MCUの在り方を変えたシリーズがいよいよフィナーレを迎える!
いまやマーベル・シネマティック・ユニバース(MCU)の中でもトップクラスの人気を誇る「ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー(以降、ガーディアンズ)」シリーズ。けれど映画化が発表された当時、実は多くのアメコミ・ファンが「?」と思ったのではないでしょうか。
というのもアイアンマン、アベンジャーズ等と比べ決して有名なヒーローたちではなかったからです。しかも、喋るアライグマに樹木のような巨人など、かなりぶっとんだキャラ構成。
その上それまで比較的低予算のSF・ホラー映画で人気を博していたジェームズ・ガン監督をいきなり200億円の超大作の監督に抜擢! 舞台も地球から離れ「宇宙」とそれまでの路線とは大きく異なります。ガーディアンズの映画化はMCUにとって大きなチャレンジでした。
以前、ピーター・クイル役のクリス・プラット氏に直接話をする機会があったのですが「他のメジャーなヒーローと違って、こうあるべきというイメージやお手本が無い。逆に言えば僕らが演じるガーディアンズ像が試金石になってしまう」と語っていました。
けれど「ジェームズ・ガン監督が素晴らしい脚本を書いてくれたので、それを手がかりに僕らなりにこのヒーローたちに命を吹き込みました」と。そう、ガーディアンズはまさにクリス氏らのキャストとガン監督が作り上げたと言っても過言ではない。
本作の成功は「①あまり知名度がないキャラクターでも面白い映画を作ることができる ②ガン監督のような個性派の監督をMCUは受け入れる ③MCUの世界が宇宙にまで広がった」とその後のMCUの在り方に大きな影響を与えました。
そのガーディアンズがいよいよフィナーレ。ガン監督自ら現在のメンバーによる最後の物語になると明言しています。一体どんな物語になるのでしょうか?
明かされるロケットの過去! 2人のヴィランに要注目
本作の特長はロケットのオリジン(誕生秘話)が描かれることです。過去2作はピーターの物語でした。ガン監督曰く「1作目の監獄シーンでロケットの背中に何らかの手術を受けたような痕跡がある。これがロケットの哀しい過去につながっている。それを描く」と。
ハイ・エボリューショナリー
(チュクーディ・イウジ)
ロケットを改造した張本人。銀河を“完璧な世界”に作り替えようとしている。
今回のメイン・ヴィランは、〝完璧な種〞を生み出すことに取り憑かれ狂気の実験を繰り返す科学者ハイ・エボリューショナリー。動物を改造し半獣半人を作り上げ、ロケットもその中の一匹(一人)です。2作目でピーターが自分の父親と戦ったように、今度はロケットが〝生みの親〞と戦うのか?
そして彼にはカワウソから改造されたライラという心の友がいたのです。ロケットとライラの運命は?なお、このライラの声を誰が演じるのかはまだ伏せられておりファンの間で話題になっています。
アダム・ウォーロック
(ウィル・ポールター)
アイーシャが復讐のために生み出した黄金に輝く男。能力は未知数。
もう一人注目すべきヴィランはアダム・ウォーロックです。ガーディアンズを憎む黄金のソヴリン人のアイーシャ(第2作に登場)が放つ驚異の人造人間。怪力や飛行能力でガーディアンズを襲います。前作のエンド・クレジットでその存在が示唆されていました。
コミックではサノスとのインフィニティ・ガントレットの戦いに絡んだりと、マーベルの中でも最強クラスの宇宙超人。ヒーローとして活躍することもあります。映画ではその設定を変えての登場ですが、今後のMCUでの活躍も期待できます。
演じるのは『ミッドサマー』(2019)のウィル・ポールター。このシリーズの魅力であるノリとユーモアは継承しつつ、新キャラたちが登場し、さらにスケールアップしたガーディアンズの最後の冒険となりそう。ただ忘れてはならないのは、ガーディアンズは楽しいだけのお話ではなく、とてもエモーショナルな家族の物語ということです。
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『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー:VOLUME 3』
2023年5月3日(水・祝)公開
2023/アメリカ/配給:ウォルト・ディズニー・ジャパン
監督:ジェームズ・ガン
出演:クリス・プラット、ゾーイ・サルダナ、デイヴ・バウティスタ、カレン・ギラン、ポム・クレメンティエフ、ヴィン・ディーゼル、ブラッドリー・クーパー
©Marvel Studios 2023