急にメタルがかかる!?ダリオ・アルジェントの魅力的な劇伴
劇伴について大槻さんは「音楽もちょっと懐かしい感じ。アルジェントの映画はゴブリンとか『インフェルノ』ではキース・エマーソンがやったりとか、今だとどうかなという感じだけど、何周かして良い味だなーって」と語る。それに対し高橋さんは「映画音楽にも流行り廃りがあって、もうそろそろ収まってきたと思いますけど、一時はドンドコドンドコドンドコドンドコドコドコドコーという感じのを15年くらい続いていたんですけど、今回のようなものを聞くと、あぁほっこりと落ち着ける感じがありますよね」と劇伴にもほっこり感を感じると語る。ホラー映画と音楽について大槻さんは「僕の印象では『デモンズ』くらいからドンドコドンドコとメタルがかかり始めてきた記憶があるんですよね。『フェノミナ』で虫か何かを見つけるシーンで、意味なくメタルがかかるっていうのがすごいツボで」とホラー映画における劇伴の傾向を語った。
高橋さんは「『オペラ座/血の喝采』も殺しのシーンになるといきなりメタルがかかるんですよね。で、この作品はLPで2枚アルバムが出てるんですけど、片っぽはオペラの曲しか入っていなくて、片っぽはメタルのみというちょっとよく分からないんですよね」とちょっぴり不思議エピソードを話した。続けて大槻さんは、「僕はメタルっぽい音楽をやってるんですけど、ホラー映画でメタルがかかるのが基本嫌いで、合ってない!と思っちゃう。特に歌が乗ってると、どうせくだらねぇこと歌ってるんだろうなって。大筋でいうと蝋人形の館みたいな歌詞なんだろうなって思う。いや、蝋人形の館はいい曲ですよ。」と笑いを交えながらホラー映画のメタル仕様について自論を展開した。それに対し高橋さんは、「メタルとホラー映画の関係は80年代からあって、『13日の金曜日 PART8 ジェイソンN.Y.へ』で、船でニューヨークに行くんですけど、船の中のディスコルームでメタルが爆音でかかってるっていう。意味がわからないですよね、ディスコルームなのに」と、ホラー映画とメタルの不思議な関係性について語ると、大槻さんも「いい話ですね」と笑いながら返し会場は笑いに包まれた。
高橋ヨシキさんが訪れたアルジェントにまつわるホラーショップのお話
大槻さんが「そういえば、高橋さんはローマでアルジェントのホラーショップに行ったんですよね?」とアルジェントにまつわる高橋さんのエピソード伺うと、「“Profondo Rosso“という『サスペリアPART2』の原題が店名のホラーショップがあって。本とかホラーマスクとかが売ってます。ルイジ・コッツィという『スタークラッシュ』の監督が店番をしてますね。で、その地下には”アルジェントお化け屋敷“みたいのがあって、2、3ユーロ渡すとルイジ・コッツィがテープをかけてくれて、英語か何かで怖いこと言って、赤と緑の照明の中でアルジェントの映画のパチモノとか牢屋みたいなのがあって」と語り、それを聞いた大槻さんが「昔の東京タワー蝋人形館みたいな!かなりいいですね」と合いの手を返し「そうそう!それに近いですね!」とアルジェントお化け屋敷の雰囲気が伝わる会話を展開。「「明日アルジェント来るんだけど来たらいいじゃん!」とルイジ・コッツィに言われたけど、明日朝一の飛行機で帰るから残念ですって伝えたけど、それが1番アルジェントに近づいた日でした。」とアルジェントファンにはたまらないエピソードも教えてくれた。