コロナ自粛も徐々に収まってきた2022年もいよいよ閉幕。この1年を振り返ってみるといろいろな映画が公開され、数々の出来事がありました。そこでヘリウッド現地から2022年を代表するような映画界のハプニング、スキャンダル、象徴的な現象など10大ニュースを取り上げてみました!(文・荻原順子(LA在住)/デジタル編集・スクリーン編集部)
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『トップガン マーヴェリック』大ヒットと女性監督たちの活躍

2020年の春に直撃したコロナ過の影響もようやく薄れてきた感のある2022年のアメリカ映画界では、5月から始まる夏シーズンに大作・期待作が続々と公開されるパターンが完全復活。5月から7月にかけて公開された作品が、米国内年間興行収入ランキングの上位10本中6本を占める結果となった。(22年11月末時点)

#『トップガン マーヴェリック』大ヒット

画像: 『トップガン マーヴェリック』のUKプレミアにやってきたトム・クルーズ Photos by Getty Images

『トップガン マーヴェリック』のUKプレミアにやってきたトム・クルーズ

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中でも、5月27日に全米公開された『トップガン マーヴェリック』は米国内だけで7億1670万ドル稼ぎあげ、2022年公開作品の興行成績No.1の座を獲得。世界的には14億8700 万ドルの興行収入を挙げ、ポスト・コロナ時代に10億ドル以上の興行収入を挙げた映画としては、2021年12月に公開された『スパイダーマン:ノー・ウェイ・ホーム』に次ぐ作品となった。

#黒人女性監督の活躍

2022年は黒人女性監督の活躍が目立った年でもあった。その筆頭は9月16日に全米公開された『The Woman King』だろう。同作は、「ブラックパンサー」シリーズに登場する国王親衛隊ドーラ・ミラージュのモデルになったとされるダホメ王国の女性軍団アゴジェたちの活躍を描くアクション史劇で、監督は『オールド・ガード』(2020)のジーナ・プリンス=バイスウッド。英語媒体を中心とした映画評を総括するサイトRotten Tomatoesによると94%の評論家から好意的な評を獲得。興行的にもまずまずの成功を収めた。

画像: ゴッサム・アワードでフィルムメーカー賞を受賞した『The Woman King』のジーナ・プリンス=バイスウッド監督 Photos by Getty Images

ゴッサム・アワードでフィルムメーカー賞を受賞した『The Woman King』のジーナ・プリンス=バイスウッド監督

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同様に高く評価されたのは1955年にミシシッピ州で虐殺された黒人少年エメット・ティルの母親をヒロインにした『Till』で、Rotten Tomatoesのスコアは98%。2019年のアルフレ・ウッダード主演作『Clemency』で注目されたチノナイ・チュクーが監督を務めた。

他にも、監督デビュー作のホラー映画『Nanny』が2022年のサンダンス映画祭でグランプリを受賞したニキャツ・ジュスや、大学のキャンパスを舞台にしたホラー映画『Master』で劇場用長編映画監督デビューを果たしたマリアマ・ディアロ、コメディ『Honk for Jesus. Save Your Soul.』で同様に劇場用長編映画監督デビューしたアダンマ・エボなど、若手の黒人女性監督の作品が次々に公開され、注目を集めた。

ウィル・スミスのビンタ事件とエズラ・ミラーの奇行に世間の注目が集まる

#ウィル・スミスビンタ事件

アメリカの映画賞で最も権威のあるアカデミー賞授賞式も2年ぶりにハリウッドのドルビー・シアターに戻ってきたが、その授賞式で、長編ドキュメンタリー映画賞のプレゼンターを務めていたクリス・ロックがジェイダ・ピンケット・スミスの脱毛症をネタにしたジョークを飛ばしたことに夫のウィル・スミスが激怒。舞台に上がってロックを平手打ちしたうえ、席に戻ってからも放送禁止用語を交えながら「俺の妻の名を口にするな!」と怒鳴るというハプニングが生中継で世界中に放映されてしまった。

画像: オスカー授賞式を騒然とさせたウィル・スミスの“ビンタ事件”だったが非難されたスミスは後に反省の言葉を Photos by Getty Images

オスカー授賞式を騒然とさせたウィル・スミスの“ビンタ事件”だったが非難されたスミスは後に反省の言葉を

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意地悪なジョークで傷ついた妻を守ったとしてスミスを擁護する声もあったが、映画業界人たちを含むアメリカの世論は授賞式の場で暴力をふるったスミスを非難。映画芸術科学アカデミーは、アカデミー賞授賞式を含む全ての行事への参加を10年間禁ずる措置を取り、スミス自身も同協会から脱会する結果となった。

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