「ハムナプトラ」シリーズなどでトップスターに昇りつめながらも、長らくハリウッドの表舞台から遠ざかっていた俳優のブレンダン・フレイザー。そんな彼がタッグを組んだのは、『ブラック・スワン』などで知られるダーレン・アロノフスキー監督。
新作『ザ・ホエール』で主演を務め、第95回アカデミー賞では主演男優賞を受賞するなど奇跡的なカムバックを遂げた。
今回、プロモーションのため15年ぶりに来日したブレンダンのインタビューが実現。取材部屋に現れた彼は柔らかい笑顔で「ハロー」と挨拶し、取材中は時おり繊細な瞳を覗かせながら、穏やかで丁寧に受け答えをしていたのが印象的だった。ブレンダンが語る作品への想いや撮影エピソードをお楽しみください。(取材・文/奥村百恵)

“自分がやったことが報われたと思った”

ーー劇中でチャーリーがオンライン文章講座を受講している学生に対してメッセージを伝えるシーンがありましたが、 いま希望を持って何かに取り組んでいる若者たちにブレンダンさんからメッセージを届けるとしたらどんな言葉を贈りますか?

「とにかく“勇気を持って行動して!”と伝えたいです。生きていれば大変なことがたくさんありますが、目の前にある壁が何なのかを把握できれば、それを乗り越えられると思うんです。僕の場合は役者としていい結果を残すために戦略を練り、あとは目的を達成するために精一杯やれることをやるのみ。立ち止まらずに勇気を持って行動すれば、いつか道が開けていくのではないかなと思います。僕自身も若かりし頃に先輩からそういったアドバイスをもらったのですが、それが非常に役に立ちました。だから同じ言葉をいまの若い人たちに贈りたいです」

画像: “自分がやったことが報われたと思った”

ーー最後に、本作を通して改めて気づいたことがあれば教えていただけますか。

「映画というものは、悟りを得ることができたり、単純に娯楽として楽しませてくれたり、あるいはその両方を感じることができるような素晴らしいものだと今回改めて思いました。だからこそ、この仕事に喜びを感じ続けています。

本作に参加するにあたり、OAC(The Obesity Action Coalition)という肥満症と闘う人々や、その家族を支援するグループにもリサーチを行ったのですが、そのメンバーの方が『この作品は誰かの命を救う力があると私は信じています』というメッセージをくださったんです。その言葉を聞いた瞬間に、自分がやったことが報われたと思いました。

もちろんオスカーを獲れたのは嬉しかったのですが、誰かの運命を変えるかもしれない素晴らしい作品に出会えたことが、僕にとって大きな意味をもたらしました。改めて俳優という仕事が大好きになったので、これからも続けていきたいです」

『ザ・ホエール』
TOHOシネマズ シャンテ他にて全国公開中
配給:キノフィルムズ
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