2022年2月の『ゴッドファーザー』50周年イベントにはコッポラ監督とジェームズ・カーンが揃って出席していたが…。 Photos by Getty Images

2022年2月の『ゴッドファーザー』50周年イベントにはコッポラ監督とジェームズ・カーンが揃って出席していたが…。

Photos by Getty Images
画像: ロバート・デ・ニーロとアル・パチーノも『ゴッドファーザー』記念イベントに出席 Photos by Getty Images

ロバート・デ・ニーロとアル・パチーノも『ゴッドファーザー』記念イベントに出席

Photos by Getty Images

映画界の“日常”が戻りつつも、新しい才能が開花してベテランが去っていく世代交代が着々と進んでいく。2022年はそんな印象を残した年だった。

This article is a sponsored article by
''.