レギュラー陣とシリーズ初参加の豪華キャストたちが見事なアンサンブルを奏でる『ミッション:インポッシブル/デッドレコニング PART ONE』(公開中)。主人公イーサン・ハントのチームメンバーであり、今やシリーズに欠かせない相棒となったベンジー・ダンを演じるサイモン・ペッグに、本作の制作裏話やトム・クルーズとの共演の感想などについて語ってもらいました。

──『ミッション:インポッシブル/デッドレコニング PART ONE』を作ることは、あなた個人にとってどのような冒険だったのでしょうか?

あらゆる困難を乗り越えた、素晴らしい冒険でした。世界的なパンデミックもあったし、あらゆることが僕たちを翻弄した。しかし、この映画が素晴らしいのは、逆境をいかに克服するかということです。トム(クルーズ)は、危機をチャンスに変える王者。何か問題が起こるたびに、彼は必ず映画のためになるように仕向ける。『ミッション:インポッシブル/フォールアウト』では、トムが(ビルからビルへ飛び移るのに)足首を骨折したとき、映画のエンディングを完成させるための余裕ができたので、ある意味、救われたようなものです。この作品の撮影は、2020年にノルウェーでスタートしました。3週間ほどノルウェーに滞在したのですが、天候が悪くて1コマも撮影できませんでした。その後、ローマとヴェネツィアに行きました。ヴェネツィアは、僕たちが行ったときは人けのない状態でした。これは、見るにも撮影するにも素晴らしいことではありましたが、同時に、現実的な問題をいろいろともたらしました。本当に大変なことでしたが、そのような状況でも、僕たちは成功することができました。そして、昨年から正式に次回作の撮影を開始しました。南アフリカに行き、北極に行ったばかりですが、これはまさに冒険でした。気温マイナス35度、北極点から600マイル離れた場所で、ホッキョクグマのために止まって撮影していました。

画像: サイモン・ペッグが明かす『ミッション:インポッシブル/デッドレコニング PART ONE』の舞台裏とトム・クルーズの素顔

── トムとあなたは仲が良いですよね。あなたは友人として、彼が行うスタントに反対したことはありますか?

面白いことに、僕とレベッカ(ファーガソン)が『ミッション:インポッシブル/フォールアウト』の撮影でニュージーランドにいたとき、トムがヘリコプターのシーンの撮影に出かけたので、彼にバイバイしたのを覚えています。ちょっとだけ、「じゃあ、もしかしたら…」みたいな感じで別れを惜しんでいたような気がする(笑)。でも、彼に(スタントに反対するようなことを)言ってはいけないんです。彼は聞く耳をもたないし、突然、「ああ、わかった、いや、それはやらない」とはならないですよ。なぜなら、彼は映画のことを第一に考えているからです。彼の最優先事項は、観客に最も本格的で素晴らしい体験を提供することです。彼は純粋にそのために人生を捧げている。しかし、その反面、僕たちが何かをすることになると、彼は信じられないほど「ぎこちない」んです。僕たちが何かをしなければならないとき、たとえそれが彼のやっていることに比べればまったく無害なことであっても、彼は心配するのです。『ミッション:インポッシブル/ローグ・ネイション』で僕は戦闘シーンがありました。ロバートというスタントマンが、僕を壁に投げつけなければなりませんでした。その最中、トムはモニターの周りで「ちょっとやりすぎだよ」って言いながら、カリカリしていましたよ(笑)。僕たちが何かをしなければならないとき、トムは僕たち全員にとても母性的なんです。正直言って、僕らが目にしなければならないトムのスタントのことを考えれば、おかしなことですけれどね!

── 前作『~フォールアウト』は、批評的にも商業的にもシリーズで最も成功した作品でした。そのプレッシャーにどう対処してきたのでしょうか?

外からのプレッシャーというよりは、我々自らによる自らへのプレッシャーしかありません。いかにしてこの作品を進化させ、満足することなく、進化し続けられるのか、ということです。僕たちは、「ああ、これはうまくいった。また同じことをしよう」とは思いません。トムとマックQ(クリストファー・マッカリー監督)のコラボレーションは、非常に研究熱心でユニークなものです。彼らは常に、緊張感を高め、レベルアップする方法を探しているのです。『ミッション:インポッシブル/ゴースト・プロトコル』のプレスツアーでのインタビューで「どうやったらこれを超えることができるのかわからない」と言ったのを覚えています。それは本気だったんです。そして、その次の作品では、トムが飛行機からぶら下がり、その次の作品では、ヘリコプターのコントロールを失った! 毎回なんとかやり遂げるんです。そして今回もまた、それをやってのけたのです。

『ミッション:インポッシブル/デッドレコニング PART ONE』
全国公開中
配給:東和ピクチャーズ
©2023 PARAMOUNT PICTURES.

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