2022年ノルウェーのアカデミー賞アマンダ賞で、監督・撮影・音響・編集の4部門受賞。世界の映画祭で16映画賞を受賞し、アメリカの批評家サイトRottenTomatoesでは満足度96%を獲得。ジャンル映画ながらそのクオリティの高さを、世界が認め絶賛した北欧サイキック・スリラー『イノセンツ』。舞台はノルウェー郊外の住宅団地。夏休みに友達になった4人の子供たちは、親たちの目の届かないところで隠れた力に目覚める。近所の庭や遊び場で、新しい力を試す中で、無邪気な遊びが影を落とし、奇妙なことが起こりはじめるのだった。監督を務めたのは、『わたしは最悪。』でアカデミー賞脚本賞にノミネートされたエスキル・フォクト。ヨアキム・トリアー監督の右腕として、『母の残像』『テルマ』『わたしは最悪。』の共同脚本を共に手がけてきた。本作はフォクト監督の長編二作目で、日本劇場初公開の監督作品となる。団地を舞台に子どもがサイキック・バトルを繰り広げると言えば、大友克洋の「童夢」を想起する人も多いはずだが、まさにフォクト監督は「童夢」からインスピレーションを受けて本作を創り上げた。
本作の日本版ビジュアルを手がけたのは、これまで、『わたしは最悪。』『グリーンナイト』『別れる決心』『逆転のトライアングル』など、見たものに大きな印象インパクトを残すデザインを施してきた石井勇一。『イノセンツ』では、本国版のビジュアルを踏襲しつつも日本オリジナル版のポスターを制作。手掛けるにあたり、注意したのは“大人らしくしない”ということ。石井は「大人からすれば理解を超越した恐怖を感じると同時に、子供たちが見えている何にもとらわれない世界とはこういうものだろうと所見では実は微笑ましく思ってしまった。そのアンバランスさの印象を大事に合わせたタイトル周りも、無垢な子供たちのあどけなさを通して描かれる緊迫感の入れ混じるニュアンスで仕立てつつ、下に重くなりがちなポスター要素を可能な限り上位置に配することで、重力が反転して浮いたような軽さを全体に与えました。また、キャッチコピーなどにも違和感を入れたり、パステルの色合いも団地の夕暮れを意識しています。同様にチラシ裏面でも、反転されたキャラクタービジュアルの上に縦横無尽な方向で読むことの出来る遊び心のあるレイアウトにしています。」と工夫と創意、その事実を明かした。
続いて劇場パンフレットは、ビジュアルイメージから展開したコンセプトを踏襲。「表紙は鎖をタイトルに見立てたシルエットで本作をミニマムに表現していて、裏を返す事でブランコの延長である事がわかります。中を開くと表紙同様に上に飛ばされる概念を全体の文字組みで意識しつつ、上下に渡る細長で読み辛い紙面により全体の緊張感を強めました。また、全面背景にはシルバー色を敷きつつ、薄くトリミングした写真要素をネガポジ反転した2階調表現を重ねる事で更なる不穏さを与えています。本文ノド側にもキーカラーである淡い色の光が差し込む様に入っており後半にかけて色合いも変化させていたりと、全体の各視覚的違和感を無意識に与える事で、本作を体感できる様なパンフレットデザインを意識しました。」と実際の制作者ならではの視点で語った。
日本版ポスター、劇場パンフレットともに、劇場とロングライドオンラインストアにて7/28(金)〜販売開始。詳細は以下にて。
●日本版B2ポスター 1,100円(税込)
●劇場パンフレット 900円(税込)、B5変型、全32P
●販売劇場(14館 7/28現在)
新宿ピカデリー
TOHOシネマズ 日本橋
T・ジョイ PRINCE 品川
WHITE CINE QUINTO
シネ・リーブル池袋
ユナイテッド・シネマとしまえん
ユナイテッド・シネマ豊洲
アップリンク吉祥寺
横浜ブルク13
ミッドランドスクエア シネマ
シネ・リーブル神戸
広島バルト11
T・ジョイ 博多
札幌シネマフロンティア
『イノセンツ』
7月28日(金)新宿ピカデリーほか全国公開
配給:ロングライド
© 2021 MER FILM, ZENTROPA SWEDEN, SNOWGLOBE, BUFO, LOGICAL PICTURES