現在絶賛公開中の映画『SHE SAID/シー・セッド その名を暴け』。名もなき女性たちを懸命に取材した調査報道に基づき、社会を動かした勇気ある女性たちとジャーナリストの物語を描いた衝撃作。本作にて共演するキャリー・マリガンとゾーイ・カザンにインタビューをうかがいました。10年来の親友である2人。本編では息の合った演技にも注目です。
カバー画像:©Celeste Sloman and Universal Studios. All Rights Reserved.
画像: ©Celeste Sloman and Universal Studios. All Rights Reserved.
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キャリー・マリガン プロフィール(画像左)

出身:イギリス ロンドン/生年月日:1985年5月28日

ウォルデインガム・スクール時代に演技の道へ。『プライドと偏見』(2005)で映画デビュー。ドラマや舞台など幅広く活躍し、『17歳の肖像』(2009)『プロミシング・ヤング・ウーマン』(2020)で二度アカデミー主演女優賞にノミネートされる実力派。性的暴行報道の実話を描く『SHE SAID/シー・セッド その名を暴け』では主役の記者のひとりを演じており、新年初めの注目作だ。

ゾーイ・カザン プロフィール(画像右)

出身:アメリカ合衆国 カリフォルニア/生年月日:1983年9月9日

巨匠エリア・カザン監督の孫にあたる芸能一家。イェール大学で演劇を学び、2006年舞台で女優デビュー。映画界でも多く活躍しており、『ルビー・スパークス』(2012)では主演&脚本も手掛けた。その際共演した俳優ポール・ダノとは長年交際しており、2018年に第一子も出産。新作『SHE SAID/シー・セッド その名を暴け』ではキャリー・マリガンと共に豪華ダブル主演を務める。

(キャリー・マリガン インタビュー)
“ 完全に理解することができない人の頭のなかに入むことは女優として常に楽しいことなの ”

── 本作に参加することになり、どこに魅力を感じましたか?

私は必ずしも語られてきていない歴史の一部を描くことに昔から興味をもっていた。この記事の報道やその後の出来事を思い返した時、ミーガンとジョディの名前が常に中心にあったわけではないと気づいた。だから本作の製作はふたりを称える素晴らしい方法だと思った。彼女たちがしたことはとても大きく、予期しない影響を数多く与えたわ。完全に理解することができない人の頭のなかに入り込むことは女優として常に楽しいことなの。

しかも彼女といったら、見知らぬ人に急に電話をかけたり、玄関ドアをノックしたりして、「あなたに起こった最悪のことを知っている。それについて話してくれるかしら」と言うような人よ。そんなことは特別で並外れた人でないとできない。私にはそんな力は無いけれど、ミーガン・トゥーイーはそれを可能にする何かを持っていた。だから面白い演技対象だと感じたの。

── 本作の製作に臨むにあたり、あなたがゾーイと友達だったことは助けになったと思いますか?

そうだと嬉しいわ。私たちは14年間ずっと友達だったので、本作で共演すると知った時は、まるで宝くじに当たったような気分だったわ。でも同時に、劇中では役の上では最後に仲が良くなるけれど、序盤ではまだ打ち解けていないので、私たちの親密さが少し心配にもなった。だから序盤ではある程度の距離感をつくり、お互いを知らなかった二人が仲良くなっていく様子を見せるようにしたの。

── 被害者の一人と話すシーンで、ミーガンは「被害にあった人に起こったことを変えることはできないけれど、誰かのために何かをすることができるかもしれない」という旨の発言をします。このシーンの意味は?

クイーンズにある家の玄関先で被害者と話すシーンね。それはミーガンの使命感をよく表していると思う。彼女は自分の仕事によって物事を良い方向へ変えられると心から信じている。そしてそれは、声を上げた女性たちの驚くべき勇気もよく表していると思う。報道を前提の取材に応じたかどうかに関わらず、本当に素晴らしい勇気ある行動だった。そして周知のように、それらの行動のバタフライ効果(小さな出来事が予想もしていなかったような大きな出来事につながる現象)は今日の社会に影響を与え、変化をもたらし続けている。

── 女性たちが報道を前提で取材を受けるのは、なぜこんなにも困難なことだったと思いますか?

自分に起こった酷い出来事を話すのは、誰が相手でも難しいことだと思うわ。知らない人や愛情・信頼関係が築かれていない相手に、自分に起こった最悪のことを話すなんて、私には想像できない。長い間、酷い秘密を抱えてきた女性たちがついに話すことを決断するのは、英雄のような行為だわ。そんなことをできる人の気持ちを理解するのは、ほとんど不可能なこと。私がその立場に立たされなかったのは恵まれたことだったけれど、それをやってみせた女性たちには心からの称賛を送りたい。どうやってそんな強さを身につけたのか分からないわ。

── 本作では真実がとても重要であることを教えてくれます。

二人の女性は全幅の自信をもって、大変な努力を重ねたわ。自分たちが書いた一文字一文字が重要であること、そして記事が攻撃や批判にびくともしないほど完璧であることを知っていた二人は、真実を語る個人には物事を変える力があることを証明した。これはジャーナリストのみについての物語ではなく、編集者から被害者、目撃者に至るまで、全ての人々が一丸となり、権力に対して真実を語ったことを描く物語よ。そして全てが変わった。これは素晴らしいことだと思うわ。

画像: (キャリー・マリガン インタビュー) “ 完全に理解することができない人の頭のなかに入むことは女優として常に楽しいことなの ”

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