大女優イザベラ・ロッセリーニが貝の声を演じる!
今回届いたメイキング映像は、靴を履いた小さな貝・マルセルを支える祖母・コニーを特集した内容となる。
不慮の事故で家族と離れ離れになってしまったマルセルは、唯一一緒にいた祖母のコニーとふたり暮らし。そして、実際に放映されているアメリカのTV局・CBSの番組「60ミニッツ」を、コニーと一緒に見るのが日課なのだが、本作には実際に番組のキャスターを務めるレスリー・スタールが、本人役で出演を果たしている。映像冒頭でレスリーは本作の見どころについて、「わたしが特に好きなのは、マルセルとコニーの関係よ。」とコメントし、「孫のいる女性たちにたくさんインタビューをしたけど、みんなマルセルとコニーのような関係を築きたいのに、多くの人がそのチャンスに恵まれないの」と、コニーとマルセルを理想の祖母・孫の関係だと語る。
続けて、マルセルの声を務めたジェニー・スレイトが、祖母・コニーのキャラクターについて、「わたしの祖母とディーン(監督)の祖母をあわせたような存在だと思う。コニーは、わたしたちふたりの人生のなかで、本当に特別で大切な女性を組み合わせてできた人物なの」とコメントをする。映像には、埃まみれのテーブルでスケートをしてはしゃぐマルセルを優しい眼差しで見守る場面など、コニーのあたたかいキャラクタ―像が伝わる数々のシーンが映し出される。
そんな祖母・コニーの声は、デビッド・リンチ監督の映画『ブルーベルベット』(1987)で、ハリウッドスターの仲間入りを果たし、『永遠に美しく…』(1992)、『不滅の恋/ベートーヴェン』(1994)など、数多くのヒット作に出演し、さらには15年あまりの間ランコムのイメージモデルを務めた事でも有名な大女優・イザベラ・ロッセリーニが担当している。メイキング映像では、アフレコ収録風景の一部が映し出され、ジェニー・スレイトは、「イザベラはとても変わった姿で現場にやってきたの。ランコムのイメージモデルが、ヘッドバンドにマイクをくっつけてるみたいな感じ。」と、可笑し気に撮影を振り返る。また、「(イザベラ・ロッセリーニが)たくさん質問をしてくれてうれしかった。積極的に(作品のことを)知ろうとしていた」と、演技に情熱を注いでくれたと舞台裏を明かす。ジェニーは「イザベラはわたしたちに寄り添ってくれた。作品をみればそれがわかるし、イザベラの演じたコニーの声からも感じることができるはず」と締めくくるが、彼女が本作において圧倒的な存在感を放っていたことは、これらのコメントから十分に伝わってくる。
本作において自ら出演、脚本、監督を務めたディーン・フライシャー・キャンプ監督は、イザベラ・ロッセリーニの起用理由についてこう語る。「コニー役はどうしてもイザベラにやってもらいたいと思っていた。彼女には静かなエネルギーがある。船を安定させるために船底に積む重しみたいな感じ。佇まいや口調から伝わってくるんだ。でも、イザベラはそういう落ち着いた雰囲気以上のもの――自身の数々の経験や素晴らしい好奇心をこの作品に授けてくれた。」と、彼女を心から尊敬し、信頼を寄せていることが伺える。
本作では、祖母・コニーの影響を受けながら、マルセルが成長していく様子が描かれるが、“お婆ちゃんの知恵袋”の様な彼女のあたたかい言葉に、我々人間も幾度となく心が救われるはず。
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