“水の都”ベネチアで起きた超常現象の謎に挑む“灰色の脳細胞”ポアロ
長年に渡って多くのミステリー・ファンに愛されるアガサ・クリスティーの原作を、英国の名優にして名監督であるケネス・ブラナーが主演・監督で映画化する名探偵エルキュール・ポアロ・シリーズの第3弾。
2017年の『オリエント急行殺人事件』、2022年の『ナイル殺人事件』に続いて、今回映画化される原作となったのは、クリスティーが1969年に発表した「ハロウィーン・パーティ」で、これが初めての長編映画化となる。
この原作の舞台を英国から第2次世界大戦後の水の都=ベネチアに移し、第一線から退いて流浪の生活を送るポアロの姿が描かれる。そんなポアロを待っていたのは超常現象的な謎だった!
ある降霊会に集まった様々な人々を巻き込む怪現象の真実を、引退の時を迎えたポアロは解き明かすことができるのか?
ポアロ役はこれで3度目となるブラナーを囲んで、『エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス』(2022)でアカデミー賞主演女優賞を受賞したばかりのミシェル・ヨーはじめ、ブラナーがオスカー脚本賞を受賞した『ベルファスト』(2021)で親子役を演じたジェイミー・ドーナンとジュード・ヒル、『あなたを見送る7日間』(2014)のティナ・フェイ、『3つの鍵』(2021)のリカルド・スカマルチョ、『シャーロック・ホームズ』のケリー・ライリー、『ハウス・オブ・グッチ』(2021)のカミーユ・コッタン、『ウエスト・サイド・ストーリー』(2022)のカイル・アレンら国際的なキャストが共演する。
脚本は前2作に続いてマイケル・グリーンが担当。
あらすじ
1947年、イタリアの古都ベネチアに名探偵エルキュール・ポアロ(ブラナー)の姿があった。彼はここで現役を退きかつての信念を失ったような日々を送っていたが、そんな彼に作家のアリアドニ・オリヴァ(フェイ)が声をかけてきた。
本の執筆のため謎を追い求めていた彼女はポアロをある孤児院で行われるという降霊会に誘う。それは霊能者のレイノルズ夫人(ヨー)がハロウィーンの夜に行うもので、ポアロは乗り気でなかったが、その誘いを断れなかった。
いかにもいわくありげな孤児院では、ロウィーナ・ドレイク(ライリー)が主催する米兵のパーティーが行われた後、レイノルズ夫人の降霊会が開かれた。
だがこの会に参加した人々は徐々に荒れてくる天候によって、まるで邸に閉じ込められるような形になり、やがて来賓のうち、ある一人が殺害される!
ポアロは否応なく邪悪な世界に足を踏み入れてしまった。長い一夜が始まり、超常現象のような奇怪な出来事が起きる中、果たしてその謎をポアロの“灰色の脳細胞”は解くことができるのか?
登場人物
エルキュール・ ポアロ(ケネス・ブラナー)
数々の難事件を鋭い推理力で解決してきた名探偵。
レイノルズ夫人(ミシェル・ヨー)
降霊会を行う謎めいた霊能者。その正体は?
アリアドニ・オリヴァ(ティナ・フェイ)
ポアロと旧知の作家で、彼を降霊会に招く。
気になるキーワード
ベネチア
今回舞台となる古都ベネチアはイタリアが誇る観光地の一つで、有名なサン・マルコ広場、サン・マルコ寺院、カナル・グランデ、ドゥカーレ宮殿などの名所が過去の名作映画にもたびたび登場する。
古くは『旅情』(1955)『ベニスに死す』(1971)『リトル・ロマンス』(1979)などから、近年でも『007/カジノ・ロワイヤル』(2006)『インフェルノ』(2016)などベネチアを背景にしたヒット作は枚挙にいとまがない。本作でも冒頭から水の都の魅力が満喫できそうだ。
原作「ハロウィーン・パーティ」
今回の作品の基となったアガサ・クリスティーの原作は、1969年に発表された「ハロウィーン・パーティ」。ポアロ・シリーズとしては後期の作品で長編映画になるのは初めて。
原作では推理作家のオリヴァ夫人が招待されたハロウィーン・パーティで、「殺人を目撃したことがある」と発言した人物が、パーティの後で殺されているのが発見される。夫人は知り合いの探偵ポアロにこの殺人事件の真相究明を依頼するが……というもの。
降霊会
あるいは交霊会とも。霊媒者を介し、または一つのテーブルを複数人が取り囲むことで死者とコミュニケーションを図るセッション。
過去にもミステリーの『雨の午後の降霊祭』(1964”水の都“ベネチアで起きた超常現象の謎に挑む”灰色の脳細胞“ポアロ『名探偵ポアロ:ベネチアの亡霊』)、ホラーの「インシディアス」シリーズ、ドラマの「プラネタリウム」など様々な形で映画に描かれてきたが、本作ではミシェル・ヨー演じる霊能者が、ポアロたち降霊会の参加者の前で異様な超常現象を引き起こす?
果たしてその陰には何が隠されているのか注目。
『名探偵ポアロ:ベネチアの亡霊』
2023年9月15日(金)公開
アメリカ/2023/配給:ウォルト・ディズニー・ジャパン
監督:ケネス・ブラナー
出演:ケネス・ブラナー、ミシェル・ヨー、ティナ・フェイ、ジェイミー・ドーナン
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