観る者の心を掴んで離さ斉ないM・ナイト・シャマラン監督の新作『ノック 終末の訪問者』がついに登場! 今作で監督が私たちにつきつける、人生におけるあまりにも急で恐ろしい“究極の選択”の行方は…?(文・斉藤博昭/デジタル編集・スクリーン編集部)

M・ナイト・シャマラン監督の新作『ノック 終末の訪問者』

毎回、奇抜なアイデア&設定で、観客を未知の領域に引きずり込んでくれる。M・ナイト・シャマラン監督が、またしてもそんな期待に応える新作を完成させた。長編監督作としては、これが15本目。

『シックス・センス』(1999)『サイン』(2002)など、最後の最後まで緊張感を保ち、まったく結末の予想がつかず、さらに思わぬ感動も用意するという“シャマラン・ワールド”の魅力が、今回も全面に発揮されている。全米でベストセラーになった原作はあるものの、シャマランが独自のセンスで脚色。超スリリングな展開に一瞬たりとも目が離せない。

今回のテーマは、世界の終末。森の中の小屋で休暇を過ごす3人の家族の前に、謎めいた4人組が現れ、信じがたい要求を突きつけてくる。家族3人の誰かの命を犠牲にすれば、世界の終末を止められる……。もちろんそんな突然の要求に応じられるわけはない。3人の家族は必死に抵抗するが、対する4人は過激な攻撃も仕掛け、有無を言わせない状況へ導いていく。さらに世界が本当に終末へ向かっているようなニュースも流れ始めた。このまま愛する者との生活を守るか。それとも自己犠牲で人類の未来を変えるのか。究極の選択を迫られた家族が下す決断とは?

ストーリー自体も斬新だが、この『ノック 終末の訪問者』がユニークなのは、ターゲットとなる家族の設定。ゲイのカップルと養女という3人に、人類の未来が託される。しかもカップルを演じる2人の俳優、ジョナサン・グロフとベン・オルドリッジは、ともにゲイであることをカムアウトしており、キャスティングへのこだわりも完璧だ。彼らのリアルな演技によって、われわれ観客も究極の選択を体感せずにはいられない。

そして訪問者4人の“ありえない”要求も、シャマランならではの衝撃シーンによって説得力が与えられるし、地球の終末を予感させる映像も盛り込まれ、後半にかけて驚きとショックは加速するばかり。そしてもちろん、観ていない人には絶対にネタバレできないラストへ到達!

ポイント1:謎に包まれる訪問者の豊かなキャスト陣

訪問者4人のリーダー格レナードは『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』(2014)のドラックス役でおなじみのデイヴ・バウティスタ。最強プロレスラーとしての肉体も武器に家族を追い詰める。「ハリポタ」のロン役からガラリとイメージを変えたルパート・グリントは、4人の中でいちばん危険な香りを漂わせるレドモンド役で怪演を披露。

さらに看護師だというサブリナ役のニキ・アムカ=バード(『オールド』(2021)に続きシャマラン作品に出演)と、コックのエイドリアン役、アビー・クインは、侵入者なのにどこか“いい人”のムードで、強いインパクトを残している。

ポイント2:M・ナイト・シャマランを探せ!

シャマラン映画の楽しみは、監督自身の出演シーンを発見すること。これは、かつて自作に一瞬だけカメオ出演していたアルフレッド・ヒッチコック監督と同じパターン。ただし、『ヴィジット』(2015)では出演を断念したし、『ハプニング』(2008)では電話の声のみだったりと、見つけるのが難しいケースもある。前作『オールド』ではホテルのドライバーという、わかりやすい役だった。毎回、どんな役なのか期待させ、登場シーンがけっこう笑えたりも。さて今回は!?

『ノック 終末の訪問者』
2023年4月7日(金)公開
アメリカ/2023/1時間41分/東宝東和
監督:M・ナイト・シャマラン
出演:デイヴ・バウティスタ、ジョナサン・グロフ、ベン・オルドリッジ、クリステン・ツイ、ルパート・グリント

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