ジョン・カーペンター監督がホラー映画史に多大な影響を与えた『ハロウィン』(78年)。その正当な続編となるデヴィッド・ゴードン・グリーン監督の『ハロウィン』(18年)は、シリーズ最高の興行収入を記録。その続編『ハロウィン KILLS』(21年)を経て、ついに4月14日に新三部作の完結編『ハロウィン THE END』が公開される。今回、シリーズを大ヒットに導いたデヴィッド監督の単独リモートインタビューが実現。作品への思いやカーペンター監督とのエピソードなどを語ってくれた。(取材・文/奥村百恵)

“「邪悪さ」が人間の形になったのがマイケル・マイヤーズ”

――『ハロウィン』といえばマイケル・マイヤーズですが、彼は“殺す動機がわからない”“言葉を発しない”など不気味な特徴を持った冷酷な殺人鬼ですよね。一方で、マイケルのようなキャラクターに魅力を感じる人も多いと思います。監督にとってマイケル・マイヤーズはどのような存在ですか。

「僕にとっては“ジョーズ”のような存在です。とはいえ彼は人間なので、“なぜ人を殺すのか?”という動機を探してしまいますよね。だけど彼には動機がない。おそらく“邪悪さ”が人間の形になったのがマイケル・マイヤーズなのではないかと思います」

画像: “「邪悪さ」が人間の形になったのがマイケル・マイヤーズ”

ーーそう考えると、マイケルに限らず邪悪な魂を持った存在があらゆるところに潜んでいるという映画が今後作られてもおかしくはないですよね。

「そう思います。『ハロウィン』シリーズのいちファンとして個人的に観てみたいと思っているのは、 マイケル・マイヤーズに遭遇した人や間接的に彼のことを知った人、つまり何かしらの形で影響を受けた人々がどうなっていくのかという物語。『ハロウィン THE END』ではローハン・キャンベル演じるコーリーというキャラクターが、マイケルに影響を受けて変わっていきますが、他にもマイケルの邪悪さに触れた人たちが大勢いるので、いつかまたこのシリーズが復活したら面白いんじゃないかなと思います」

ーー『ハロウィン THE END』ではウィル・パットン演じる保安官のフランクが、ジェイミー・リー・カーティス演じるローリーを「日本の桜を見に行こう」と誘っていましたが、もしマイケルがそのことを知っていたら……。

「フランクとローリーには日本での花見デートを楽しんでもらいたいですが、その時は日本の皆さん、気をつけてください(笑)」

ーー話は変わりますが、監督は俳優として『ボーンズ アンド オール』に出演されていました。ルカ・グァダニーノ監督とホラー映画についてお話しされることはありましたか?

「ええ、何度も話したことがあります。いま、僕の自宅でこのインタビューを受けているのですが、後ろの壁に飾ってあるルカ版『サスペリア』のポスター見えますか? ルカ監督とは昔から友達で、ホラー映画の趣味も合うのでよくそういう話をして盛り上がるんです。そしたらある日、『ボーンズ アンド オール』の脚本が届いて。あれだけホラー映画の話をしておいて「出演しない」なんて言えないですよね(笑)」

ーー最後に、監督ご自身が最も怖いと思うホラー映画を教えていただけますか。

「ホラー映画というジャンルではありませんが、ダム建設によって消えてしまう前に川下りをしようと渓谷に来た4人の男たちに恐怖が襲いかかるサスペンス映画『脱出』(72年)は怖かったです。中でもビル・マッキニー演じるキャラクターには震えましたね。あともう一つ『ストレンジャー・コール』(06年)も大好きなホラー映画です」

画像: 4/14(金)公開『ハロウィン THE END』本予告 www.youtube.com

4/14(金)公開『ハロウィン THE END』本予告

www.youtube.com

『ハロウィン THE END』
配給:パルコ ユニバーサル映画
2023年4月14日(金)、TOHOシネマズ 日比谷、渋谷シネクイントほか全国公開
©2022 UNIVERSAL STUDIOS

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