アクションシーンはまるでダビデとゴリアテの戦い
――脚本を初めて読んだとき、どう思いましたか。
こんなにクレイジーな脚本をこれまでに読んだことがありません。とにかく、すごく面白い。声を出して笑ってしまいました。しかもサンタがどうなるのかを知りたくて、読み始めたら止まらない。どちらかというとアンチ・クリスマス的なクリスマス映画でしたが、そういったところがかえって気に入りました。
――サンタクロース役のデヴィッド・ハーパーと一緒に仕事をしていかがでしたか。
デヴィッドは演技メソッドそのもの。素晴らしい俳優です。撮影が終わると夕食をともにし、よく語り、よく笑ったのですが、現場に入ると真面目にサンタになりきっていました。
しかもとても豊かな才能の持ち主です。僕が彼をクリスマスのイルミネーションで縛って、クリスマスプレゼントの入った袋を火の中に投げ込むと、彼が苦しみのどん底から叫び声を上げるというシーンがあるのですが、「なんて素晴らしい俳優と一緒に仕事をしているんだ」と感じました。
――アクションシーンはデヴィッドと一緒に準備をしたのでしょうか。
3つのパートに分かれていて、覚えなくてはいけない動きが多いパートは50を超えていました。何度かリハーサルして、デヴィッドはすぐに動きを覚えていましたが、僕はその後も一人でリハーサルをするはめに(笑)。体の大きいデヴィッドを打ち負かすために、小柄な僕は少し余計に努力しないといけなかったのです。まるでダビデとゴリアテの戦いのようにね。結局、リハーサルに1ヶ月も掛かりました。
――その成果でしょうか、アクションシーンが素晴らしいですね。撮影中のエピソードがあったら教えてください。
ビヴァリー・ダンジェロを殴るシーンがありましたが、あれは怖かった。ビヴァリーを傷つけてはいけないですからね。ビヴァリーがうまく避けてくれて、本当にほっとしました。
ビヴァリーは本当に素晴らしい女優です。彼女が演じたガートルードは人間的に問題があるかもしれませんが、ゴッドマザーのように君臨する役どころで、それを見事に体現していました。「彼女を殴ったら、観客は僕のことを嫌いになるのでは」と心配になったほどです。いろいろな意味で難しいアクションシーンでした。
――悪役を演じる際に心がけていることはありますか。
愚か者だったり、マヌケだったりすると、悪役に対する畏怖の念が薄れてしまう。悪役は常に脅威の存在であり続けることが大事。今回はスクルージーが知的なウィットに富んでいる人物として敬意を抱かせるようにしながら、危うい感じを保つようにしていました。そのうえで滑稽な人間にもしたい。微妙な塩梅を探りながらスクルージーを演じていました。
――最後に、この映画を楽しみにしている日本の観客に一言お願いします。
日本のファンのみなさんがこの映画を楽しんでくださることを願っています。脚本を読んだときの僕のように、ぜひ大笑いしてくれればと思います。そして、僕はサンタを殺そうとしますが、許しくださいね。
映画『バイオレント・ナイト』2023年2月3日(金)より、全国ロードショー!
<STORY>
物欲主義の子供たちに嫌気がさして久しく、少しばかりお疲れ気味のサンタクロース(デヴィッド・ハーバー)は、体に鞭を打ち、良い子にプレゼントを届けるため、トナカイが引くソリでクリスマスイブの空を駆け回っていた。とある富豪ファミリーが盛大にクリスマスパーティーを開く豪邸に降り立ち、煙突から部屋に入ったサンタが偶然鉢合わせたのは、金庫にある3億ドルの現金を強奪するため潜入したスクルージー率いる武装軍団だった。その場を見なかったことにして立ち去ろうとするサンタだったが、すぐさま大騒動に巻き込まれてしまう。サンタはクリスマスプレゼントを届ける能力は備わっていたものの、戦闘能力はゼロだった。ましてや相手は武装軍団。多勢に無勢の大ピンチを孤軍奮闘切り抜け、無事子供たちにプレゼントを届けることができるのか!?
『バイオレント・ナイト』
2023年2月3日(金)より、全国ロードショー!
出演:デヴィッド・ハーバー(サンクロース)、ジョン・レグイザモ(スクルージー)、
アレックス・ハッセル(ジェイソン)、アレクシス・ラウダー(リンダ)、
ビヴァリー・ダンジェロ(ガートルード)
監督:トミー・ウィルコラ
脚本:パトリック・ケイシー&ジョシュ・ミラー
音楽:ドミニク・ルイス
原題:Violent Night
配給:東宝東和
© 2022 Universal Studios. All Rights Reserved.
公式サイト:http://www.universalpictures.jp/micro/violentnight